
たしか2003年12月(大学生)に購入。当時はジャズ始めたてでJohn Ptitucciにハマっており、楽器屋さんで試奏した時に「パティトゥッチの音がする!」と感動したのを覚えています
そして節操のないことにハードロックのバンドも掛け持ちしていたので「ジャズ適正だけだと困るなぁ…」と思っていたら、RIng of Fireのフィリップバイノがこのベースをピックでブリブリ弾いてたの見て「あ、ロックでもいけるんや」という事で、購入決定。
確かちょうど30万円くらいでした。海外旅行用に貯めていた予算を予定変更してこいつにつぎ込みました。ATMに入金する時は手が震えました。それまで使っていたのが30,000円で買ったフェンダージャパンのジャズベだったので、音の変化ぶりには度肝を抜かれました。
2023年更新。この20年で定価が46万にハネ上がってました。しかもeBayだと中古でも50万オーバーで出品されています。売ったらむしろ儲けてしまいます。
2025年更新。定価が50万を超えていました。すごい。
まず見た目がすごい

トップの化粧材の木目がエグいです。エキゾチックメイプルと言うらしいです。エキゾチックという言葉の意味はよく分かりませんが、眺めているとエキゾチックな気がしてきます。自分でも何を言っているのかよく分かりませんが。恐らくこれだけで値段が何万円かは上がっているでしょう。ちなみにマッチングヘッドです。

購入時には見た目の事はほとんど意識していなかったのですが、振り返ると、ライブしたり新しいバンドでリハーサルした時に覚えてもらえやすかったのはメリットかもしれません。プレイヤーとしての私というより、楽器そのものが、ですが…。
ヤマハが発売するTRBシリーズの中でも最も高いデザイン性を誇る機体だと自分は感じるもので、芸術品と呼んでも差し支えないような気もします。ヤマハの本気を感じます。
アンバーというカラーの謎
カラーラインナップはレッドとアンバーの2色。アンバーは「琥珀」という意味で、まぁ言うたら鮮やかな黄色のことです。で、私が所持しているのはアンバーのはずなのですが、ネットで見ると明らかに違うカラーの個体がごろごろ出てきます。

これらを同じ色だと言うのは無理がある気はします。Amberという言葉の定義からは左のイエローが正解だと思う一方で、私が所有するオレンジもAmberという紹介でネットにはごろごろ存在します。
何らかの理由で途中からイエローの生産が難しくなり、カラーをオレンジ気味に変更したのでしょうか。謎は深まるばかりです。YAMAHAに問い合わせてみようかしら。
サウンド
購入時点でメインストリートギターによるモディファイが入っていて、プリアンプがYAMAHA純正からFoderaのものに変更されていました。いまだにそのままなので、よく考えたらYAMAHAのサウンドではまだ鳴らした事がないという事になります。YAMAHAのプリアンプはハードケースの中で20年以上眠ったままです。
音はかなりナチュラル
良く言えば非常にナチュラルな音なのですが、悪く言えばコレという特徴があるサウンドではないです。なんとなく、ヤマハに抱くブランドイメージに合致するのではないでしょうか。
という事で、ジャンルを選ばずかなり汎用的に使えると思います。実際、自分はこれ一本でハードロック、ポップス、フュージョン、スイング、ソウル、ファンク、R&B、ジャズコンボ、ビッグバンド…とかなり節操無くやってきました。
その上で、このベースにも得意なことと苦手なことがあります。
得意なこと=ハイポジションでのソロイング
ジョンパティトゥッチのソロ動画は星の数ほどありますのでそれを見て頂けたら早いと思いますが、とにかくHiCやG弦の高音域でメロディやソロをとると、これはもうかなりの気持ちの良さがあります。上記で優等生的と評したこのベースですが、ここだけは他のベースはおろか、ギターやピアノなど他の楽器に無いサウンドと言って間違いないです。
私は一時期、6弦ベースの多重録音にハマっていましたが、このハイポジションのサウンドの魅力を活かせたらと思ってたやってた気がします。
僭越ながら、10年以上前に撮ったFF3フィールド曲のアレンジ動画を掲載しておきます。
苦手なこと=ローポジションでのグルーヴィなプレイ
こんな事を言うとメーカーの方やパティトゥッチ本人に怒られそうな気がしますが、ローポジション、つまりバッキングで最も使う帯域は苦手だと思います。
低音の締まりが弱い、とでも言いましょうか。パーカッシブなプレイには向いているとは言い難く、ファンク、R&B、ソウルなどのジャンルの音楽にハマったかと言われれば怪しいです。
これ多分、構造とか物理の問題で、一般的な4弦ベースに比べてボディがバカデカいので、どうしてもぶーんと振動してしまうんじゃないかと思っています。
まぁ私のスキルが追いついていない側面ももちろんありますが、それでも4弦ジャズベースと弾き比べると歯切れの良いサウンドを出しづらいという弱点は指摘せざるを得ません。
一点だけフォローすると、これは意外な発見だったのですが、6弦(Low-B)をピックで弾くとものすごいゴリゴリした音がします。ハードロックやメタル(自分の場合はSlipknotのコピバンをしてました)での演奏かなり気持ち良く、「ハマってる」感じがとてもしました。
弦の履歴
- それ以前: 不明
- 2009年未明 Fodera
- 2010年5月 頑固弦
- 2026年1月 Ibanez IEBS6C
6弦ベースとしてのプレイアビリティ(弾きやすさ)
さて、6弦ベースという楽器の最大の特徴はここにあると思いますが、ハッキリ言ってあらゆる観点で弾きづらいです。
4弦から6弦への移行した直後のインパクトは本当にすさまじく、買ってから1〜2週間は指板迷子になりまくり、まともに弾けなかった記憶があります。完全に初心者に戻りました。
20年経った今でも、4弦に慣れた後にこのベースに持ち帰ると、左手を凝視しないと迷子になる事があります。プロだったら一瞬でスイッチングできるかもしれませんが、楽器を弾く時間が限られるアマチュアは一生行ったり来たりしそうな気がします。
鬼の35インチスケール

低音の音程感を増したいパティトゥッチの要望に応えるためスーパーロングスケールという35インチが採用されていますが、これによる弦のテンションの高さはかなり人を選ぶと思います。
自分は指の筋力が鍛えられていないからかもしれませんが、このテンションに指が持っていかれる事が多くて、お世辞にも弾きやすいとは言えません。私はこれで結構苦労しました。単純に弾きやすさを求めるなら34インチの方が絶対良いです。
弦間ピッチ19mm
クラシック4弦ジャズベースの弦間ピッチは20mm、5弦ベースでは18-19mmという一般解がある中、このベースは6弦なのに5弦ベースと同等あるいはむしろ広い部類に属する19mmを維持しています。
なので指板がむちゃくちゃでかくなります。まな板と形容されるレベルです。私はかなり手がデカい方なのであんまり気になりませんでしたが、そうでない方にとっては「これは無理…」なサイズ感になっている気がします。
トラスロッド2本と日本の湿気
指板がまな板みたいなものなので、ロッドが2本入ってます。「それは無敵なのでは」と思われるかもしれませんが、それでも湿度でネックの状態が結構変わります。弦高をギリギリまでローアクションにセッティングしていると、雨が降った日は明確に逆反りして一部のフレットにビビりが発生する、くらいにはネックが動きます。日本にいるともうこれはしょうがないと諦めるしか無いでしょう。
とは言え私はあまりにズボラなので、この楽器を買って20年リペアに出した事がありません。せっかく東京に来てここにはいろんな工房があるので、そろそろ真面目にリペアに出さないといけないかもです。
そしてめちゃくちゃ重い
このベースの最大の難点です。家の体重計で測ったら5.2kgでした。
フェンダーのジャズベースがおおよそ4kg前後で、実際に肩で担いだら数字以上の差を感じます。2倍くらい重いんちゃうかという気がしてきます。
30歳を超えたあたりでこの重量が本格的にきつくなってきました。スタジオで4時間とかリハーサルすると左肩がバキバキになります。たまに4弦のパッシブジャズベを持つと、そのあまりの軽さに感動します。
ベースの多重録音みたいに変な事をしたい時はこのベースはおもろいけど、取り回しが大変なので、そろそろ普通のジャズベに戻りたいなと思う事も多いのが正直なところです。
(2025年追記、結局4弦のジャズベースに乗り換えました)
スペック
| ボディ材 | エキゾチックメイプル、ホワイトアッシュ、アルダー、エキゾチックメイプル の4層ラミネート |
| スケール/フレット数 | 35″ (889mm)/26フレット |
| 指板材/アール | エボニー/1000R |
| ナット材/幅/弦間 | 牛骨/56mm/19mm |
| ネック材/フィニッシュ | メイプル3ピース/グロスポリウレタン |
| ピックアップ | YLB-A6ZC(Alnico V) ×2 |
| コントロール | マスターボリューム、ピックアップバランサー、アクティブ3バンドEQ(ベース・ミドル・トレブル) |
