初心者に熱烈おすすめできるPlaytech(プレイテック)のジャズベース、十分即戦力

1ヵ月以内
Playtech JB420

9年前にPlaytechのジャズベースにダメ出しするような記事を書いてしまいましたが、そのリベンジ、というかお詫び記事です。当時は音作りがヘタだったのですがあれから自分なりに成長し、ようやくその魅力に気付くに至りました。

異常な安さで返って「大丈夫かいな」と疑惑もかけられるPlaytechのジャズベースJB420ですが、結論から言うと十分使えます。10万や20万を超えるベースと比較する事はフェアではないのでその視点は抜いて話すとして、初心者の一本目として全然おすすめできます
というか初心者じゃなくても、一応ベースを弾いて20年の中級者の私はバリバリにスタジオにライブにと使ってます。

私の保有個体

先輩からの借りものなので厳密には保有では無いんですが、旧型(後述)を半年ほど使っており、mighty plugを使った自宅練習はもちろん、スタジオや2回のライブでも使いました。先日のライブでは60代のおじさまから「いい音だったねぇ〜」とお褒めに預かった実績を有しております。

Playtech Jazz bass JB420 and me

色はイエロー。ルックスはむちゃくちゃ気に入っています。次に自分用のジャズベース買うならイエローがいいなと思っているほどです。

サウンド

このベースの最大の評価ポイントです。十分バンドができる、ベースらしいサウンドを出せます。1万円代の楽器としては信じられない水準だと思います。

ただし低音がややブーミーな傾向です。ので、スタジオのアンプのBassを大きくカットする事を推奨します。自分はほとんどのスタジオで10段階中の2や3くらいまで削ってます。そしてMiddleをやや上げます。6や7くらい。Trebleは5。これで十分、ジャズベースらしさのある、バンドで音合わせができるクオリティの音が出ます。出ちゃいます。

当たり前な事ではありますが、10-20万のミドルクラスのベースに比べると音抜けは劣ります。弦を張り替えた直後のスラップでもややこもりがちな音です。それはしょうがないとして、ここでは、それでもバンドができるサウンドが出るという事を評価しておすすめしています。

※このベースで録音したライブ映像をそのうちアップします

ハードウェア

品質が高いとは言えませんが十分許容範囲です。

Playtech JB420
現行品はピックガードが白ですが、旧型はべっ甲だった模様

以下は「気にする人は気にするかも」と思われる点を書いておきます。

ネックは太いです。
一般的なFenderのジャズベースに比べて明らかに太いです。ですが、だからといって「Fenderのベースで弾けるフレーズがPlaytechだと弾けない!」となるレベルかと言えばそんな事は無いと思います。私は全く気になりません。

フレットはちょっと指板から突き出ています。
指板の端とフレット端の摺合せは甘いです。左手をスライドするとフレットのキワが手に当たる感覚があります。恐らくPlaytechのベースで最も嫌がられるポイントはここだと思いますが、私は全く気になりません。多分半年間引き続けて慣れてしまったのかもしれません。

ネジ止めが雑ではあります。
ピックガードやピックアップのネジが斜めに刺さってたりします。私は全く気になりません。

ブリッジサドルの穴がバカになります。
弦高調整でブリッジサドルの高さを調整してるうちに、六角レンチを差し込む穴がバカになりました。一部の弦高が調整できなくなっています。これは少し気にしています笑。
直そうと思ったらパーツ交換すればいいだけなので、リカバリーは容易な範囲です。

…と列挙しましたが、いずれも演奏に支障が無いレベルの、言ってしまえば誤差のようなもの、というのが私の感想です。

ミドル〜ハイクラスのエレキベースを弾きこんできた方にとっては気になってしまうかもしれませんが、そもそもそのような方はこのベースを手に取らないはずですので問題ではありません。
じゃあ「30万の6弦ベースを20年間弾いてきたお前はどうなんだ」という問いが生まれようものですが、なんか、気にならないんですよねぇ。

ヘッド形状が2種類ある

私の知る限り、ヘッドには2種類の形状があります。Fenderのデザインをトレースした旧型と、オリジナルシェイプの現行型です。

ヘッド形状。左が旧型、右が現行型

私はFender信者ですので「旧型しかありえない」くらいの勢いで考えているのですが、気にしなければ現行型を新品で購入しても良いと思います。Fender型が良ければ中古を探すしかありません。

なぜヘッドデザインを変えたかは定かではありませんが、本家Fenderからクレームが入ったのでしょうかね。

しかし重さがネック

個体で差があるかもしれませんが、私が所持している個体は4.7kgぐらいあります。これはジャズベースとしてはけっこう重い方で、標準だと4.0〜4.2kgくらいでしょうか。
何がそんな差を生むのかよく分かりませんがFenderの同モデルのベースでも個体によって±0.5kgの差はあるようですので、こればっかりはどんな個体に当たるか次第と言わざるを得ません。

価格

10年前(2014年)くらいは確か8,000円でしたが、最近は1万円を超えてたな…と今サウンドハウスをチェックしたら、2024年10月現在で17,800円になってました。2倍以上になっており物価高を感じさせます。
10年後はどうなっているのでしょうか。

初心者の1本目としてとても良いです

という事で、PlaytechのジャズベースJB420について紹介しました。
「ベースを初めてみたいけど長続きするかは分からない…」という温度感の方で、ビジュアルも気に入ったものがあれば迷わずPlaytechで良いのではないでしょうか。先述の通りハードウェアにやや難があったり重いかもというデメリットはありますが、ベースとしてのサウンドがちゃんと作れる事が理由です。

自分にも経験ありますが、30,000円ほどのレンジのエレキペースでハズレを引いてしまうと、ただブーブーというサウンドしか出なくて、単純に楽しくないです。
この楽器を試してみて、おおベースって良いものだな、続けられるな、と思えたら10万や20万のベースを検討しましょう。

もちろん財力が有り余っている場合はその限りではありません。Fodera買いましょう。

参考: スペック

旧型から変更がある気もしますが、2024年10月時点の現行型のスペックは以下の通りです。

  • ボディ: ホワイトウッド
  • 指板: ローズウッド
  • ナット幅: 38mm
  • ハードウェア: クローム