Fenderの4弦パッシブジャズベースのレアカラーを探す旅に一旦の終止符を打ちました。Fender MexicoのPlayerシリーズのCapri Orangeというカラーです。ほとんどと言っていいほど市場に出回らないこのカラーが中古が出てるのを見つけて、実物を見ずにネットで買ってしまいました。
ルックス
あーかっこいい。この楽器を選んだ理由の95%がこのカラーです。写真で表現しきれない綺麗なオレンジでむちゃくちゃ気に入っています。中古ですがむちゃくちゃ綺麗。前オーナーの方が大事に使ってくれてたんだと思います。
特にこのカラー、「レアカラーだがギリギリ邪道に見えない」ラインを突いてると思えるのが最大のポイントです。あくまで私にとって、ですが。このあたりは人によりかなり感じ方が違う気もしますし、サンバーストやブロンドこそFenderである、という意見も否定はしません。
ネットに上がってた写真では色がくすんでて「本当に求めるカラーなのか」と思った私は迷惑な事にお店に電話して実物と比べてどうかと問い合わせまでしてしまいました。そしたら「写真を撮って送りますよ」という神対応。わざわざ送って頂いた写真がイメージする鮮やかなオレンジだったので意思決定することができました。島村楽器のそよら成田ニュータウンさんの心温まる対応に感謝です。
余談ですが、目隠しして楽器をあてる例の動画をたくさん見てきたのもあり、島村楽器さんの好感度が高まっていたのも一因としてある気がします。SNSマーケティングの影響を受けています。
購入に至るエピソード
購入までは紆余曲折ありました。実家(高知)に戻ってまで買おうとした Monaco Yellow という限定カラーのジャズベースが時間差で売れちゃっててずーんと意気消沈してたところ、たまたま高知の最終日にネット検索したらこのCapri Orangeの中古が出ている事を発見しました。
このあたりの顛末は以下の記事にて。
実家から高知空港へ向かう車中で「うーーーーーーーーん。買おうかな、どうしよう…」とねちねち悩む私を見かねた妻が「ああじれったい」と購入ボタンをバーンと押したことで購入が成立しました。考えようによっては私というより妻が買ったと説明する方が自然かもしれません。
なお貯まっていた楽天ポイント10,000を使っていいかと聞いたところ、却下されました。
余談ですが、この過程で奇妙な現象に遭遇しました。
販売ページには一言も”Capri Orange”というワードが書かれてなかったのに、私のiPhoneのSafariのGoogle検索の結果に表示されたのがまず変。そしてMacbookのChromeで同じキーワードでGoogle検索すると結果表示され無かったんですよね…。入ってる検索エンジンは同じだったと思うんですが、なんでこんな事が起こったんでしょうか。未だに謎。
購入価格は88,000円。楽天ポイントが5,000ついたので実質83,000円くらい。
購入日: 2024年10月7日、到着: 2024年10月12日
気になるサウンド
まず前提として、アクティブにはないパッシブベース特有の「いなたさ」に「ああこれこれ」と舌鼓(?)を打ちます。
そのうえで、気に入ったところとそうでないところの両方があります。
まず低音域。比較対象が8,000円(このベースの1/10)のPlaytech JB420なのでアレかもしれませんが、4弦の低音域はしっかりと芯のある低音が出ます。ただ低い音がぶおーと出るのではなくジャズベらしいザラつきのある低音に興奮が隠せません。グリスがひたすらに気持ちいいです。
バンドで合わせると、アンプの音量を上げてもアンサンブルの低音部をいたずらに侵食するでなく、ベースが正しく主張されるように聞こえます。音抜けが良いという状態です。
次に中音域。1弦と2弦にコンプ感が強く出ていて「音が詰まる感じ」はちょっと好みから外れるところ。購入時に貼られていたダダリオの弦がそうさせているのでしょうか。もしかしたらちゃんとしたジャズベースってそもそもこういうものかもしれません。あとこれを言うと身も蓋もありませんが、私の性格上、ずっと弾いてるとそのうち慣れるような気もしています。
最後に高音域…は個人的にジャズベースって新しい弦を張ればだいたいどの楽器もあまり差は無いと思っているので、普通に気持ち良いです。
そしてなぜか全くと言っていいほどノイズがありません。パッシブなので少しは覚悟していましたが、びっくりです。これが最新テクノロジーの力なのでしょうか。
参考音源としては、この動画とだいたい同じ音がします。
という事で音質については大きく不満は無く、試奏せず買った事のリスクは回避できたと考えます。
…が、音量がプレイテックのジャズベよりも明らかに小さいのは結構気になっています。無理に音量を稼ごうとして歪んでしまわないか不安ですが、いろんなスタジオやライブ会場で試す中で気にすべき事なのかどうかを判断しようと思います。
ちなみに30万の6弦ベースを弾いていた中級者がなぜ今更エントリーモデルを?という話はありますが、とにかくルックス重視で選んだ結果です。もしサウンドに納得できなかったらピックアップを載せ替えたりペダルで何とかできるだろうと考えに基づいています。
軽いは正義
購入の決め手の一つが軽さです。3.98kg。
海外サイトをいろいろ物色したところ、同じモデルでも4kgを超えるものもあれば3kg代のものもあり、軽い個体に出会えるかも大きなポイントでした。目安として4kgを切ってたら良いなぁと思ってたところその通りのベースを発見できて運が良かったです。
重さを表示しない楽器屋さんもある中、島村楽器さんのウェブサイトではちゃんと重さを表示してくれてた事も紳士的と感じます。
謎に4.5kg以上あるPlaytechのジャズベと比較すると、ライブ一本演奏した後の肩の疲労度に明確な差があります。
ハードウェアについて
ネックが細くて良い
ネック形状はModern “C”という名前がついているもので、細くてなかなか良く、明らかな弾きやすさを感じます。とはいえ極太ネックのPlaytechジャズベースとの比較で言ってるので、たぶん一般的なジャズベースと同じだと思います。
細いと反りに対する耐久性が気になりますが、これは時間が経たないと評価しようがありません。
エルボーカットがサラサラで良い
あと地味にボディのエルボーカット部分が(つるつるというより)さらさらした塗装になっていて、これが絶妙に気持ちいいです。半袖で演奏する夏だけに味わえる感情ですが。
スペック
- ボディ材/フィニッシュ: Alder / Gloss Polyester
- 指板材/R: パーフェロー / 9.5″ (241mm)
- ネック材/シェイプ: メイプル / Modern “C”
- フレットサイズ: ミディアムジャンボ
- ナット材/幅: Synthetic Bone / 1.5″ (38.1mm)
- ピックアップ: Player Series Alnico 5 Single-Coil Jazz Bass
- ブリッジ: 4-Saddle Standard
シリアルはMX2123XXXXということで、2021年製のようです。
楽器のネット配送
楽器の配送って始めてで怖かったんですが、ちゃんと梱包されていて安心しました。
まぁよく考えれば、そもそも楽器屋さんに流通する楽器ってそもそもこのように搬送されて運ばれてくるのが日常茶飯事なはずなので搬送を恐れる必要は無かった気もするのですが…。どう考えても個人売買に比べてまともな搬送技術をお持ちのはずで、それをまざまざと感じました。
終わりに
ようやく出勤中や空き時間に”Fender Jazz Bass XXX”で検索しまくる日々から脱する事ができました。ある意味安堵しています。
後はこれを10-20年単位で弾き込んでいく所存です。
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