人生2本目のウッドベースです。1本目はチャキのベニヤのやつでした。Reghin(レジン。ルーマニアの地名らしい)の3/4サイズでフラットバック。ちなみに同じくルーマニアの楽器メーカーとしてGliga(グリガ)というのもありますが、前者が国営企業で後者が民間企業とのことで、Gligaの方が仕事が丁寧だという噂があります。泣。大学時代にはそんな情報無かったんだよお。
大阪は京橋の横野弦楽器さんに行き、大量に並ぶウッドベースの中で予算に合うものがほぼこれしかなかったというのと、マット仕上げの見た目が気に入ったので購入を決意。大学4年の夏でした。確かちょうど30万くらい。
今調べると、アンティークフィニッシュという言うらしいです。
以下は所属していたオケで揃った4本の楽器です。壮観。
で、私の楽器は一番奥のものです。
単品で見てると落ち着いた色だと思っていましたが、改めて他のと比べると黄色がかった色なんですねぇ。
調整前はバッキバキの音
はっきり言ってオリエンテに比べると使い勝手が悪かったです。とにかくバッキバッキの音。楽器が若いからというのも分かるが、それでもオリエンテの新品に比べてもエグい音がしました。学生時代に使っていたピックアップのUnderwoodとの相性はまぁ、悪かったです。ラインで出すた音はもうギンギンした音という感じでした。
ピックアップ遍歴
大学時代はお金も無かったので最初に買ったUnderwoodで通しました。しかしずーっと音作りで悩んでいたのでちょっと公開しています。
それから社会人になって懐事情も変わり、Fishman BP-10、Realist、SouncClipといろいろ試す事ができました末、MSPというピックアップに落ち着きました。このクオリティにかなり満足したので、他のピックアップは全て外してしまいました。
こちらで録音ありの記事を書いています。
アジャスターつけた
2010年、アジャスターをつけて弦高をかなり下げました。何が原因かは分からんけど異様に弦のテンションが高い楽器だったためか、弦高下げてもある程度の鳴りがあって、しかも弾きやすいという、何だかかなりいい感じになりました。
学生時代にやっときゃよかった。
ネックを一度折った
大学時代、ライブ直後にくたくたになって楽器庫に入れるところでベース倒してしまい、ネック折ったことがあります。ケースを持ち上げた時にぐにゃりと曲がるネックはトラウマレベルの感触でした。そして修理代が5万くらいかかります。1週間以上立ち直れなかった気がします。
で、2019年現在、ネック折ってから多分10年以上経過しているのですが、本体への影響は特に感じられません。というかその影響を特定できません。それくらい「30万クラスのウッドベース」としてのクオリティは維持していると思います。
修理の腕が良かったのでしょう。京都の角本さんの工房でお願いしました。
さすがに10年以上経つと音が落ち着く
2019年現在、買ってから多分14年くらい経つのですが、冒頭で書いたバッキバキの音ではなくなっており、かなり落ち着いた音になりました。
隣の芝生は青い?
50万とか80万クラスみたいな楽器を弾かせてもらうと、「やっぱ違うなぁ」と思っちゃうのは正直あります。同じ力で弾いても胴鳴りが全然違う。素材の差なのか造りの差なのか分かりませんが。
とはいえ2019年10月現在、最近オーケストラに出入りし始めて、楽団にある3本のウッドベース(コントラバス)を弾かせてもらってますが、セクションで弾いて明らかに劣っているかと言えばそうでもないし。
あと自分がこれから音楽に関わるスタンスとして、これくらいの投資で十分と決めたので、多分この楽器でずっと行くでしょう。いきなり大金持ちにならない限り。
しかしオールドもたまには欲しくなる
2023年現在、それなりに財力も蓄えた今、200万や300万円するオールドの楽器をたまにECサイトで見てみたり…という事も。
プレイヤーとしての成長にはもう諦めがついているので、後はもうベーシストとしてのロマンに投資するかどうか、残りの生涯でどんな意思決定をするか、乞うご期待?です。
弦のテンションがキツメの楽器はいわゆるネックの仕込み角度がシッカリ有ると言う事かと。(国産中華他共に無いのが大杉)
駒自体の絶対的な高さは155~165ミリ程度が標準と言われこの時に例えばG弦下端で五ミリ以下の低めな弦高でも楽器はちゃんと芯のある音がする理屈、
同じようにして、又は弦高を上げても150ミリを切るようならネック仕込み角度がかなり緩いか、ボディーの膨らみがかなり強めかネックポケット(接続部)にトラブルな個体。
どうしてもキツい場合はボディー下端のテイルピースロープが乗っている駒を高いもの(ハイサドル)に交換する手技もあります。(楽器屋さんと相談)
また、駒とテールピースの間隔(指板側の弦長と密接な関係の数値が有ります)が変わったり、テールピース廻りの重量が変わったり(物を取り付けたり外したり、テールピースを交換)、テールピースロープの材質や長さに変化等があるとテンションや鳴りなど楽器全体に影響が有ります。
弾き心地のテンション感では駒の糸道の仕上げや深さの違いが直接的に指先に感じられます。
駒の糸道を職人さんが丸ヤスリでチョイと軽く撫でるだけでもあら不思議、弾き心地に変化が表れます
弦の銘柄やテンション(ライト、ミディアム、ヘビー)でもかなり差違が有ります(今回はこれが大きいかも)。
スピロコアのミディアム(結構強い部類)~ヘリコアのハイブリッドのライト(鉄芯弦では楽チンな部類)ではかなり楽に感じるかも
アジャスターはアルミ合金製品だと着ける前と殆ど変化は有りません(判りません)し、場合によっては音量アップします。
ただ真鍮製品だと、全域でサウンドが若干太く成ったように感じますがG弦の中域から高域に架けて詰まった(重く成った)ように感じるかも知れません。
あと、意外にアジャスターを完全に下げて全面的に着地するより若干でも上げている(隙間がある)方がサウンドやバランス、鳴り共に良いようです。(これホント。)
あと、裏技では無いですがエンドピンの材質で劇的に?に楽器の鳴り、音量、反応(弦のテンション感も)が変化します。近年の静かな流行り(ミツケ精機。東京では山本さんが東日本の代理店。現品有り、試走可)。
単質無垢では、
チタン(輝かしく抜ける音)。
真鍮(中低域が充実)。
タングステン(どっしりとかつ抜ける)。
カーボンファイバー(反応軽くガットによりマッチ。昔の木製エンドピンみたい)。
また、それらを二種類合わせたハイブリッドや三種類合わせたトリプレットほかがありますが、
チタン+真鍮が一番高低ともにバランスがとれたスタンダードで売れ筋のようです。
鉄のデフォルトよりも何れも音量アップ。
自分は真鍮とカーボンファイバーのハイブリッド。(フェイクガット(化学繊維芯)弦使いなので)
お暇な時にでも冷やかしがてらにお試しを・・・
結構変化量の大きさにビックリするかも?