人生最高のRPGはと言われたら、迷わず天地創造(エニックス)と答える

昔の話ですが、ニコニコ動画というサービスに初めてアクセスした時、自分がまず最初に検索したキーワードは「天地創造」でした。その10年以上も前に発売されたRPGの音楽が誰かの手によりアップロードされている事(違法ですが)と、愛に溢れまくったユーザーコメントを見て、震えた事を今でも覚えています。
というくらい、天地創造は自分にとって大事な作品です。

自分にとって人生最高RPGが天地創造なのは記事タイトル通りですが、No.2と言われたらクロノクロスです。3位以降はドラクエ4、フロントミッション、ライブアライブ、初代ペルソナあたりが入って来るかなと思います。ほとんどスクエニ。

これらの共通項はエンディング見終わっても明快な答えが得づらいという点にあります。10〜20代という、まぁこじらせがちな年代に触れたこれらのRPGの中で、自分の気持をより複雑にするものに惹かれていたのかもしれません。

この作品、ゲームデザインという視点で言うとバランスが良いとは言えません。SFC最高レベルに美しいデモカットが序盤でほとんど使われてしまったり、同系統のゲームデザインであるゼルダ(神々のトライフォース)に比べてアクションや謎解きの爽快感の薄かったり、難易度のピークが中盤にある(ブラッディマリーの事を指しています)など気になるところもあり、同時期発売のドラクエ6やクロノトリガーの影に隠れざるを得なかったのも分かる。

が、自分を含めた一部の界隈でこの作品が未だに伝説であり続ける理由があり、それはエンディングがあまりに神がかっているからです。ここでのストーリーテリングは破壊的と表現できるレベルで完成度が高いものです。

エンディング動画を貼ります。プレイ経験者なら10人中10人が泣くものです。未プレイの人だったらどういう感想を持つのかも聞いてみたい。

都合によりYouTubeを貼っていますが、ニコニコ動画でみんなのコメント見ながら鑑賞した方が遥かに破壊力があります。今見ても泣ける。24年前のゲームだぞこれ。

30時間というプレイ時間の積み上げの先に自分がこの手で操作してきた主人公が消え去るという落差こそが、映画などの他メディアでは不可能な、RPGにしかできない気持ちの揺さぶり方に他ならないのです。そして天地創造というRPGはその揺さぶりが最も大きく、最もエンディング後に悩んだゲームでした。これが私にとって最高のRPGである理由です。

天地創造は海外ではTerranigmaというタイトルでリリースされています。どうやら米国では未発売で、ヨーロッパで発売されたようですね。YouTubeでの海外の方のコメントで知りました。
昔、海外のフォーラムでこのRPGが絶賛されてたのを見たことがあり、こじらせがちな日本人に比べて単純明快なストーリーが好きそうな海外勢(失礼!)にも、一定数のファンがいるということで無性に嬉しくなったものです。

なんとレビュー動画ありました。2019年にもなって思い出してくれる人がいるだけで泣きそうになります。なんだこの製作者みたいな感想。英語ヒアリング練習を兼ねて何度か拝聴しようと思います。

ちなみに、現在プレミアがついているサントラは、発売直後に定価で買いました。

サントラ買って初めて、エンディングBGMのタイトルが「帰路」、THE END画面のBGMタイトルが「帰るべきところ」であることを知るわけですが、この曲名を知った時は鳥肌が立ったのを今でも覚えています。改めて「一周したんだ」という運命的なつながりに気付かされた瞬間でした。

当たり前のように、人生最高のRPG音楽はと問われてても秒で天地創造と答えます。
作曲者の小林美代子さん(現在は高橋姓)をTwitterで拝見して思わず感謝のメッセージを伝えてしまった事は今でも覚えています。ブランキーのベーシスト、照ちゃんのショップに言って「あなたのおかげでウッドベース始めました」と伝えたのと同じ感動がありました。

…と思ったら、なんと作曲者本人(ピアノ)とヴァイオリンの演奏動画があるではないか。

すぎやまこういち指揮のドラクエコンサートがそうであるように、作曲者による演奏というコンテキストは唯一無二性を持ちますね。感動した…。
作曲者自身がまだこの音楽を愛していることが、こっちにとってもヤバいくらい嬉しいです。語彙に乏しい。

※ 2019年8月17日 大幅加筆しました。