どこかの誰かがラリーグレナディア大先生のクリニックを個人撮影してアップしてくださっており、こんな至近距離の先生をチェックできる機会もそうそうないので、なめまわすように拝見しました。
で、マクブライド先生と並んで俺のウッドベース2大神なので、せっかくなので前やったみたいに演奏フォームについて気付いた点をまとめてみます。
参照した動画
2013年6月にブエノスアイレスで行われたクリニックのようです。
あと、ネットで拾った画像とか他の動画のキャプチャもも拝借しています。
ベースが直立
ベースを真っ直ぐ立てているようです。マクブライドが自分の体に寄りかけているのとは対照的です。
自分でも試してみた感想で言うと、メリットとしては左肩が大きく使える気がします。自然と肘が上がるような感じです。
デメリットとしては、ベースがグラグラ動くので左手に力が入ってしまいます。もしかしたら先生は左足でガチッと固定してるかもしれません。
以下、ネットにあった画像。笑えるくらい直立です。
笑えるくらいベースが高い
めちゃめちゃベースが高いです。
だいたい「目線が1フレットあたりが標準」と聞いていますが、そんなレベルじゃないです。
これも左肘が上がるという効果がありそうです。
その代わり、右手はかなり窮屈な印象でした。グレナディア先生は右肘をほぼ直角に曲げることで対応している模様です。
マクブライド先生はもうちょい角度が浅く、リラックスしてる感じでした。
弦高はかなり低そう
確かな情報は知りませんが、動画ではバチバチと弦が指板にあたる音が聞こえてきます。結構ソフト目にピッキングしてもこれくらい鳴るということは、相当弦高が低そうです。
少なくとも自分のベース(G線からE線に2mm→5mm)よりは低いとして、たぶん2mm~4mm弱とかでしょうか。完全に想像です。
右手のスタイル
二本の指で早めのフレーズを弾くときは、指板に対してほぼ垂直にピッキングするようです。
ほぼエレベ並みです。
自分も試してみましたが、人さし指はいいとして中指がちゃんと弦にあたりません。どうやっとんのだろ。
その他の注目すべきポイント
かなり猫背ですねぇ。
ピチカートの際に弦に対する入力モーメント?は指板方向が基本となります。
楽器を構える際に体幹から45度程度に保持。↖。
ピチカートは指板の仮想平面45度↘で入力。
この時、ピチカートする右手指が体幹(ヘソ)の前方にある事。
結局のところ楽器とピチカートの入力のそれぞれの角度を+と直角90°となり、体幹のヘソ前方からの腕~手指の自然な落下運動に過ぎない事に注目して下さい。
また、同時に弦に架かる指先の深さは極浅くする事(五ミリ程度で十分)も大事。
この際、腕~手指がリラックス(自然な脱力=それらの重力荷重を利用する。弓と全く同じ理念)していてピチカートの瞬発力、スピードを瞬間的、刹那的(瞬間よりも更に短い時間単位)に早める事がポイントの2。
クリアかつレスポンスが早く楽器全体が効率的に鳴らせる(=太く豊か鳴り)ようになります!?
指先の懸かり具合は極端な話、エレベと大差無い位。
これ等はいわば管楽器の基本、腹式呼吸みたいなものにも例えられると考えます。
(基本のソースはバークリー音大の日本語版モダンストリングベース(絶版)の記述。)
ピチカートのスタイルは一指(指先、人差し指の側面広い範囲)、二指同時、二指パラレル、三指パラレルお好みで何でも大丈夫。
お陰様で、楽器とは全く格闘しなくなり、また、セッション他で様々な状態(べたべたの弦高~殺人的な高弦高)の楽器に遭遇してもほとんど問題なく弾ける様に成りました。
(因みに生音がデカイと良く言われます)
一般に勘違いされる深く架けて力任せに楽器と格闘するのは音楽的には迫力ある傍鳴りがしますがサウンドは不明瞭で音抜けが悪くタイミングの遅れの主原因。
身体的には常になにがしかの筋肉や関節トラブルや疲労、水ぶくれや血豆が出来やすい、等を抱える事にまた、精神的に弾く事にストレスを感じたり。(←体験談)
おおー、なるほど。かなり当てはまってギクッとしてます。
特に指のかかり具合はかなり深いと思ってまして、確かに音の立ち上がりが遅い、弦の高低で演奏パフォーマンスが左右されやすい、音ヌケ悪い、みたいな症状あり。
10年くらいで染み付いてしまっているスタイルなので、根気よく改善していこうと思います。ありがとうございました。