DIY3作目、アフリカにインスピレーションされた棚を自作した

ケニアに旅行してからというもの、すっかりアフリカ的デザインに興味が向かってしまい家の中にいろんな色を配置したい欲求を抑えきれない。


ナイロビで泊まった宿。


そして人々が美しい。

何とかこういう世界観を再現したい。

一方、我が家はこんな状態だった。


引っ越し直後にIKEAで買ったALGOTという棚を使い続けたものの、「無難に白を選びました」感がプンプン漂うし、それ以前にバスケットの中が見える仕様なのでとにかくビジュアルが汚い。というか本当はここに写真を貼りたくない。

ちなみにカーテンはケニアで買った布で、そこだけは努力の跡が垣間見れる。

ということで、できるだけ無印良品やIKEA製品を排し、家の脱コモディティ化を図るため、以下のコンセプトで棚を自作することにした。

  1. 色彩豊かにする
  2. 収納容量は維持し、高さと奥行きを削減する
  3. 中身が見えないような仕様に

いきなり結論から言うと、こういう棚が完成した。


とても綺麗になったように見えるが、それは撮影のため周りの荷物をどかしたからだ。

以下、制作過程を紹介する。(注:誰に対して?)

Step1. 設計をする

前回のDIYと同じくSketchを使って設計する。SketchはWebデザイナー御用達のUIデザインツールであり、家具の設計をするものではない。


まず断面図で家の間取りを再現し、だいたいのサイズのアタリをつける。だいたいと言ってもミリ単位で家具を再現しているのでそれなりに正確なはずだ。


サイズ感が分かれば家具そのものの設計に入る。
今回は等角図を作ってみた。断面図と平面図だけからは伺いしれない、完成形のイメージがむんむんと湧いてくるメリットがある一方、作図するのにかなり時間がかかった。楽しいからいいのだけど。


バージョン8まで検討した。棚の段数、棚板の固定方法、木材の歩留まり…など、変数がやたら多いので悩みに悩んだ。散々悩んだあげく、とある日の寝起きに「もうこれ以上悩むのが辛い。エイヤで決めよう」と思って決めた。


なお、この時点で近所(徒歩5分)のホームセンターに4往復ぐらいしている。木材のサイズと値段をいちいち確かめにいくためだ。

そして当DIY一番のポイントである、着色までシミレーションしてみてやった。


とにかくアフリカ的な色彩にしたいのと、単色ではなくツートーンにしたいという並々ならぬ欲求がある。天板と脚を別々の色で塗る事は決めている。

妻に希望の色を問うてみたが「うーんわからない」とのことだった。

という事で設計が一段落。この時点で1週間かかっているが、ここからが本番。

Step2. 木材を購入し仮組み立て

木の歩留まりまで計算した設計書があるので、木材を購入するのはもう簡単…なはずなのだが、過去のDIY実績の中で最も複雑なものを作るのでこちとらかなり慎重である。特に、これで強度が十分なのかがさっぱり分からない。

そこで徒歩5分にホームセンターが地の利を活かし、アジャイル開発を試みた。


まず構造の最小ユニットに必要な材料だけ購入する。


これくらい単位で一度組んでみて、ちゃんと立つか、強度などをこの手で確認してみる。思ったよりしっかりしてると興奮し、次のユニットを作る意思決定をする。つまり、またホームセンターへ行く。


DIY作業の中でヤスリがけだけはどうしても好きになれないのだが、今回はちゃんとヤスリをかける事にした。買った木材がささくれだらけで、「これそのまま使ったらいつか怪我する」と思ったからだ。

思いついた粉塵策が「そのままビニールに入れてヤスリをかける」という手段しか無かった。めちゃくちゃやりづらかった。余計にヤスリがけが嫌いになった。


第2ユニットも組んでみる。1段階ずつ進捗が進むと異常にテンションが高まる。


だいたいの構造体までできた。この段階ではまだ接着しておらずクランプで仮固定。
接着するとペンキが塗りづらくなる事に加えて、この棚、引越の時のためなんと解体できるように設計しているので、そもそも接着しないのだ。


今回こだわったのは天板の「コの字」型の裁断だ。ただし1辺のカットで100円するので、3枚の棚板でカット代だけで4,200円した。

相変わらず妻とカラーリングの合意形成が進まないので、「完成に近い状態で見たらイメージが湧くかもしれない」ということで、建設予定地に配置してみた。


もうこれでいいんじゃないかという声が聞こえたものの、棚を作る事自体が目的なのではなく、「家をアフリカ的にする」事が目的なので、却下させて頂いた。


さらに写真に着色までした。ここまで手間をかける例もあまり無いのかも知れないが、単に色を決定する想像力が無かっただけだ。

奥のカーテン(というかケニアで買った布)と合わせて天板を黄色にする事を提案したが全く聞いてくれず、ひとまず天板は妻の希望通り濃い緑にする事にした。

Step3. ペンキで塗る

まず妻の所望通り、天板を濃い緑で塗る。

よく分からないが、ビリディアンという色にした。


今回はローラーに初挑戦したところ、


あまりの塗りやすさに感動した。


乾かす。


日中に乾かなかったので夕方に部屋に持ち込む。生活に支障が出た。

仕事でのリスクヘッジ思考を家庭に持ち込んでしまった結果、乾くまで1週間待った。こんくらい乾かせば大丈夫だろという安心感は得られる一方で、その間次の工程に進めないというデメリットがある。

次に脚の色を決める。天板は妻が選んだので脚の色は自分が選ぶことにした。天板が暗い色なので、脚は明るい色にした方がツートーンにした甲斐が強まるのではと考えた。


似た色がたくさんあって困った。


取り返しのつかない選択なのでホームセンターで1時間以上迷ったうえで、結局オレンジにした。


ペンキを買ったら塗るしか無い。ブルーシートの青とオレンジの組み合わせも綺麗じゃんと思った。

ローラーのおかげで一瞬で塗り終わった天板と異なり、複雑なパーツで構成される脚は塗るのに半日かかった。複雑なだけでなく接地面も塗らなきゃいけないので浮かして塗る処置とかが素人には大変だった。同時並行でヤスリもかけたので修行のようだった。

そして天板と同じく、乾かすのに1週間かけた。

Step4. 組み立てて完成

設計開始から1ヶ月かけて素材は全て揃った。後は組み立てて完成である。この段階ではまだ、オレンジと緑の組み合わせがどんな雰囲気を出すかは分かっていなかった。


できた。思ったよりいい。むちゃむちゃテンション上がった。


天板の「コの字」カットがかなり良い味を出している。最高じゃないか。

仕事から帰ってきた妻がひと目見て「え゛え゛え゛え゛え゛え゛」と叫ぶくらいにはセンセーショナルな体験ではあったようだ。

後はこれに無印のラタン材のバスケットを6つ入れて棚として完成。DIY3作目として満足。

今回は以上。より複雑な物を作りたい機運が高まる。

かかった費用

合計¥37,146。
思ったよりお金がかかった。なお、税込と税抜の金額が混在しているので、目安。

棚本体に¥20,106、バスケットが¥17,043。本体費用の1/4が木材のカット代という効率の悪さが気になるが、あのコの字カットだからこそ実現できたデザインなのでしょうがないと納得しておく。

項目 費用
材料 シナランバーコア材 1820×910 ¥5,980
ホワイトウッドプレーナー材(300×300) 1820 ×4本 ¥1,672
MDFボード(厚さ2.5mm) 910×300 ¥158
カット代 ¥5,170
補強金具L字 × 2個 ¥220
ペンキ ビリディアン 0.7L ¥1,980
ペンキ ビリディアン 84ml ¥548
ペンキ オレンジ 200ml ¥880
工具 コーナークランプ ×2個 ¥1,960
F型クランプ ¥200
紙ヤスリ ×2枚 ¥100
水性ボンド ¥238
刷毛 ×2個 (100均) ¥200
ペイントローラーハンドル (100均) ¥100
ペイントローラー (100均) ¥100
ペイントローラー用かご (100均) ¥100
ワーク手袋 (100均) ¥100
中身 無印のバスケット ¥17,043
その他 レインコート ×2個(上下) ¥200
バケツ (100均) ¥100
レジャーシート (100均) ¥100