恐らくかなりのマイナー楽器に属するウッドベースですが、なぜか分かりませんが呼び名がいっぱいあります。呼び名が統一されていないあたりもマイナー臭ただよう楽器、それがウッドベースです。幸か不幸かそんなマイナー楽器を愛してしまうようになってしまいました。
名前というのはアイデンティティです。それが分散していることからもこの楽器がいかにポジションを確立し損ねているかが伺い知れます。
そんなドマイナー楽器への愛が炸裂してやまないために、私はその呼び名を調べることにしました。
日本語
その前に釣りタイトルの匂いが漂う「コントラバスとウッドベースの違い」ですが、楽器の違いはありません。同一の楽器です。ただしシチュエーションによってどの呼称が使われるかが異なります。なぜだかさっぱり分かりません。
主な呼び名1:ウッドベース
もっぱらジャズ畑の人はこう呼びます。自分もジャズプレイヤーなのでこの呼び名を使います。略称は「ウッベ」。たぶんエレベの対になってるんでしょう。
ちなみに知ってる人には当然なのですが、ウッドベースは和製英語です。Google翻訳先生が証拠を示してくれました。
木製の。だからなんやねん。
主な呼び名2:コントラバス
オーケストラの人はこっちですね。略してコンバス。なんでオケとジャズで同じ楽器を別で呼ぶのか全く意味不明です。
ウッドベースとコントラバスはどっちがメジャーなのか?
素朴な疑問として、ウッドベースとコントラバスはどっちがメジャーなのでしょうか。ここで私はGoogleトレンド師匠に聞いてみました。Googleでの検索回数の推移です。
バーン。
コントラバスの方がウッドベースの2倍以上のスコアを獲得していることがジャズ畑の私からすると歯がゆいのですが、、というかなんで両方とも右肩下がりなのでしょうか。日本での地位が危ぶまれています。助けてあげて。
調子にのって、オケ弦楽器の他楽器と比べてみました。
オケの他弦楽器との比較
バイオリンと比べると、ビオラとウッドベースはゴミみたいなもんです。だが、それがいいのです。
その他の呼び方1: 弦バス, バス
これもオケの人が使いますね。いちいちコントラバスとか言うのがめんどくさい時に使うのかもしれません。だったらコンバスでもいい気もしますが…。オケの事情は良く分かりません。
※Twitterで情報頂いたので追記
弦バスとか弦べとかは吹奏楽の方が利用するようです。
@imasashi 呼び名おもしろいですね
弦バス、弦ベは吹奏楽、コンバスはオーケストラの人達がよく使いますね。
アコべやアップライトベースはエレベやベースギターと対になってる呼び名なのかなーと思います
— 佐藤スムース (@satosmooth) 2014, 7月 27
オケとか吹奏楽だとこの楽器以外にもいっぱいバスパートを担当するので、「弦パートの中のバス」で弦バスなんでしょうね。
その他の呼び方2: ウッド
ご年配のジャズメンはこう呼んでおられる気がします。かの納浩一さんもこれですね。
英語
英語でも呼び名がいろいろあります。英語圏でもマイナー楽器のようです。
楽器事情に詳しいネイティブの友人がいればいいんですが、いないのでネットサーフィンして見かける呼称を紹介します。間違っていたら教えてください。
Upright Bass
これが一番よく見る気がします。自分が英語圏向けにYouTube動画をアップロードする時とかはこの呼び名を使います。日本みたいにジャズとかクラシックで使い分けがあるのかは分かりません。
ちなみにこの呼称の由来ですが、エレキベースが市民権を獲得してくるにあたり、差別化の意味で「Upright = 縦」という名称が使われ始めたのだとか。
Double Bass
これもUpright Bassの次くらいに見ます。が、Upright Bassとどういうニュアンスの差があるのかよく分かりません。誰か教えて。英語圏のオケ譜面にはこっちで記述するらしいです。ただ、日本で言う「ツーバス」が英語で「Double Bass Drum」と言うのでクソややこしいです。YouTubeで「Double Bass」で検索したらツーバスの動画がヒットします。困るわ!
2017年12月4日更新
John Patitucciのインタビューで「Double Bass」の呼称が使われているのを発見しました。
String Bass
吹奏楽はこの呼称を使う模様です。以下の返信を頂きました。
@imasashi お役にたててよかったです(*´∀`)
今思い出したんですけど吹奏楽の楽譜にはString Bassの表記をよく見るのでそこから弦バスって呼ぶようになったのかもですね
それと英語のオケの楽譜や教則本でDouble Bassと書いてあるのをよく見る気がします
— 佐藤スムース (@satosmooth) 2014, 7月 28
Acoustic Bassは誤用?
自分は昔この呼び名を使ってました。が、どうやら間違いのようです。
証拠(google画像検索)
いわゆるこっちのことを指すようです。日本でもアコベということありますが、注意が必要です。
その他の国では
ただWikipediaでざっと見ただけの結果をお伝えします。
ドイツ語
Kontrabass とか Bassgeige とか呼ぶようです。
前者は「コントラバス」後者は「バスガイグ?」みたいな発音でした。
ドイツでも呼称が固定されていないあたり絶望感が増します。
イタリア語
Contrabbasso らしいです。bが2つ続くのがポイントです。
google翻訳に喋らせたら「コントルァバッスォ」という感じでした。
フランス語
Contrebasse らしいです。
こちらもgoogle翻訳では「コントァバス」という感じ。
中国語
低音提琴とか低音大提琴という例が出ています。「提琴」はバイオリン、「大提琴」はチェロを指すらしいです。ひとつの楽器に対して「バイオリンの低音楽器」と「チェロの低音楽器」という定義のブレ方が愛しくてたまりません。
以上です。
気が向いたら追加します。
アメリカでは、ベースバイオリン!と言う事もあるようです。
YouTubeのレイブラウン氏のレッスンビデオで氏はその様におっしゃっています。
吹奏楽では低音楽器の主役(王さま)は金管楽器であるチューバ。
その他にも木管、金管の吹奏楽器の低音楽器が複数使われます。
それらと区別する意味で弦楽器のバス(ベース(英語))、ストリングベース(バス)、、、弦バス。
因みに、吹奏楽では日陰者のコントラバスですが、歴史的には吹奏楽の初期に於いてはコントラバス。更にチェロも盛大に使われ低音の主役を担っていた事もあります。
あと、ジャズの歴史上、黎明期~デキシー期に於いては元々軍楽隊=吹奏楽団の払い下げ楽器等々から始まった経緯も
あってチューバや行進用のチューバであるスーザフォンが使われていたところに
それら(チューバ)よりもコンパクトで簡便?!なコントラバスが使われる様になった経緯が有りました。
初期於いてはピチカートではなくて音量がある弓で(チューバと同様な2ビートライン等)演奏されることが常だったようです。
金管に対しての木製、、、ウッドのベース。
コントラバス(欧)。ダブルベース(英語)。
コントラもダブルも意味は中低音楽器の王様、チェロのオクターブないしは更に下の音域を意味します。
更に歴史的にはコントラバスの更に下!?の巨大楽器が有り、オクトバスと言います。
唯一現存する物は、ベルリオーズの真夏の夜の夢の初演で使用されたマッジーニ製作の約5メートルになる三弦楽器。(お蔵入りの様ですが実は毎日習熟演奏される未だ現役状態。)
YouTubeにその雄姿と超重低音がアップされています。
文献では更に巨大な八メートル物や10メートル!?が有ったとか。
アコースティックベース。
はエレクトリック・アコースティックギター(エレアコ)型のベースが出来る迄は普通にコントラバス/ダブルベースの事を言っていましたが
エレアコベースが市民権?を得る過程でコントラバスからエレアコベースに世間の認識が変化した物
元々は、エレキベースに対してアコースティック(クラシカル)なベース=コントラバス。