ドラクエ11神ゲー。たしかに最高傑作 (ネタバレあり)

とっくにクリアしてたけどようやく感想を書く。

ネタバレありです。
未クリアの人は見ない方が絶対いいです。俺自身が「ネタバレせずに進めて良かった」と本気で思ったからです。ご注意。

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ちなみに俺は「一番尊敬するクリエーターは」と聞かれたら即答で「堀井雄二」と答えるくらいのドラクエ信者なので悪しからず。

さて、仕事が忙しくて発売直後は見送っていたものの、TwitterとかFacebookで「最高傑作」との声を聞いて我慢できなくて2週間遅れで購入してしまった。ドラクエヒーローズの時もそうだったが、どうも仕事で大型納品がある月にドラクエが出るようだ。どうせ買うなら発売日に買えばよかった。

このドラクエ、やってみたら
堀井雄二が本気で泣かせにきた
感がある。敢えてドラマ的に仕立てすぎず、ふんわりと「いい話だったナー」的な読後感を持たせるのがドラクエのテイストだったはずが、今回はあらゆる要素がストーリーテリングに振り切られている。

原点回帰とか集大成と言われているらしいが、とんでもない、今回のドラクエは新機軸を打ち立てたという印象の方が全然強い。ドラクエ3とかのドラマより自由度を重視したRPGが好きな人ほど、ドラクエ11は煮え切らない可能性もあるなぁとは思うが、俺は
ひと夏をドラクエ11に費やして良かった
と思うほど感動した。

とにかく過去作と違ってプレイアブルキャラがむちゃくちゃ喋る喋る。
正直言うとプレイ前はキャラデザが微妙だと思っていた。主人公のビジュアルが発表された時は正直げんなりした。そもそもドラクエはキャラで売るスタイルじゃないのももちろん分かっていたので(敢えてキャラゲー化しないようにバランスさせているものと思われる)、まぁそれ以外の骨太なゲーム性で楽しむもんだろうと予想。

が、プレイ後にここまで感情移入するとは思わなかった。
Twitterで誰かが言ってたのを見たが、確かに全員好きになる。物語が進めば進むほどグレイグの謎のパッチワーク衣装も気にならなくなる。

特にベロニカの表情が無茶苦茶いい。
別に俺はロリコンでもなんでもないが、表情の作り込みに半端じゃない執念を感じた。

…と同感の人は多いようで、ご丁寧にもそれをまとめた動画を作ってる方がいらっしゃる。

いや正直、死ぬとは思わなかったよね…
このイベントは5のパパスを超えたと思う。多分、プレイアブルキャラがストーリー上死ぬのってドラクエ史上初では?

いや実は会社の先輩と進捗報告してる際に、悪気なく「ベロニカ死んだ?」と言われて「ええええーーーーーー!!!」となったのだけど、それ知っててもあれは辛かった。

なかなか名シーンが多かったけど、俺が一番好きだったのはこれ。

忘れられた塔でセニカからベロニカが笛を渡され、セーニャが竪琴を構えた時。多分0.5秒くらいの間に「え、ちょ、もしかして、マジで?」と思ってたら…ここで「おおぞらをとぶ」が流れる。ほんとに俺の30年くらいのRPG演出の中で一番鳥肌が止まらなかった。最高確定。

今YouTubeで見直しても鳥肌が止まらない。
ベロニカが笛をたしなむとかたしなまないとかいう会話が中盤にあったけど、その伏線を最後の最後で回収かよ。ニクすぎる。

この「おおぞらをとぶ」はそれこそ30代以上のドラクエユーザーなら何百回も聞いてきた曲のはずなのに、シリーズ30年を超えてなお過去最高の使い方が発明されたというのがもう驚きでしかない。

いや実は序盤から音楽の使い方にはピンときてなくて、俺のゲーム音楽トップ3に入る「海図を広げて」が普通に使われたり、後半でいきなりフィールドBGMが3の「冒険の旅」になったりと、過去のナンバリング曲を使うのはちょっと節操ないなぁくらいに思ってたりして…どうせ「おおぞらをとぶ」もどっかで出してくるんでしょと思ってたら、マジで最高のタイミングで出してくれた。

くどいけど、ドラクエ屈指の名シーンどころか、全RPG中の最高のシーンだった感がある。俺にとっては(しかしラスボス曲はオリジナルにしてほしかった)。

あと他のシーンで好きだったのは、ムウレアの女王が主人公との別れ際に放つ言葉。

とか、主人公が過去に戻る時の仲間のセリフとか。

あたためって何やねん…。

いやー泣かせにくるわ。カミュの「オレたちはお前ともう一度旅をするからな!」というセリフがむちゃくちゃいい。ドラクエって世界を救うということも大事なんだが「仲間と冒険する」物語なんだよなと改めて思う。

ちなみに公式アンケートで一番人気だったのは、テオの「人をうらんじゃいけないよ」というシーンらしい。正直、覚えてなかったが…たしかに見直すといいシーンだ。

ネタバレイトショーという、開発陣が発売後1ヵ月くらいのタイミングでその名の通りネタバレしながら開発秘話を語るイベントがあったようなので、そこでアンケートとってる。こういうのがオンラインで見られるのはほんとにいい時代だ。

この動画すごい長いけど、むっちゃおもろい。クリアした人なら絶対見るべき。

一部の人が指摘するように、開発視点がストーリーと演出に振りすぎている感は否めないが、これはこれで、最新のドラクエが出した最適解として受け止めるには十分のバランス。さすが神。最高傑作と言う気も分かる。シリーズ30年目にして最高傑作と言わせるものが世に出せるのは本当にすごい。堀井さんのバランス感覚だろう。未だに、「ゲームは遊ぶもの」というセンスを持ち続けている数少ないクリエーターの一人だと思う。

と思ってたら、堀井さんのいいインタビューがあった。

このインタビュー、最後まで読むとこの人はほんとにRPGというフォーマットでできることや、RPGが果たす社会のポジションを意識しながらゲームを作っていることが分かる。クリエイターとして本当に真摯。

このSNS全盛の時代に、ネタバレしたら爆死みたいなストーリーを敢えて放り込んできたのが、堀井さんの考えを象徴してるのではないか。
基本的に人間の明るい部分を信用しているというか。たぶん賭けの部分もあったんだろうが、そのおかげで、20年前とかのRPGに対する期待感をまた思い出した気がする。

まぁ細かく気になったところが無いところではないが…。
あんだけ女王様と感動の別れをしたわりに、久しぶりにムウレカに戻ってきたらみんなピンピンしてたのとか、世界の大樹落ちた後にボコボコになったのがデルカダール周辺だけだったりとか。FF6くらいどの町もボコボコにしてもいいなと思った。大樹落ちた直後の世界の絶望感の描写はなかなかRPGに無いレベルだったからこそ、もったいないかなぁと。まぁ、あのテンションがあと数十時間続くのもキツイか。

いやまぁ、そういうのがどうでもいいくらい全体が良かったわ。ほんとに。

この演出フォーマットでドラクエ4と5もリメイクしてくれたら俺は本当に泣くと思う。まぁやらんだろうが。
当然、ドラクエ12も出してほしい。妙に堀井さんが「最後の意気込みで」みたいなことをちらっと言ってるので気がかりでしょうがない。
もっと言えば、唯一やってなかったドラクエ10もやりたくなってきた。
もちろん、ドラクエヒーローズ2もやりたい。

ありがとうドラクエ。日本人に生まれてよかった。

プレイ記録

1. 購入〜ウルノーガ倒すまで

8月12日購入~クリアは9月6日。プレイ時間67時間。
26日間、平均2.5時間くらい毎日やった計算か。どひゃー。

レベルは59。楽勝。
メンバーは主人公、グレイグ、マルティナ、ロウ。
グレイグは全然好きなキャラじゃなかったけど(当時)、守りを固める戦略の方が圧倒的にボス戦いが楽なので入れるハメに。

グレイグはひたすらスクルトとマジックバリア、ロウがフバーハを連呼する。いてつく波動で消される度に連呼する。フバーハ2回かけたらロウはルカニ。ただマルティナがしょっちゅう会心の一撃を繰り出すのであんまり意味は薄い。

本当はバイキルトも使えるセーニャをスタメンにしたかったのだが、序盤からずっと踊り子の服を着させるという縛り(?)プレイを自らに課したので中盤以降はイベントシーン以外出番が無かった。

中盤(大樹が落ちる前後)が異常に盛り上がったのに比べると、ラスボス直前がけっこうあっさりいっちゃったなぁとか、エンディングが淡白だなぁと思った。ここまでストーリーに振り切ったドラクエなのに、こんなとこで手を抜くのか?と思ったら
なんだこのクリア後が本番みたいな展開。

10時間くらいプレイ後のお楽しみがあるのかくらいに思っていたら、とんでもない展開が待っていた。

2. クリア後(過去編)

クリア日時とプレイ時間:忘れた。
クエスト全部やったり、相当寄り道してた(というか、このままクリアしたくないという気持ちがそうさせた)のもあって、レベルが90くらいに。
てっきりラスダンがある(=とってないアイテムがあるだろう)かと思って黒いイガイガに突入したらそのまま邪神バトル。たまたま勇者が勇者の剣を所持していたので楽勝で撃破。

エンディングは超感動した。

確かにセニカのあの演出は、「パラレルワールドか時を巻き戻したのか」の議論を生むのも分かる。正直パラレルワールドは信じたくない。
が、ひとまずは感動したという感情だけ享受することにした。

3. 図鑑コンプ

コンプ作業はあんまり他のゲームではやらないが、あまりに感動したため感謝のため遊び尽くそうと思い、図鑑コンプにチャレンジ。
11月25日時点で防護・アイテム・アクセのコンプ済。武器は残り光の大剣のみ。モンスターは残り10くらい。
現在進行中。