ジャズでベースを始めて長いですが、ウォーキングベースはいいもののベースソロを未だに弾けません。こういう方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ジャズのアドリブソロ、と言うとスケールを覚えよう!とかアナライズしよう!というブログや書籍が山のようにヒットしますが、テクニックの寄せ集めでソロをとる事が本末転倒のような気がして今まで生きてきたものの、一向に弾ける気配がしません。ので、もう物理的に体に叩き込む事にします。
という事で本稿では、ジャズスケールやアナライズよりもさらに原点に戻り、コードトーンを滑らかに弾ける事を目的とした解説となります。
目次
ベースソロが弾けない原因(私の場合)
指板のハイポジション(12フレット周辺)で迷子になるからです。
ジャズベーシストはほとんどの時間をウォーキングラインに費やす人生を送っているので、「ハイポジションで」「コードのルート音以外のフレージング」に親の仇ほどの憎しみを抱いています。
しかしジャズ的なソロを弾くためにはウォーキングラインとベースソロは全くの別物と考える必要があります。そのためこのクセから解脱する事を目指します。
解決策: ハイポジションでコードトーンをひたすら弾きこむ
スケールを覚える前にそもそもコードトーンをまともに弾けるようになります。
全てのコードに対して、以下の例で示すような指板上のブロックをハイポジションですらすら弾けるようにします。

例えば、ジャズスタンダード『枯れ葉』では以下のようになります。
各コードに対してルート→3rd→5th→7thの運指でフレージングをしています。

まずはこれを何も考えなくても弾けるまで体に染み込ませます。我々ジャズベーシストはウォーキングベースを弾く際にいちいち「指板上のどこにCがあるか」を考えずに弾きますが、これが「体に染み込んだ」状態です。スケールとかアナライズとか言う前に、この状態を出発点とします。
参考: ルート音に対する指板上の位置取り
慣れないうちは脳の余裕が無いので、ルート音に対する指板上の位置を固定しておきます。上で紹介した運指はだいたい以下のルールに則っています。

本番: ルート以外から弾く
ここからが本番です。上と同じ事をルート音以外の音から始めます。ルート音以外の音を一瞬で…というよりも脳を使わずに特定できるようになるためのトレーニングです。
フレーズのパターンは膨大にありますが、以下では2例を紹介します。
7thから弾く
7→5→3→1のフレーズです。

これだけでジャズ的なサウンドに近づきます。
3rdから弾く
3→1→7→5のパターンです。

最近このエキササイズをやってますが、明確に「指板が広く見えるようになる」効果があります。
それだけでなく、コードに対して7thや3rdの音が直感的に脳内に響くようになるという変化もあり、少しだけ脳がジャズ的になっている気がします。
参考: 他のパターン
他のフレーズパターンは以下の通りです。全部やるとキリが無いので自分がオイシイと思えるフレーズだけ選んで練習するのがよいと思います。
- 1→3→7→5
- 1→5→3→7
- 1→5→7→3
- 1→7→3→5
- 1→7→5→3
- 3→1→5→7
- 3→5→1→7
- 3→5→7→1
- 3→7→1→5
- 3→7→5→1
- 5→1→3→7
- 5→1→7→3
- 5→3→1→7
- 5→3→7→1
- 5→7→1→3
- 5→7→3→1
- 7→1→3→5
- 7→1→5→3
- 7→3→1→5
- 7→3→5→1
- 7→5→1→3
マイナスワンに合わせて弾く
YouTubeにマイナスワンをアップしてくれてる方がいるのでバリバリ活用できます。ここでは、Guitare ImprovisationというYouTubeチャンネルでアップされているマイナスワンを適当にピックアップします。
もちろんアプリのiReal Proを使っても良いです。
Autumn Leaves
Fly Me To The Moon
On Green Dolphin Street
Stella By Starlight
A Night In Tunisia
Take The A Train
All The Things You Are
Donna Lee (Slow)
There Will Never Be Another You
It Could Happen To You
All Of Me
とりあえず王道のスタンダードは何の曲が来てもスラスラと弾けるようになりたいものです。
連載するのか?
次はジャズに頻発するスケールを体で覚えるエクササイズを紹介しようと思います。多分ですが。
参考
冒頭でジャズのアドリブソロはテクニックの集合ではなく脳に響くメロディであるべきと書きましたが、似たような事を仰っている熟練の方がいたので嬉しくなりました。
アドリブのプロセス | ジャズピアノの練習