相当なドラクエ贔屓の俺ですが、中でも4だけは特別と一言で片付けられないくらい思い入れの強いタイトルです。
特に音楽が大好きで、親父が買ってきたサントラを小学生から今に至るまで、いまだに聴き続けています。全曲の全パートをほぼ歌えるんではないかと。
で、物心ついたときから『すぎやまこういち先生指揮による「海図を広げて」を聴く』というのが、冗談抜きで人生の目的になっていました。
ずーーーっと狙っていた「ドラクエ4だけのコンサート」がようやく開催されるということで、鼻息荒く会社の休みをとり、片道2時間半かけて群馬音楽センターへ行ってきました。
もう建物見ただけで泣きそう。
実はこの建築、アントニン・レーモンドという建築家の代表作らしくて、Wikipediaによるとかの磯崎新をして「日本におけるモダニズムのもっとも良質な部分をこの建物でみることができる、言わしめた。」とある、ものすごいものらしいです。
一応建築学科出身なんですが、全然知らんかった…
個人的にはこのウッドベース型の電話ボックスの方が気になりました。
あいにくこれを利用する勇気は持ち合わせておりません。
音楽センターのホール。すげぇかっこいいです。
ただ音響的にはいろいろ問題点があるとか。
コンサートが始まる
すぎやま先生登場
今年で81歳とのことですが、まっすぐな背筋、しっかり歩く様子など、年齢を感じさせません。この人のインタビュー読むといつも思うんですが、発想というか考え方がそもそも若いんですよね。いい意味での子どもっぽいところがすごく残ってます。それが体にも現れているんだと思います。
プロオケの演奏を見るのは人生でまだ2回目ですが、指揮者がサッと手をあげるとすぐ演奏がはじまるんですね。
それがとてつもなくかっこいい。
人生初の「序曲」。
人生初の「王宮のメヌエット」。
人生初の「勇者の仲間たち」。
特に「戦士はひとり征く」で最初の涙が…
演奏力がちょっと?
ただ、わりとミスとか演奏力が気になりました…
トランペットのソロパートでミストーンがあったり、音を間違えたりとか、どのパートも早いパッセージになるとセクション内のバラつきが目立ったりとか。
あとは打楽器系のサウンドの浮き具合が気になりました。他の楽器に比べて明らかな音量差が。
全体的にちょっと気持ちこもってないなぁ…てところが散見されました。
N響版を20年聴き続けてきたのが大きいのかもしれません。
オケでプロやってるというだけで相当な楽器のコントロール力があるのは分かるのですが、そのプロの中でもこれくらいの差があるのか…と愕然としました。
通常戦闘は、ゲーム音楽史上最高のフレーズだと思っている8分の9拍子のパート、あそこがいきなりテンポが遅くなってちょっと残念だったりしました。
しかしそんなことより、自分の目前であの楽曲たちが演奏されている興奮の方が100倍勝っていましたが!
特に20代中盤の若きコンマスによる「ジプシー・ダンス」と「謎の城」のソロはなかなかのものでした。
目でみるとやっぱり違う
印象的だったのが「のどかな気球のたび」。
変拍子・変テンポもなんのその完璧に覚えている曲ですが、やっぱり目で見ると印象が変わりますね。あれだけ大勢の演奏者がいる中で、「木管パートだけがここまでフィーチャーされている」というシチュエーション自体が、何か胸に迫るものがありました。
CDだと「演奏していない人」の存在を感じることはできませんからね…
「トルネコ」のコントラバス隊のメロディパートも、普段は裏方の人達にスポットライトがあたる様子が可視化されて、何度も聴きまくったのに、さらに気持ちが入って聴き入ってしまいました。
グッジョブ。
そういう意味では、音としては頭の中で完璧に鳴っている楽曲たちが、目で見ることでさらに立体化して捉えることができた、というのも面白かったです。
へぇここはトロンボーンがやってたんだとか、バイオリンからチェロへのフレーズの受け渡しとか。
あと、「立ちはだかる難敵」でフィーチャーされるティンパニの方。ネクタイを振り乱しながら叩く姿がなんだか印象的でしたw
ついに念願の!!!
で、第2部中盤の「海図を広げて」。
イントロの1音目が鳴った瞬間にアゴがスコーンと抜け落ちて涙がドバー状態でした。
もうね、俺の人生はこのためにあったんだと。
2コーラス目ではそれまで座っていたすぎやま先生も立っての指揮。
先生も思い入れのある曲なのかな。
あまりに感動しすぎて、それ以降の曲をあんまり覚えてないくらいです。
あれだけ楽しみにしていた「栄光への戦い」、エンディングの「導かれし者たち」が、あんまり頭に入ってこなかったのはちょっと残念だったかな…
ブランキーのライブが見れなかったことを一生後悔することが決定している俺ですが、もう一つの大目標を達成できました。
今日は一生忘れられない1日になることでしょう。
できれば、ドラクエ4のコンサートをもう1回だけでも見たい!!
そういえば5弦コントラバスを生で見たのはじめてかも…
ということで、次の人生の目標、何にしようかしら。
セットリスト
第1部
- 序曲
- 王宮のメヌエット
- 勇者の仲間たち(間奏曲~戦士はひとり征く~おてんば姫の行進~武器商人トルネコ~ジプシー・ダンス~ジプシーの旅~間奏曲)
- 街でのひととき(街~楽しいカジノ~コロシアム~街)
- 勇者の故郷~馬車のマーチ
- 立ちはだかる難敵
第2部
- 恐怖の洞窟~呪われし塔
- エレジー~不思議のほこら
- のどかな気球のたび
- 海図を広げて
- ピサロ~ピサロは征く
- 謎の城
- 栄光への戦い(戦闘~邪悪なるもの~悪の化身)
- 導かれし者たち~終曲
アンコール
- 天の祈り(ドラゴンクエスト9より)
- フィナーレ(ドラゴンクエストより)
私も同じコンサートを見てきました。
初めてのドラクエコンサートで、生すぎやまこういちでした。まさに至福のひとときでした。
トランペットやトロンボーンのミスが若干気になりましたが、「邪悪なるもの」のまさに地の底から響くような演奏は鳥肌モノでした。
22年ぶりの群響指揮だそうですが、年一回くらいやってほしいですよね^^;
約三年前だが、群響の演奏については、私は県民の日コンサートを聴いて、うーんとなってしまった。
2012. 7.27 に日本初のゲーム音楽プロ オーケストラ
「日本BGMフィルハーモニー管弦楽団」
http://jbp.or.jp/
が誕生していたそう
http://www.famitsu.com/news/201208/01018431.html
で、来年初演を目指しているようなので、演奏曲リクエストのページから要望を送ってみるのも良いかもしれない。