照ちゃんのブランドTHEREにちょっと通うようになって(と言ってもまだ3回)、俄然近い存在だと感じるようになった照井利幸氏の久しぶりのライブにもちろん行ってきました。
結論から言うと、照井ワールド全開という感。
直前にパットメセニーのThe Way Upを聴いていたということが影響してるかしらんが、「音楽表現を楽曲という手段で突き詰めたら組曲という発想になるのでは」とか考えていて、もしかした照ちゃんも…とか思ってたら、ほんとに組曲だった。細かいこと言えば組曲とは違って、曲と曲の間をSEで繋いでシームレスに曲が入れ替わるという構成(曲終了の拍手も無し)。曲を並べたらライブが成立するでしょ、じゃなくて、照ちゃんがライブをストーリー性をもったひとつの表現にしようとした意図が明確だった。
ベースかギターを弾く照ちゃんに加え、SE、バイオリン(&とキーボード)、ドラム、VJという、今までの照ちゃんを知っていたらかなり意表をつくメンバー構成。Signalsの3作やソロ作品floatの中でいうと、Naked Foolの系譜にを発展させてる感があった。全面的にドラムがあってバンドサウンド感が強かったのに加え、SEの存在感がけっこうあって、また単純なバンドとは違うヒネのある空間になっていたと思う。
とにかく、照ちゃんが弾くベースかギターのリフが中央にでんと居て、それがストーリーテリングに展開されるのだけど、かなり乱暴に言うと他の楽器はバイオリンですら照ちゃんのイメージを補足的に付け足していく、そういうイメージでした。とにかくメロディが無い。かといってバッキングだけというわけではない。照ちゃんのリフはその両側面を表現したもののような感じ。
最後のほうで透明ロボという女性ボーカルを交えてのデュオあり。俺も相当だが、この人もかなり心配になるくらいガリガリな体型してて、一点を凝視しながら歌い上げる様からはかなり狂気を感じて、わりと好きだった。
あと気になったのが、3/4拍子や6/8拍子の曲がほとんどだったこと。4/4拍子の曲は2曲くらいしかなかったと思う。ただの個人的な印象だが、3拍系の拍子は4拍子系に比べてループ感・循環感が出ると思っていて、照ちゃんは多分意識してそうしたわけじゃないと思うんやけど、彼の求める音楽像が自然とそうなったんだろうと想像した。
往年の黄色のジャズベ、フェンダーのテレキャス、アコギの3つがセットされていたのだけど、半分以上がテレキャスによる演奏。よく考えたら俺、照ちゃんがステージでエレキギター弾いてるのを見たの始めてで、ちょっと感動した(お店で弾いてるのは見たけどね)。
ちなみに、(恐らく)THEREのジャケットに麦わら帽子という出で立ちだった。ステージに上がってからまずメガネケースから眼鏡をかけたのはおもしろかった。
いやーしかし、途中で「自分がもし演者としてこのステージに立ったら」みたいな想像もしたのだけど、正直、かなり構成を覚えづらい曲なはずなんよねこれ。歌ないし、急に場面転換するし。照ちゃんのブログとかMCから察するに、そんなにリハできてるわけではないと思うのだが、みんな間違えもせず弾きこなす。これがプロか…と思いました。
最後は照ちゃんのほんわかMCでシメ。この人たぶん東京に来て30年くらいになるはずなんですが、バリバリの名古屋弁でおもろいなー。
CD出すんでしょうかね?是非買いたいと思います。
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