ペルソナ2罪の感想(psp版)

エンディングで全部持ってった。
すごすぎ。よくRPGでこれやったわ。里見さん天才。ED見てひと晩たった今も鼻息荒い。

ということで、「ペルソナ2罪罰をプレイせずにペルソナを語ることなかれ」と会社の先輩から聞いたもので、10年前に途中までやって止まってたペルソナ2罪をやりました。
3をラスボス直前まで進めておいていきなりスイッチしてしまうあたりがだいぶ節操ないです。

やってみたら、「昔のRPGってこうだったなぁ」という感じでした。いい意味で。
他の追随を許さないほどの戦闘テンポの悪さは初代を上回るレベルでもっと言うとフロントミッション2といい勝負なんですが、それですらカバーするほどの「ストーリーを先に進めたい」感があるあたり、やっぱり良質なゲームなんだろうと思います。というか、90年代のRPGってどれもそんな感じだったですね。先が気になってしょうがないので気付いたら5時間やってた、みたいな。

当時、リアルタイムでやってた弟から話を聞いてたし攻略本も読んでたので、実はストーリーは結末も含めてだいたい知ってたんですが、それでもえらい楽しかったのは、俺がただアホなだけなのかよっぽどストーリーが良かったのかのどっちかでしょう。たぶん両方です。

そういう衝動に駆り立てられ、周りには忙しい忙しいと言いながらおおよそ3週間で40時間弱プレイしてクリアしてしまいました。攻略サイトを駆使しながら進めたので、多分初回にしては早い方なのかなと思います。

結論から言うととんでもない傑作でした。俺は大好き。ゲームとしての評価を求めちゃだめで、これはエンディング含めたストーリー(あと罰への伏線)として評価すべき。
とはいえ、自分自身そう思うのもエンディングを見たからであって、プレイ中は結構ストレス溜まったなぁ。

先にバッドなところを言うと

この感想文を「超いいRPGでした」と締めくくるために先にアカンかったところから先に書きます。飛ばしてくれて結構です。

戦闘はダルかった

上でも書きましたが、戦闘は恐ろしくだるい。ペルソナの演出があるからしょうがないとはいえ、初代ペルソナから変更された視点移動やキャラクタ移動はそもそも必要だったかどうかかなり微妙。戦略に全く関係ないから。あと複数ダメージを表示するのにいちいち一人ずつカウントするのもなぁ。
ちなみに30時間くらいやってから気づいたショートカットモード(演出が全くないモード)も用意されてますが、これ使ってもドラクエとかの方がテンポいいくらい。というか、こういうの作るのって制作サイドとしてどうなんやろ。クオリティとして負けを認めてるような。

っていうテンポが悪いのにも増して、敵の性能設定も結構アカンかった。
敵が即死攻撃持ってるかどうかで戦闘バランスが異様に変化する。敵のアクションは多分ランダム設定と思うけど、運が悪かったら戦闘がめちゃんこ長引く。
特に頭に来たのはフューラー戦。レベル60くらいでペルソナのセッティングとかスキルの配分とか考えてわりと万全で挑んで瀕死に追い込むまではテキパキ進んだのに、それから10連続くらいヴリルブリッツ、オメガブラスタ、聖柩、みたいな。敵の実力とかじゃなくて、ジャンケン的な要素で戦局が一変するってのはRPGの戦闘として難があるなぁと。

ストーリーテーマが見えづらい

ストーリー進める中で、

  • 父親へのコンプレックス
  • 夢を「自分の手で」叶えること

っていうメッセージがうっすら見えてくるんだけども、その2つの関連が未だに良く分からんです。

前作が「自我の認識、コンプレックスの克服」っていう大きなテーマだったから、次回作としてはサブテーマに絞って限定的に掘り下げてくって方針なのかもしれんけど、消化不良な気がする。
ラスボスはニャルラトホテプだったはずが、戦闘入ったら各キャラの父親の合体(ロマサガ2の七英雄みたい)になってるあたり、何か関連性がありそうでよく分からん。

ヒューラー

まぁしょうがないとはいえ…やっぱヒトラーじゃないと、「噂が現実になる」のリアリティが全然、ねぇ。

音楽

前作の方が良かったなぁ。印象に残ってる曲がほとんどない。

青春的な表現がちょっと受け付けない

高校生の成長ストーリーとはいえ控えめな演出でわりと淡々とした前作だったのに対して、今回はベラベラとキャラが喋る喋る。
核心に迫るストーリー後半ほど遊びの要素が減って、安っぽいお涙頂戴な展開になっていくのがちょっとヤだった。ペルソナってそういう演出しないところが良かったのになぁ。セリフのライティングがあんまり上手くなかったと思う。

キャラに感情移入できんかった

ここは結構評価されてるみたいなんですが、俺はキャラ好きになれなかったです。
特に、かなりのキーキャラなはずの淳が一番ダメで、重要ポジションを獲得する後半になればなるほど距離置いてしまう自分が。正直、金子さんどうしたの?と思ってしまった。

ちなみにイベント戦闘の冒頭だけキャラがボイス入りで喋るけど、これ聞いて確信した。やっぱ俺ボイスダメだわ。なんかキャラのイメージがぶっ壊れる。

エンディングが全てを覆した

とまぁくどくど書きましたが、エンディング見てこのRPGの評価が一変しました。
文字通りストーリーすら覆すんですが、上で書いたバッドなポイントも全部覆したエンディング。それほど衝撃を受けました。

何がすごいかって、このペルソナ2罪というストーリー自体が次作の「罰」への伏線、ということを知っているか知らないかで、180°違う解釈ができること。さらに、どっちの解釈でも完全に成立してしまっているところです。

ラスボス撃破後にヒロインが殺され(その役目がなぜイデアル先生だったのかは謎)、それを防ぐために「5人が会った事実」をリセットするという選択を決断する主人公達。歴史が変わりパラレルワールドで、互いを知らない5人は結局とある駅前で再会を果たす・・・というところでスタッフロール。

罰を知らない場合(=当時リアルタイムにプレイしていたユーザーにとって)、このエンディングは「5人の絆はパラレルワールドでも残るほど強く、違う形で再開を果たした」という美談に映るはず。ペルソナ2罪「単体」のエンディングとして機能する。

これを、「実は主人公だけはリセットする決断を下せていなかった」ことを知った上で再解釈すると、今作自体が、次作「罰」で下されるであろう主人公への罰の壮大な伏線というポジションとなる。エピローグじゃなくてプロローグに一転するこのパラダイムシフト。中間地点。美談は、悲劇のただの初期地点に変化する。

ここで初めて、今作に「罪」という副題がついているのかが初めて明確になる。
社会人の時間を40時間も拘束しといて、このRPGのストーリー自体が「罰」を受けた一人の男の「罪」だったと言っているわけです。

うおー。すごい。よくこんなスキーム思いつくわ。里見さんまじで天才。

罰も当然やる

この結末がどういう罰になり、それをどう克服するのか、次作をプレイするのがもう楽しみで楽しみでしょうがないです。
実はクリア前に罰を買っているので、準備は万端でございます。
早速来週からおっぱじめようと思います。

やりました。
» ペルソナ2罰の感想

プレイ記録

プレイ時間 / 時期

40時間弱 / たぶん2013年3月10日くらい~同25日の朝3時半(クリア)

クリア時レベル

全員61くらい。