エレキベース演奏におけるベースアンプ不使用のすすめ

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ここ半年、ベーシストである私はベースアンプを使わずミキサー直差しスタイルで、数度のスタジオ練習と2本のライブを経験しました。で、結論、「悪くないなこれ」と思っていますので、メリット・デメリットや運用についてここに記しておきます。

メリット

メリット1. どの環境でもほぼ同じサウンドが出せる

最大の目的はこれです。

ベースアンプのサウンドにはかなりメーカーごとの色が付きます。スタジオやライブハウスごとに用意頂いているアンプは異なるので、その度にやりやすいセッティングを見出す必要があります。

その行為自体に時間がかかりますし、とういか大抵の場合、2時間のリハーサル中にベストなセッティングは見つかりません。「なんか違うな…」とずっとモヤモヤしながらリハーサルをする事が多いです。

マイヘッドアップを持ち運ぶという手段がありますが、私は荷物を増やす事に極度の拒否感を持つ類の人間ですので(断腸の思いでペダルを1つか2つ持ち運んでいます)、ヘッドアンプを持ち運ぶ習慣からは程遠い存在にあります。

ベースサウンドも多様性の時代!

その解決のために、そもそもベースアンプという変数を排除する事で環境依存度をグッと下げる事にしました。という事で、ライン直です。ベースの音がいつも同じになり、今のところかなりの手応えを感じています。

この件は、自宅でヘッドフォンアンプで練習を続ける中で、結局「アンプシミュレーターをOFFにした音が一番やりやすいな」という事に気付いた経験がヒントになっています。

メリット2. 中音がクリアになる

我らのようなアマチュアミュージシャンが利用する10畳や15畳のスタジオではベーシストはベースアンプの真ん前に立つ事がほとんどで、その場合、ベースアンプのスピーカーは耳よりも低い位置にあります。これは「ベーシスト自身が適切なベースサウンドを聞けていない」という事態が起こっている、と私は考えています。

それをスタジオのモニターで出力すると、こうなります。

ベースサウンドがスタジオを優しく満たす!

天井から音が飛んできます。
音が聞き取りやすくなるのでバンドアンサンブルがクリアに聞こえるようになる実感があります。加えて、ベースアンプの真ん前に立っているとベース音にとられる脳の意識が、かなりアンサンブル全体に向かうう効果もあり、バンド全体のクオリティアップの面でこちらの環境の方が良いと思います。

バンドメンバーから「ベースの音が聞き取りやすくなった。なぜですか」と聞かれました。効果はてきめんのようです。

デメリットや運用における注意点

もちろんデメリットもそれなりにあります。私にとっては上述のメリットの方が勝っているのでここでベースアンプ不要論を唱えているのですが、この運用が全てのベーシストにとっての最適解でも無いと思いますのでデメリットも挙げます。

01. ロックバンドはNG(スタジオの場合)

スタジオのモニタースピーカーはボーカルやエレピ用のものであって、ベース音を出すものではありません。ので、腹にズンズンと響くような低音は出ません。あまりに大きい低音を出すとスピーカーがバリバリ音割れします。特にLow-B弦を力強く弾くとたいていダメです。機材に良くないので絶対にやめましょう。
なので、ロックやメタルには向かないと思います。

02. イコライザ付きのプリアンプの用意が必須

当たり前ですが、ベース本体とペダルだけで音作りを完成させる必要が発生します。命綱となるイコライジングについてはペダルの持ち運びが必要です。
まぁ、ベースアンプを使う運用でもプリアンプは持ち運ぶので、差異は無いかもしれません。

03. エレピと音が混ざりやすくなる

ベースアンプによる脚色が無くなり、ベースの音は良く言えばナチュラルに、悪く言えば中庸化します。で、「ミキサーに入れてスタジオのスピーカーから音を出す」という経路がエレピと一致してしまうので、結果として音質が似ます。
これは場合によってはメリットにもなる気もしますが、私の経験上、ピアノの低音とベースがユニゾンするフレーズではアンサンブルの低音の厚みがものすごい事になり、まだ良い結果を得られた事がないです。

04. ライブハウスのPAさんから「はぁ?」と言われるかもしれない

ライブ会場では「アンプ使いません。各楽器のモニターからベースを返してください」とPAさんに伝える必要があります。私は「はぁ?」と言われてバツの悪い思いをした事がありますが、慣れているPAさんであればすんなり承諾頂けると思います。

これ書いてて思いましたが、「キーボードと同じで」と前置きすると伝わりやすいかもしれません。

結論

という事で、誰かに怒られたりとんでもない事故に遭遇するまでの当分は、ベースアンプ不要スタイルをとってみようと思います。