ドラム式洗濯機Cuble NA-VG710をマンション4階(エレベーター無し)に搬入した体験談

引越ししてから1ヶ月間、洗濯機が無い状態で生活していた。
よく考えたら30年超の人生で初めて定期的にコインランドリーに通う生活をはじめ「意外と強制読書時間になっていいな」くらいに思っていたところ、毎週土日が近づくにつれ彼女から「また今週もコイン…ランドリー…」という声が漏れるように聞こえてくるようになったので、そろそろ何かのアクシデントが起こる危険を察知し、エイヤで購入することにした。

ただ1ヵ月、無為に過ごしたわけではない。導入に踏む切れない理由がそれなりにあった。

なんでCubleにしたのか

とにかくドラム式洗濯機が欲しい、という欲望が先にあった。タテ型洗濯機との違いはあまり知らないが、今やってるプロジェクト関係者にヒアリングしたところ、全員が「買ってよかった!」「生活が変わる!」「勝った良かったランクイン確実!」と口を揃えるのである。この調子ではドラム式洗濯機を持って無い方が異常なんじゃないかと思うようになってしまう。

ドラム式洗濯機はアホみたいな価格がするが、俺は赤信号の待ち時間と洗濯物を干す時間が人生で最も生産性の低い時間であるという人生観を持っているため、その片方を消去することができるだけで相当な価値があると感じた。つまり時間削減に15万円くらい投資したれという発想である。ただ、新たに獲得するであろう時間とこの投資額がバランスしているのかは全く分からない。

そんで決めたのは上記の通りPanasonicのCuble N-VG710R(右開きモデル)。ハッキリ言って、洗濯容量・乾燥容量から見ても同社他社関わらず、かなり割高な分類の機種なのである。なぜこれにしたかという理由の前に、自宅の事情に触れる必要がある。そもそも家の洗濯機スペースが狭いため、日本で星の数ほど出回っているドラム式洗濯機のうち、シャープのES-S7A-WLかPanasonicのこれの2種類しか家に入らないことが判明していたのである。
正確に言えば、一般的なマンションタイプのスペースがあるので選択肢がもう少し広がるはずなのだが、洗濯スペースに通じる通路の幅が62cmしか無いため、60cm以下の洗濯機しか運べないのである。
一見不運な状況にも見えるが、強制的に選択肢を狭められたことは、基本的に意思決定の遅い俺にとってはむしろいい材料だった。これが無ければ購入までもう1ヶ月かかっていたかもしれない。

さて2択になった。

両者で3万くらい価格差がある(Cubleの方が高い)。乾燥容量もシャープの方が大きい(0.5kgだけやけど)。と見るとどう考えてもシャープの方に軍配が上がりそうなものだが、ここは乾燥機能の優劣でCubleに決めた。細かいことはよく分からんが、シャープのは熱風をあてて乾燥させるタイプのようで、場合によっては衣類が痛む可能性が高い。…という噂を聞いたからだ。確かにPanasonicのサイトでは「低音風で衣類を傷めない」とある。乾燥機能目当てで高い買い物をするのだからいっそのこと乾燥が良さそうなものに高くても投資した方が気分もよかろうと思った。
ちなみに、会社の先輩が「洗濯機はパナにしとけば間違いない」と言ってたのも作用したかもしれない。

ということでブツが来た

金曜日に買って、日曜日に配達。

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ドーン。

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でっっか。

実はヨドバシに頼んだ事前見積りで配送業者の方に来て頂いてたのだが「このスペースじゃ入りませんわ」と言われていたところ、諦めきれずにスペースを正確に測りまくって「いや、絶対入るはずだ」と結論付け、確証も無いのに無理やり発注してしまった。実際ブツが届くまではかなり緊張したが、結果無事スッポリ収まってよかった。ただ、いくらなんでもスッポリすぎるとも思うが。

ちなみに場所の計測では我らがパワーポイントが獅子奮迅の働きを見せた。

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実測値をパワポ上でちゃんと再現しているので、壁との間や蛇口との間にどれくらいの余裕があるか(というかどれくらい余裕が無いか)を把握するためにこんなことをした。

ということで無事(でもないが)設置。

使ってみた感想

ふかふかに感想乾燥する。これは靴下を履いた時に一番効果を実感するのではなかろうか。

使いはじめて1ヵ月くらいたつが、予想通り洗濯物を干す時間が消滅したのはとんでもない効果があると感じる。今までのあの無為な時間はなんだったのか。

洗浄力は、いろいろなブログでも書かれている通り、縦型よりはちょっと劣るかもしれない。襟の汚れとかがちょっと残ってることがある。

まぁドラム式洗濯機のメリットは他のブログで書かれてる方が詳しいので、ここでは誤算の方を書いておく。もちろん、メリットの方が誤算より大きいので、買った意義は十分にあると感じている。

買った後に気づいた誤算

リネンのシャツはやたらくしゃくしゃになる。

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「おしゃれ着コース」とか「自宅クリーニングコース」なるものがあるらしいので、それを試したら改善されるかもしれない。されないかもしれない。
乾燥にかけるとどうしてもシワシワになるので、今は「洗濯までで一旦回し、リネンシャツだけとり出して(別で干す)、残りの衣類で乾燥モードへ」という運用をすることになっている。洗濯〜乾燥を一気にしていないので一体型の魅力半減かと思いきや、別に対した手間じゃないので特に問題は感じていない。

夢の乾燥機だが、買った後に注意点が分かった。湿気である。思ったより湿気を放出する。上の写真の通り、3方ガチガチに壁に囲まれているので湿気の逃げ場がほとんどない。すぐ隣が風呂場なのが幸いし、いちおう乾燥中は風呂場で換気をしているが、それでも不安は残る。壁紙がベロンベロンになったりしないだろうか。まぁベロンベロンになってもどうしようもないのだが。

あと乾燥にかかる時間。近所のコインランドリーだったら5kgくらいの洗濯物が30分でなかなかに乾くが、家庭用はそうはいかないようだ。乾燥だけで3時間とか4時間かかる。まさかここまでかかるとは思わなかった。もしかしたらパナソニックのは低温乾燥なので時間がかかるのかもしれない。あとデフォで設定されてた「ふんわりキープ」というモードにしているのでそれも影響しているかも。ふんわりキープは関係無かった。

乾燥する度にフィルターに笑えるくらいホコリが付着するので、都度都度これを除去する必要がある。それがめんどいっちゃめんどい。が、どう考えても洗濯物を干す時間に比べればメリットの方が比較にならんほど大きいので問題はない。というかこのホコリはどこから発生しているのか。

ちなみにこのホコリ、ちょっと使っていると、指でチマチマ除去するよりもティッシュでやればバコバコとれることが判明した。

マンション設置の苦労話

ウチは「マンション4階&エレベーター無し」という、家電の配送という意味では相当ハードな環境だったりする。これが意思決定を一番めんどくさくした原因と言っても過言ではない。

まずエレベーターが無いので配送料金がプラスされる。それだけならいいのだが、増加金額がお店によって違うというのが無茶苦茶めんどくさい。後でも言うがスプレッドシートに全部メモするという業務を余儀なくされた。

さらに「内階段か外階段か」という問題。ウチのマンションの階段が外階段なのか内階段なのかググっても釈然としない。そして4階エレベーター無し&外階段は配送不可としているお店の方が多かったので、そもそもウチに運ぶこと自体が不可能なんじゃないかという懸念がいつまでたっても払拭されない。

なので配送可否を判定するために事前見積りというのをする必要があるのだが、やっぱりその事前見積りに係る費用自体がまたお店ごとに異なる。そして事前見積りに来てもらうまでにある程度の日数のブランクが生じる(頼んですぐ来てくれるというわけではない)。

そこまでの条件を全て加味してお店を決める必要があり、それだけでむちゃ時間使った(詳細は後述)。

さらに設置場所の条件がややこしいというのもめんどくささに拍車をかけた。

Panasonicの説明サイトを頼りに設置可否を調べたのだが、困ったことが発覚した。もともとついてた蛇口だと洗剤入れのフタが開いた時にぶつかるみたいだ。ガーン諦めるしかないのか?と追い詰められたところ、Amazonの「こちらの商品も買っています」エリアにそれを解決するスーパーアイテムの存在を発見。それがこちら。

パナソニック自ら発売している「壁ピタ水栓CB-L6」なるもので、そのままだと下向きに出っ張るがために大型のドラム式洗濯機とぶつかってしまう恐れのある蛇口を強制的に上向きにしてしまうというアイテムである。レビューを見てもなかなかの評判だし、パワポでシミュレーションもした上で「これは我が家に必須のアイテムである」と結論がついたので購入。ほんとAmazon神。

素人で付け替えられるのか不安はあったが、説明書通りにやったらなんとかできた。

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設置後の様子。これでなんとかなった。

…というように、お金だ配送だ設置場所だといちいち制限条件をクリアするのに下調べ&検討を繰り返すハメになる。罪深いわぁ。

ちなみに洗濯機の設置や配送スペースについては、各メーカーサイトの中でもパナソニックのこのサイトが一番丁寧で分かりやすく説明されており、パナソニックの株が上がった。

どのお店で購入するか

機種を決めてからも、次は「どこで購入するか」で相当悩んだ。それだけで1週間使った。

ご多分に漏れず価格.comで調べ、安い順にチェックしていく。先述の通り各店舗ごとに本体価格以外の条件がバラバラすぎるのと、俺自身エクセル好きというのもあっていちいちスプレッドシートで全ての店舗の金額を記入するということをやってみた。すると安い順トップ20くらいを全てプロットしてから気づいたことがあった。

安いお店はだいたい、設置料や保険などが割高で、結局1万とか1万5千円とかが上乗せされていく。
対してヨドバシやコジマ、ビックカメラの大手は本体金額が他店舗より3万くらい高くランキングではかなり下位に位置するが、マンションでの階段上げの配送料金や、事前見積りの金額が良心的、そしてポイント還元10%を前提とすると、結局ほぼ同じ価格に落ち着くことが判明(全部スプレッドシートに起こした)。

だったら近くに実店舗がある大手家電量販店の方がええんではなかろうか。本当に困った時に人と人が会って相談できるメリットは大きいはずだ。
そして何より大手は在庫があるので、買ってすぐ届くのも大きかった。今回は俺の意思決定が遅れに遅れたせいで、「明日には届けて欲しい」という状況になってしまっていたためだ。

ということで、今回は家の近所に店舗があるという理由でヨドバシで買うことにした。もちろん他のお店と比較することはできないが、つつがなく終了したし店舗の人は親切だったので良かったと思う。

終わりに

たかが洗濯機を買っただけでなんでこんな長文を書いたのかよく分からない。