仕事中、クライアント先からタクシーでオフィスに戻ったところ、車中に財布を落としました。
この年末の鬼忙しい時期に…と奈落の底に突き落とされた気分です。
レシートは財布の中なのでタクシー会社を特定できません。ので問い合わせ先も分かりません。一緒に乗っていた若手に聞いたところ「いや…覚えてないっすね…」と。そらそうですよね。
しかしその子は「最近テレビで紹介されているのを見た」とfindというサービスを教えてくれました。聞いた事の無いサービスでしたが、こちとら藁にも縋る思いで検索してみる。氏名、電話番号、落とし物の特徴を入力して、もし見つかったら連絡が来るよ、というものでした。
1日のミーティング数が10を超える働き方をしている私にとっては珍しく1時間の空きがあったので、その合間にオフィス付近の警察へ紛失届けを出したり、クレジットカード停止の手続きをするなど、一通りの手続きを済ませました。
というか財布を落としたのがタクシーなのかは確定してなくオフィスのどこかに落とした可能性も残っているので、オフィス入口から自席までの通り道を床を凝視しながら5周ほど往復もしました。
もちろんその時間でやる予定だった仕事のタスクは全て棚に上げています。
ふとマズイ事に気付きました。10日後に妻と行くニュージーランド旅行で、私は運転をする必要があります。免許証が返ってこないと運転できません。運転できないと初日から何もできません。これは一生分の罪を背負ってしまったかもしれないと冷や汗が滝のように流れました。
という事をチームメンバーに話したら「すぐ再発行できますよ。免許証」と言われて心を撫で下ろし、なんとか平常心でレビューを差し上げる事ができました。
その日の晩はプロジェクトの忘年会でひとしきりこの事を自分でネタにした後、帰宅後にすぐふて寝しました。「見つからなかったらヤだなぁ…」と気持ちはかなり憂鬱だったはずですが、私はビール2杯を超えると思考が全く安定しなくなるので、気付いたらすぴーと寝ていました。
とはいえ翌日も気が気でないので溜まった仕事は無視して現実逃避でYouTubeで時間をやり過ごしていると、夕方に「findからメッセージがあります」とスマホが鳴ったもので、頬をつねられたら痛いと言うくらいの条件反射スピードでメールを開きました。
そしたら「お客様のものと思われる財布を保管しています」、とあるじゃありませんか。記載のあったタクシー会社にすぐ電話して、自分の財布に間違いなさそうだと確認、営業所まで来たら渡せるという事でした。
これが最高の気分というやつです。
あまりに晴れやかな気分なので、保管先の平和島まで自宅から1時間かかる事も全く気になりませんし、

薄暗い道中も、私にとっては足跡のひとつひとつから光が溢れまるで天から降り注ぐ陽光の調べを全身で着こなして歩くかのようでありました。
なお上記の太字にある唐突な文学的表現はGeminiによるアイデアで、とうてい私の発想から生まれるものではありません。心の底から湧き上がる喜びをどう表現したらいいか迷ったのでAIに聞きました。
ということでタクシー会社の営業所で自分が所持者である事を述べ、無事にマイ財布をゲットする事ができました。落とし物クラウドfind、本当に素晴らしいサービスだと思いました。
あまりに感動したのでここでサービスを少し宣伝しましょう。
落とし物クラウドfindは、「株式会社find」が運営するサービスで、開始は2021年12月。2023年2月に京王電鉄で実証実験を開始し、5月から正式サービス化。事業開発の仕事もしている私の感覚では、実証実験からサービス正式化のスピードが尋常ではない気がします。それだけ手応えがあったのでしょうね。
あれよあれよと評判が広まり、2025年現在ではJR各社や東京を中心に全国で1,200以上の場所で導入されているようです。
特に係の人による遺失物の登録作業が劇的に楽になったようで、写真を撮ってアップロードするだけでAIが特徴をメタデータ化してくれ、10分だった登録作業が30秒に短縮したと。
今回の私は無くしたものの特徴をテキストで登録しましたが、もしかしたらその情報と、遺失物側の登録情報のマッチングもAIがやってるのかもしれません。
導入した鉄道会社では、遺失物の返却率が8-10%だったのが30%以上に上がったという実績もあるようです。
すごい。すごすぎる。
サービス品質もさることながら、何より、誠実に社会貢献している事が素晴らしいです。
サービスデザイナーを職業にしている私にとって、これを超える顧客体験を生み出せるのか、社会へ良いインパクトを与えられるのか、襟を正される思いを抱きながら帰宅した後、オンライン英会話を無断欠席していた事に気付きましたとさ。
