もう去年の話なのですが、社会人6年半やって2回目の出張がなんと海外だということで、デルタ航空に乗ってニューヨークへ行って参りました。
普段、機中では寝倒すと決め込んでいる私ですが、このときは何故か魔がさして「映画でもみようか」という気になり、前から気になっていたアナと雪の女王でも見てみようかと思いました。
で、私はからっきし英語がダメなんですが「英語勉強するなら映画がいい」という先輩のススメもありまして、「英語音声の日本語字幕」で拝見しようと思いました。
が、どうやら日本語字幕がございません。
どうしたものかと思ったのですが、よく考えたらこれから英語圏に行ってバリバリのビジネスミーティングを行うので、弱気になってもイカンだろということで「字幕なし」で見てみました。
こんな感じ。ちなみにちょっとした事故がありまして、ビジネスクラスでした。もう一生乗ることはないかもしれません。
めちゃくちゃ感動した
劇中でキャラクターが何を言っているかはたぶん10%も分かりませんでした。だって英語分からんもん。ですがめちゃくちゃ感動しました。ほんとに泣きそうでした。
という話を友人にすると「そんなわけあるか」と言われるのですが、事実そうだからしょうがない。
と言っても何言ってるか分からんので、ストーリーのことはあんまり詳しくは分かりません。だいたい理解した、くらい。
じゃあ何に感動したのかという話ですが…。
乱暴に言うと、「こりゃ日本人には創れんわ」と痛感させられるクリエイティブセンス、とでもいう部分でしょうか。
特にこの映画、
人間の感情表現を、リアリティを損なわないギリギリのラインでいかにダイナミックに魅せるか
という表現を追求するために尋常ならざる魂が注がれているように感じました。
適宜挿入されるミュージカルのパートも、その選曲も、キャラクターの表情、アクション、セリフ…目と耳に飛び込んでくる全てが、「感情表現」のために完璧にチューニングされてて、その精度の高さは身震いがするほどでした。それが100分も。すげー。
こういうと乱暴すぎるかもしれませんが、そこに優先順位が先にあって、じゃあストーリーは「起承転結があればもうそれでいいや」くらいに考える、くらいな気がします。というよりも「シンプルであればいい」という感じでしょうか。
総じて、エンターテイメントとしてのクオリティがケタはずれに高く、言ってることは分からんけどノンバーバルに感動できるほどの力を持った作品だと思いました。
日本のアニメってジブリ以外にほとんど見たことないですが、ストーリーとテーマを重視するような気がしています。「何を」表現するか。そこでは矛盾なく正確に語られることが重要かもしれません。一方で俺がこの映画を見て感じたのは「どう」表現するか。どちらが凄いというわけじゃなく、CGで映画を創ろうとした場合に、日本人と根本的にゴール設定が異なるんだろうなぁという、価値観の違いみたいなところに単純に感動しました。
ディズニー映画が世界中でウケる理由
こうやって考えると、ディズニー映画がグローバルでウケてる理由を何となく感じることができます。だって、現に英語が全く分からん俺がここまで感動しているからね。
アナと雪の女王という映画で感じたポイントを上で挙げましたが、
- 喜怒哀楽の表現クオリティ:世界中の誰もが共有できる要素
- ストーリーの単純化:(国ごとの)文化的解釈に依らない
意図してか知らんけど、そのどちらもローカル性を排除するように出来てるんだなぁと。
こういうところがディズニー映画が世界中で見られる理由かも知れません。
オラフ
まぁひとしきり感動したのではありますが、英語音声のデメリットとしては、キャラクター名がよく分からないという点が挙げられます。私が最後まで見てはっきりと分かった人名はアナとエルサだけでした。が、よく考えたらこれは映画見る前から知っていました。
この真ん中の雪だるまみたいな奴がめちゃくちゃいい奴だったんですが(予想)、結局名前は最後までわかりませんでした。さっき調べたらオラフという奴らしいです。
Let It Go
今やってるジャズバンド仲間に言ったら笑われましたが、この曲ほんまに最高だと思います。特にこの25ヵ国版。100年後も聴かれるべきテイクだと思ってます本気で。
ミーティングで「俺はこの歌に生命を感じる」と言ったらバカウケでした。
ここまで書いておいてあれですが、この映画に関しては、私のクソみたいな感想より水野敬也さんの文章の方がよっぽど感動するのでこちらを読まれたほうがいいです。
その映像は――ラセターが喜ばせようとしている相手が「人類」であることを最も端的に表しており――彼の志の高さがここに集約されていたからです。
昨日、TSUTAYAで号泣しました。|水野敬也オフィシャルブログ「ウケる日記」
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