個人の旅行日記はほとんどアクセスされないのは分かっているのですが、それでも書きます。このサイトは私のライフログということになっているためです。
学生時代の旧友が京都で結婚式を挙げるというので行ってきました、超ひさしぶりの京都。ちょうど10年前まで7年間住んでました。
実は、住んでる当時はそんなに好きな都市では無かったのですが、久しぶりに行ってみると京都らしい進化を遂げていて、「いやマジで移住アリなんじゃないか」と思うくらい楽しかったです。
4月29日(日)~5月1日(火)の3日間の滞在でお世話になったのがクリエイティブシティガイドなる「HereNow(ヒアナウ)」。
京都で活躍するクリエイターがおすすめするスポットを集めたシティガイド。
クリエイティビティ溢れる個性的なお店から名店までご紹介。
とのこと。最初は「紹介してる店少なくね?」と思ってましたが、3日滞在くらいなら全然十分。むしろそこらへんのガイドブックとは一味ちがう視点でスポットがピックアップされていて、満足度高かったです。ここで紹介されているスポットをハシゴするだけでもかなり楽しめます。
京都 のクリエイターが選ぶ、おすすめ最新スポットをお届けします。 | HereNow Kyoto
なお先日のクロッシングカーニバルに続き、俺がCINRA社のイベントやメディアを紹介をしているのは、知人がCINRAで働いているからです笑。
1日目
お昼着。この時点でテンションあがる。すっかり第2の故郷。
The Millennials Kyoto
まずは荷物を預けにホテルに行く。話題のおしゃれカプセルホテル「ザ ミレニアルズ」へ。地図を見れば河原町三条へ行けばいいことがすぐわかる。バスで一本。この辺りは住んでた人間に任せろ。
ちなみに今日はバスに乗りまくるだろうと予測して京都駅で1日周遊券を買ったが、結局この日はレンタサイクル無双になったため、全く使わなかった。無念。
ロビー&共有スペースおしゃれすぎ。ほとんど外国人。
就寝スペースは静か。
ベッド。
個人部屋の照明やリクライニングは全てiPod(の中にインストールされたアプリ)で制御する。進んでるわー。今後はこういうのスタンダードになるでしょう。
The Millennials – (三条河原町・祇園・東山 / 宿泊施設) | HereNow Kyoto
ちなみにこのUI、知人が代表を務めるUXデザイン会社「Root」さんが制作された模様(後で知った)。こういう仕事やりたい。
Mac Fan 2018年7月号にインタビュー記事が掲載されました。 https://t.co/4R4K0fNf7i @ic_rootから
— 西村和則 (@nishimuu) May 31, 2018
ということで1日目は、俺の史跡を辿る(のに彼女を突き合わせる)デイとして自転車を走らせることに。
ライターやってる旧友に会いに行く
大学の同級生で、ウェブ界隈でわりと有名なライターをやっているのがいる。昔からおもろい奴だったが、10年ぶりの再開にも関わらずむっちゃ笑わせてもらった。
夏目漱石とか太宰治の作品をリライトするのが趣味と言っていた。たまげた。これが文章のプロか。
自転車で京都大学へ
ホテルでレンタサイクルやっているというので借りた。22時まで1,200円とかだったかな。
住んでた人間として断言するが、京都は圧倒的にチャリが便利。むしろチャリで京都のパフォーマンスは跳ね上がると言っても過言ではない。
ということで10年前に卒業した京都大学の面を拝みにいく。
ほとんど行かなかったけどなぜかひどく懐かしい河原町丸太町のドンキ。帰ってきた感が強まる。
大学のビッグバンドの最後の演奏を飾った京都教育文化センター。泣いた覚えしかない。
吉田寮の周りに建物ができてしまっていた。
緑。いい。
俺が下宿を借りた不動産屋がまだそのまま残っていた。
死ぬほど行った学食「ルネ」。
ジャズ系が死ぬほど練習したルネ横。当時から近隣住民からの苦情に悩まされていたが、もう演奏できない環境と聞いた。練習している人はいなかった。寂しいが、しょうがない。
ワロタ。彼女が「京都の人はみんな怒ってるの?」と言っていた。
正門。これぞ大学感があって俺は好きだ。
ビックリ。工学部の建築学科棟はもう別の学科のものになってしまっていた。大学4年生の夏はここでひたすら院試の勉強を死ぬほどしたなぁ。もう全部桂キャンパスに行ってしまったのか?
下宿近くでけっこうお世話になったひらがな館は健在。
週4というアホみたいなペースで行っていたヤンパオは無くなっていた。がーん。あるクリスマスに一人で行ったらマスターがエビをプレゼントしてくれた覚えがある。ちなみに俺は会員番号2番だった。
京都が誇る書店、恵文社と誠光社へ
彼女が本好きなので、これは恵文社に連れていかねばなるまい、ということでチャリをちょっと北上させる。
恵文社。説明不要。世界で一番有名な本屋らしい。ほんとか?大学時代にフラっと入った本屋がそんなすごいもんだったとは。彼女はタミオーの旅行日記を購入。
さて次は南へ、誠光社に向かう。
京都が誇る一級河川、鴨川。このほとりはちゃんと整備されていて、東京都心では見れない場所。これをチャリで下っていく感覚は最高。というかこの側の家に住みたい。
通称デルタ。暖かくなるとここで飲む集団がアホみたいに発生する。高知のひろめ市場のようなもん。
これは俺がフェンダージャパンのジャズベのナット調整をしてもらったよしや楽器。映画「パッチギ」で主人公がアコギを買った場所としてロケされていた。はず。
誠光社。サイズは恵文社の1/5くらい?オーナーの趣味が炸裂。
誠光社 – (神宮丸太町 / ショップ) | HereNow Kyoto
生駒啓子陶芸教室へ
旧友その2、大学浪人時代に偶然知り合ってからかれこれ15年以上の付き合いの生駒啓子さんという、精華大学でも教鞭をとられる陶芸作家に会いに行く。
チャリを西へ。だいたい堀川今出川あたり。
うおおおおお。浪人時代の下宿が現存!4畳半のベッドと机しか無いという、浪人生に最適化されたアパート。家賃2万円くらいだった気がする。周辺の部屋の人と友達になったりと、浪人時代楽しかったなぁ俺は。
陶芸教室は「ザ・町屋」の一角にあります。巨大なツボが目印。
2時間くらい、想い出話に花を咲かせる。アーティストという生き様は素敵だ。
駿台京都校の前を通る
1年間毎日通っていた予備校。お世話になりました。人生で一番努力した時間だったかもしれない。講師に一度も質問に行かなかったあたり、当時から独学のスタイルが染み付いてしまっていた模様。
ぎょうざ処 高辻 亮昌
晩飯は何にしようかということで、HereNowからセレクト。ほぼ餃子定食しかメニューが無いこだわりっぷり。むっちゃうまかった。が、ボキャブラリーが乏しすぎて泣ける。
ぎょうざ処 高辻 亮昌 – (四条烏丸・四条河原町 / レストラン) | HereNow Kyoto
ホテルに帰る
レンタサイクルの返却時間が迫っているので、帰る。
これは仏光寺通か綾小路通。俺が住んでた頃は家しか無かったのに、往年の観光ブームの影響か行ってみたい店がゴロゴロ並ぶ。ここらへんに京都の進化を感じた。この辺りハシゴするだけでもおもしろそう。
ちなみに今日借りたのはTOKYO BIKEだった。ロードバイク?に乗ったの初めてだったが、半日もあのサドルに座ってるとケツが死ぬほど痛くなる。皆よくあれに乗れるな…。
三条あたりを歩く
常識的な就寝時間まで間があったので、コンビニ行きがてら三条まわりを歩く。
三条橋から鴨川に降りるおなじみの歩道。
四条の高島屋の裏にある「フランソワ喫茶室」というコッテコテの喫茶店でコーヒーを飲む。喫茶室て。
明らかに京都ブランドを意識した飲み屋やバーがむちゃくちゃ立っていた。10年前はもっと節操無い様相だったけどな。
京都という場所性が文化に与えている影響がモロに出てるなぁと。これがブランドと呼ぶべきものだろうかと考えたりした。
2日目
スーツに着替え、とりあえず次の宿に行って手続きをしておく。
Len 京都河原町
これもHereNowで紹介されているゲストハウス。ドミトリーの部屋もある。ここも居るのがだいたい外国人。スタッフの方も英語ペラペラで、日本じゃないみたいだ。
1階がラウンジ兼バーのような作り。宿泊客ももちろん、ふらっとコーヒーを飲みに来るお客さんもいて、極めて自由な空気が流れている。気に入った。
部屋の中の様子。シンプル。学校の机があった。
2階にも談話スペースがある。あらゆるものがおしゃれ。
記憶力任せのボードゲームがあった。彼女と勝負に興じるが、10分くらいで飽きた。
Len 京都河原町 – (烏丸五条・清水五条 / カフェ・バー) | HereNow Kyoto
朝スイーツを食べに、洛匠らくしょう
たまたま高台寺近くの結婚式場の近くにわらび餅の名店があるというので、朝飯がわりに食べに行く。ホテルからタクシーで10分くらい。
なんじゃこりゃああ。山の奥にこんな庭園があるのかぁ。
写真を縦で撮ってたので全然イケてないが、本当は名物の抹茶サンダーも頼んだ。俺はわらび餅には詳しく無いが、なんとなく本格的なわらび餅であるような気がした。
式まで時間があったので高台寺周辺をウロウロしてみる。この辺りはかなり京都的な風情が残るが、奥のクレーンがインスタ映え度をゼロにした。
結婚式に出席
大学のジャズベーシスト仲間。まさかこいつに先を越されるとは…。
ひっさしぶりに人前でウッドベースを弾く。他人のウッベは弦高が高くてきつかった。大学時代は皆ジャズミュージシャンやってたが、10年経つとさすがに皆衰えている感があった笑。
周りの連中は日帰りだとか子どもの世話があるとかで、1次会で解散。
せっかく式場から京都駅までのシャトルバスが出てるのに、「まぁ歩こう」と言ってゾロゾロと歩くものの、ちょっと坂を下ったところで「やっぱりタクシーに乗ろう」と言い出す連中。「アホかお前らは」と言い渡し、ホテルに帰る。歩いて20分もかからない。便利な場所に泊まったもんだ。
サウナの梅湯
これもHereNowから。ホテルから徒歩圏内にあるということで銭湯に行ってみた。
むちゃくちゃええやないかー。
そそる内観。
風呂上がりに飲んだ生姜水みたいなのが空前絶後のうまさだった。ただし200円くらいした。
サウナの梅湯 – (烏丸五条・清水五条 / 建築物) | HereNow Kyoto
風呂場の中に「店主だより」みたい張り紙がある。20代の若い店主による日々の経営奮闘記みたいな内容で、つい応援したくなる。中には「やっと鏡が張り替えられました。広告を載せてくれるお店のおかげです!」という日記があり、そういう目で見始めると1つ1つの広告も真剣に見てしまう。そして「裏でおでん屋やっています」みたいな広告があり、無性におでんが食べたくなる。
と思ったら女湯から出てきた彼女も同じことを言っていた。
梅湯の裏にあるおでん屋
結局行ってしまった。ほぼ民家みたいな体裁。おでんは至極普通だったが、シチュエーション上やたらうまく感じる。
VOU
京都カルチャー的セレクトショップ。全然詳しくないが、原宿とかに比べると京都はやや皮肉的で毒がちょっと混じったカルチャーだと感じる。褒め言葉だ。店主がHereNowのエディターもやってるとかなんとか。
VOU – (四条烏丸・四条河原町 / 美術館・博物館・ギャラリー) | HereNow Kyoto
夜の祇園をぶらぶら
よく考えたら学生時代に祇園に行ったことが無かったので、うろついてみることにした。提灯が灯る石畳の町並みは美しかったが、店も全部閉まってる時間だし「まーこんなもんか」くらいの感想だった。
Gacktも愛したラーメンみよし
Gacktが紹介して有名になった…のかは知らないが、学生時代に三条で飲んだら必ず食べて帰っていたラーメンみよし。ほんと10年ぶり。当時はラーメンにあんま興味無いまま周りが行きたいというので付き合ってたが、今食べるとこれはいいもんだと再発見。近所にあったらヘビロテ確定。
3日目
最終日。五条河原町にあるレンタサイクル屋でチャリを借りる。
Wanderers Standの移住トースト
彼女の知り合いから「このトーストで始まる朝は京都移住を考えさせる」という破壊力の高い名文で紹介されたトースト屋へ。
美味そうに撮れた。というかマジで美味かった。これは東京にも欲しい。
Wanderers Stand – (烏丸五条・清水五条 / カフェ・バー) | HereNow Kyoto
室礼展@Terminal Kyoto
1日目に会った陶芸家の生駒啓子さんの展示があるというので行ってきた。
エントランスをドーンと飾るのが生駒さんの作品。
町家をギャラリーとして利用しているそう。床を踏めばギシギシと音がする。これが極めて日本的な感情を呼ぶ。
中庭。平日だからか客がほとんどおらず、貸切状態。
さて、予定が無くなったのでとりあえず三条へ向かうことにする。
老舗「le club Jazz」。何度か出演させてもらいあした。
2年間バイトしていた「味の店 伏見」。女将に怒られまくったわ。都市計画で立ち退きのため、現在は閉店。最高にいいお店だった。
ちなみにサグラダファミリアの主任彫刻家でおられる外尾悦郎さんはここのバイトOBで、一度ふらっと訪れた折に接客をさせてもらっことがある。ご本人は全く記憶していないと思うが、俺にとっては誇らしいイベントだった。
HereNowで紹介されていた「Books & Things」。劇狭な町家の中にひしめくように海外書籍が積まれている。店主によると相当レアな書籍ばかりなんだと。好きな人は好きかと。
Books & Things – (三条河原町・祇園・東山 / ショップ) | HereNow Kyoto
こちらもHereNowで紹介されていた「PASS THE PATON」。の横側。かなりアクの強い家具やファッションがズラリ。好きな人は好きかと。
PASS THE BATON KYOTO GION (パスザバトン キョウト ギオン) – (三条河原町・祇園・東山 / カフェ・バー) | HereNow Kyoto
白川南通は有名スポットなのか知らないが、海外の方が着物着てブライダルフォトを撮りまくっていた。
京都ならではの風景。今思えば大学時代にもっと路上ライブやっときゃよかった。
さてどこ行っても人が多すぎるので、彼女が「鴨川のほとりがいい」と言い出し、特に目的もなく鴨川を北上することにした。
COLLECTION
1日目と同様にまた京大近くまで来てしまい、「はっ」と思い出したのがこの喫茶店。建築棟のすぐ裏にあり、建築学生御用達の店だった。
ドライカレー。懐かしすぎる…。相変わらずバターが濃かった。あと増築して広さが2倍くらいになっていた。景気いいのかしら。
彼女はここで仕事対応に。そういえば暦上は平日だわ今日。
蜂蜜専門店 オ・ボン・ミエル
学生時代に生駒さんを通じて知り合った蜂蜜屋さん。というか生駒さんの家の隣で蜂蜜屋さんを営んでおり、数年前に移転したよう。
お店の前に
京大に入れたのは誰のおかげ?母より
とある笑。そういえば母の日が近い。ちょうど俺が院を卒業するのと入れ替わりでお子さんが京大に入学し、ドラマーとしてジャズ系に入ったようだ。ということで受験前のお子さんとちょっと話した記憶がある。
現在は何かの研究でフランスに長いこといるようだ。月日が経つの早すぎる。
店内。お母さんと「お久リぶり~~」と話し込む。そのまま実家の高知に帰ることを伝えると、「じゃ、これを」と母の日セットを買うことになった笑。クッキーをプレゼントしてもらった。
さっきの喫茶店で仕事している彼女と合流し、ホテルに戻ることにした。
いづ重の鯖寿司
帰りに祇園で鯖寿司を。彼女の知人から「ベスト鯖寿司」とのこと。ベストかどうかわからんが美味かった。
京都駅へ
ホテルLens 河原町に戻り、荷物をピックアップして京都駅へ。次は実家の高知に帰る。
ということで
京都旅行ダイジェストでした。結果的にHereNowの紹介記事みたいになってしまいましたが…。
今回は初めて住民ではなく観光客として京都を訪問したわけですが、この都市の進化のベクトルがちゃんと「京都らしさ」に向いてることを感じました。俺はそれが嬉しかったし、単純に10年前よりおもしろい町になっていると感じました。
一方で、京都に住んでる旧友に言わせると「いや観光客が多すぎる」とのことで、想いは様々な模様。
あまりに楽しかったので、年に数回来てもいいなぁと。もっと言えばまじで移住しちゃってもいいとすら思ってまいます。夏のあのクソ暑いのさえなければ…。
よしや楽器懐かしいなー。たまに出てくるフルアコ見に行ってたな