[Google Analytics実験] ブラウザバックによる遷移はどうカウントされるか

ブラウザの戻るボタンによる遷移がGAでどうカウントされているのかよく分かっていなかったので、実験&検証してみました。

検証手順

自分が別で運営しているとあるサイト(GA埋め込み済)に、特定IPだけカウントするフィルタをかけて実験。

遷移は以下のように行いました。

エンジ色の矢印(3,5,6)が「ブラウザで戻る」による遷移です。
※遷移2の飛び先のページは同ドメイン別サイト(同ウインドウ)
※遷移8の飛び先は別ドメインサイト(同ウインドウ)
※遷移8の後にブラウザを閉じた

検証結果

こういう風にカウントされていました。

サイト全体


全体PVが4になっているところで既におかしいです。ブラウザバックがカウントされていると「トップ」「第2階層A」が重複されるので、PVは計6になるはず。
ただし、まだ「1セッション目がカウントされている」のか、「ブラウザバック後のセッションがカウントされているのか」は判断がつきません。

上記を特定していくために、以下はページ毎の遷移(ナビゲーションサマリー)を見ていきます。

トップページ


遷移元の候補として「閲覧開始」と「第2階層A(ブラウザバックによる)」が可能性としてありますが、前者しかカウントされていません。
同じく遷移先の候補としては「第2階層A」「第2階層B」がありえますが、こちらも前者のみのカウントとなります。
これによりブラウザバック後のセッションはカウントされていないことが推測されます。

第2階層A


同様に、遷移元「トップページ」は、ブラウザバック後の遷移をカウントしない法則で説明できます。
ただし、その場合遷移先としては「離脱」になるはずが、こちらは「第3階層A」になっています。要するにブラウザバック後の遷移がカウントされています。
こちらに関しては後述します。

第3階層A


左(第2階層Aから遷移した)のは事実です。問題ありません。
問題は右(第2階層Bへ遷移した)です。こんな事実はありません。実際は「ブラウザバックでトップページを経由して、第2階層Bへ遷移した」です。
これは上述の「トップページから第2階層Bへの遷移がカウントされていない」とも一致します。

第2階層B


上記を受けて、遷移元はやはり「第2階層A」。ここは「レポート上」は矛盾がありません。
遷移先は「離脱」となっており、これは事実通りです。

ということで、GA上では以下のように認識されているようです。
ブラウザバックの遷移が綺麗に無かったことになっています。

サイト内遷移を優先する?

一旦棚上げした、「第2階層A」→「第3階層A」の遷移についてです。
このページに「ブラウザバック後の遷移をカウントしない」ルールを適用すると、サイト内遷移に矛盾が生じます。つまり「第2階層Aからの遷移先=離脱」となり、「第2階層Bの遷移元が存在しなくなる」わけです。
恐らく、レポート上での矛盾を防ぐための調整が働いているのかと思います。要するに「袋小路となる遷移はカウントしない」方針を採ることで解決できるはずなので、「サイト外離脱とサイト内遷移の両方が可能性としてある場合、サイト内遷移を優先する」で説明できるかな?

分かったことまとめ

  • 「ナビゲーションサマリー」は各ページ間で矛盾が無いように調整される
  • ブラウザバックは遷移として認識されない
  • そのため、ブラウザバック後のPVもカウントされない
  • 基本的に、ブラウザバック後の遷移もカウントされない
  • ただしサイト内部間の遷移を優先する場合がある
  • ブラウザバックを経由した場合、事実と異なる遷移がカウントされる

今後