オンライン開催となった山野ビッグバンドジャズコンサートを見て

新型コロナウイルスの影響で現地開催がキャンセルされオンライン開催となった第51回の山野ビッグバンドジャズコンテストを拝見しました。2週間前の話ですが…

初めての試みという事を差し引いてもすごく良かったと思います。ほんとびっくりしました。
事前録音&録画による応募、講評だけリアルタイムで進行、参加条件の激変に伴ってコンテストからコンサート形式へ(順位をつけない)。チグハグな大会になるんちゃうかという不安は外れて、「皆で学バンドの健闘を称え合おう」という軸がしっかり見えて、純粋に楽しかったです。

運営側も出演側にとっても初めての試みだらけだったにも関わらず、リアル実施の劣化版としてではなく、コンセプトから見直した英断には頭が下がります。
特に、コンテスト形式を辞めるという決断には相当な議論リソースと覚悟が必要だったと勝手に想像しています。この環境においてはベストなのではと思う形式で実施して頂き、OBとしては嬉しいと思いました。ありがとうございます。

たしか慶応ライトの講評の際に本田雅人さんが言ってたかと思いましたが、今回の形式は「作品を作る」というテーマを自然に産んだように思います。ライブパフォーマンスというのも音楽の伝え方のいち手段にすぎないという事に気付かされます。

一応全ての動画を見ました。中でも早稲田ハイソサエティオーケストラのハイクオリティぶり(あと予算も笑)は図抜けており、すごすぎて逆に笑えてきました。

このバンドの生演奏を見てもかなり感動した事は想像に難くありませんが、一方で、映像作品として見ても十分感動を呼ぶものになっていると思います。現に自分は20回以上は再生しています。クオリティに順位をつけて喜怒哀楽を爆発させるのもいいですが、音楽の本質は人を感動させるものにあるはずと考えると、むしろ音楽の原点に返ったと言えるんじゃないでしょうか。

母校の京都大学ダークブルーニューサウンズオーケストラの映像です。

近年のダークはソリストを立たせる路線がハッキリしていて、これぞエリントンという感じが追求できていてほんと凄まじいです。自分が現役の時にその視点に気付きたかった。
賞を狙うコンテスト形式だったら恐らく選曲されないであろうTake the A Trainを撮ってるのが、なんというか今回の山野の雰囲気を象徴しているように思います。

最後に、個人的MVPは大阪大学ニューウェイブのベースボーカルの方です。2曲目Give Me the Simple Lifeでの歌を聴いて鳥肌が立ちました。

自分がベーシストというのもあってウォーキングラインを弾きながら歌う事の難易度は体で知ってるつもりですが、ボーカル単体で見たとしてもここまで歌えるアマチュアは始めてみました。聴いててちょっと信じられないと思いました。

てっきり帰国子女だろうと思ったら、本人が英語はしゃべれないと言っていたたり、ほんとに音楽の才能でやってるみたいです。改めて、山野が日本の才能が集まる場というのを実感しました。
自分はインターネットという技術は人の才能に気づかせる手段として機能したと思っているのですが、山野がインターネットのコンテンツという土俵に乗ったからこそ、その側面が強調されると嬉しいなと思います。

次回や今後について。
司会の国府弘子さんが「夏に会いましょう」としきりに仰っていました。その気持ちは同じですが、正直、半年後に1,000人や2,000人集める規模のイベントができるかと言えばだいぶ厳しいと思います。もう少し新形式の山野が続くと思った際に、コンテスト形式の復活の声もあがるのではないでしょうか。
「作品を作る」前提であれば録り直しをする事も筋の通った事だと思いますが(事実、今回の参加バンドもそれなりに録り直しはしていたようです)、やろうと思えば替え玉で参加も簡単にできてしまいます。リアル実施よりもハックが簡単になるオンラインでの祭典に際し、自分はコンテスト形式はとらなくていいと思うのでうが、どうでしょうねぇ。

こういうマイペースな?山野もいいと思うし、もし実地のコンテスト形式の大会が必要だったらこれとは別にやるでも良いのではと思ったりします。

今回は無料で視聴できましたが、協賛あるとは言え結構赤字なんじゃないでしょうか?(府中の森の会場のキャンセル費もかかってるだろうし)
次回からは有料チケット制になったりするかも?全然払います。

という事で新形式の山野、次回も楽しみにしています。