妻が大岩オスカールさんの作品が好きで、ひょんなことから21世紀美術館での展示の招待券を頂いたことから、それだけのために金沢に行ってきました。他の目的を何も決めていないのに大丈夫だろうか。
ちなみに死ぬまでに47都道府県を踏破するという地味な目標を持っている私にとって石川県はまだ未到の地だったりするので、行くだけでも価値のある土地だったりします。
なお旅行となると移動手段とホテルの予約を直前までしない俺に愛想を尽かした妻が、今回から全て無断で手配してくれました。もう信用が地の底まで落ちてしまった感があります。
1日目(金曜日)
有給使ってレッツゴーです。
東京駅で「かがやき」に乗る
自由席が無いらしいです。2時間半。はやい。往復28,000円くらいでした。
寝てたら着きました。初石川。やったー。
近江町市場で寿司を食う
妻がとってくれたホテルが近江町史上から徒歩1分のところで、利便性最高。ただまだチェックインできないということで、じゃあ昼飯食べようと近江町市場に参りました。
金沢はA4タイポグラフィのセンスが高めな気がします。こういうのには勝てない。
事前リサーチ(=友人へのヒアリング)によると皆口を揃えて「とにかく寿司を食え」としか言わないので、寿司を食うことにしました。
近江町市場に何件も寿司屋さんがあるのですが、天下のGoogle Mapsのレビューで一番点数が高かった「もりもり寿司」に決定。最近はこういう時に食べログを見なくなりましたねぇ。
金沢来たらとオススメに従いのどぐろの寿司を頂きましたが、妻と「上級者向けの味かもしれない」という結論を出しました。
なお片方にしかわさびが乗っていない理由は、俺がわさびが食べられないからです。
唯一の目的、21世紀美術館へ
まだホテルにチェックインできないので、このまま唯一の目的である21世紀美術館に行ったれということでバスに乗りました。まだ金沢歴2時間くらいなのでバス路線のことがさっぱり分からない。2人で路線図をじろじろ眺めてたら親切なおばあさんが「あれに乗るとよい」と教えてくれました。
途中にハイセンスな歯医者がありました。
10分くらいして簡単に21世紀美術館に着きました。
入り口の様相です。
これです。これを見に参りました。「光をめざす旅」。
ブラジル移民2世である大岩オスカールさんの作品を堪能しました。なんと写真撮影OK。
美術を雄弁に語る舌を持たないのが悔やまれますが、日本人には無いタッチで日本的なモチーフを描かれることのいい意味での違和感が、この方のアートの持ち味なのだと思われました。
壁1面を使ったドローイング。この規模のキャンバスを妥協なく描き切る集中力も、アーティストのスキルの一つなのでしょう。月並みですが、単純に圧倒されます。
この方の作品には、結構分かりやすい風刺のテイストが散りばめられいるものもあり、中にはすごくとてもストレートなものがあったりして、実際目にするとちょっとギョッとしたりします。それを狡猾に隠さないで表現するあたり、返ってオスカールさんのピュアな感情に触れている気がします。描いているものはちょっとエグいのに、実際その人はかわいい人なんではないかという想像とのギャップが、アート体験として独特な気分にさせられました。
同時の展示もいくつか拝見しました。
有名なプールのやつ。さすがに写真で何度も見ていたので出オチ感は否めなかったです。
東茶屋町は早めに行け
さていきなり唯一の目的を果たしてしまい、やることが無くなった私達。バスで観光地で有名な東茶屋町に行ってみようということになりました。21世紀美術館から10分くらいで行けます。観光名所が密集しているのが金沢のいいところですね。
なのですが…
夕方5時にはほぼ店が閉まっていました。
さっきまで21世紀美術館をあるきまくって足がクタクタになっている2人には東茶屋町はとても厳しい街でした。「座れない」「疲れた」を連呼してほぼ何もせずに東茶屋町を後にするしかありませんでした。
まぁ去年、京都の祇園は歩いたしな…。
立地最高のおしゃホテル、ザ・スクエアホテル
タクシーに乗ってホテルへ。タクシーの運転手さんが道順をひたすら解説してくれました。
今回選んだ妻が予約してくれたホテルは「ザ・スクエアホテル金沢」。近江町市場から徒歩1分の最高立地で、金沢素人にはかなりオススメです。市内の観光の拠点としては申し分ありません。
確かできてから1年も経ってないホテルとかで何かと綺麗でおしゃれです。どうでもいいですが家にカラー壁紙を貼ろうと計画しているので、壁紙のチョイスの参考になりました。
最上階には大浴場もあり、部屋にこもっているよりはだいぶ開放的な気分になれます。写真はちょっとした展望です。夜はだいたい誰かがいたので私がお世話になることはありませんでしたが。
夜ご飯はまたもや近江町市場
夜は結構雨が降っていました。が、ホテルに傘のレンタルサービスがあり、事なきを得ました。
晩御飯も近江町市場で頂きます。今回は「近江町食堂」というところにしました。
我々、酒をほとんど飲まないので、その分のお金を食べ物に充てるというポリシーで生活しています。ので、確か2,800円かかるのどぐろ塩焼きもノータイムで注文してしまいます。
頂きました。おいしかったのですが、お昼と同じく「上級者向けの味かもしれない」という結論を出しました。
金沢駅に忘れ物を取りに行く
妻がストールを無くしていることに気付きました。こういう時に気分が滅入るのはよく分かります。旅を楽しむにあたって最も重要なのは煩悩を無くし切ることだと決まっているので、是非ピックアップが必要です。
いろいろ電話したら金沢駅に届け出が出ていることがわかったので、取りに行きました。これで駅が遠かったらだいぶ気が滅入りますが、タクシーでほぼ1メーターの距離。ここでも金沢の利便性が功を奏しました。すぐ解決してよかったです。
ホテルで作戦会議
ホテルに戻り「さぁ明日、どうしようか」と妻と激論を交わしました。改めてノープランぶりに気付かされます。
意外と白川郷が車で1時間の距離にあると分かり、改めて金沢のポテンシャルの高さに驚きましたが、「石川に来ていきなり岐阜に行くのも野暮ではないか」「確かに」ということで却下。
結果、「能登半島の棚田を見に行く」ことなりました。
1週間前に北陸で結構大きな地震が起こったところでして、本震のリスクを妻が指摘したのですが、「山道を通っていく」という条件を提示して許可を頂きました。
実は能登半島はかねてから行ってみたい場所の筆頭でした。理由は単純で、RPGをやりすぎたせいで「変な地形のところはとりあえず行ってみるものだ」という人生観があるからです。
ということで急遽、駅前のオリックスレンタカーをWeb予約。安上がりの軽は予約が埋まってるもんですが、観光シーズンで無かったのが幸いしました。
2日目(土曜日)
頑張って9時くらいに起きました。10時だったかもしれません。
近江町市場で朝寿司へ
ホテルの利便性を活かしまた近江町市場へ来てしまいました。金沢に着いてから24時間経っていませんが、もう3回来ていることになります。
今回は「近江町市場寿し」…の隣の簡易店舗みたいなところに来ました。
また寿司を食べました。もちろんのどぐろ込のセットです。
この時点ですでに1,500円くらい使っていて頭が観光客脳になりきっているわけですが、朝から寿司を食べる背徳感は、なかなか良いものでした。
金沢駅前のオリックスレンタカーへ
レンタカー屋に別にこだわりは無いのですが、オリックスカーシェアに契約しているので、何かその流れでオリックスにしました。なお「カーシェアでいいぢゃん」という考えも有りえますが、駐車場が遠いのでやめました。
憧れの能登半島へ
金沢を出発し、ナビに言われるがままに千枚田を目指します。カーナビとGoogle Mapsの到着予定時刻に1時間ほどの開きがあり笑えますが、毎度のことなので「到着はその間くらいだろう」と目星をつけてレッツゴー。
途中1回だけコンビニ休憩をとった以外はノンストップ。1時間45分くらいで着きました。
なお道中の写真が無いので、次にいきなり棚田の様子をご覧いただきます。
白米千枚田が至高
伊勢で棚田を見てすっかり感動して以来、棚田と聞くと黙ってはいられない我々2人です。
おおー、いい!
朝から天気が悪かったのですが、新婚の我々を祝うように晴れ間が。素晴らしい景色でした。
この千枚田、ゴールデンウィークは激混みらしいです。我々が行ったのは6月中旬という中途半端なシーズンで、水も張って無くこの棚田のポテンシャルの隅々まで目に焼き付けたとは言い難いのですが、それよりも、我々以外の観光客が1組くらいという牧歌的な空気が我々の評価を激上げしました。
夜のライトアップも綺麗だそうですが、俺は海とのコントラストが気に入りました。
小泉元首相の田んぼもしっかり堪能しました。
とても良かったです。オフシーズンでもおすすめ。
能登市の朝市へ
昼飯を食べる必要があります。
輪島の朝市(だったところに来ました)。14時だったので何もやっていませんでした。
この時間でもやってるお店がそもそもほとんどありません。そのうちの1つ「朝市さかば」に来ました。
ここで食べたふぐ丼がものすごく美味しかったです。よく考えたらふぐは刺し身か鍋でしか食べたことがありませんでしたが、ここのふぐ丼は肉厚がすごくてコリコリしていました。
ちなみに朝はむちゃくちゃ混むらしいです。Google Mapsの口コミだと1時間待ったとか…。その待ち時間をスキップしてこんなおいしいものにありつけたのでラッキーと思うことにします。
ということで、もう金沢に帰ります。往復3時間以上かけて現地滞在1時間、というむちゃくちゃなスケジューリングです。
道の駅「のと千里浜」、もったいないことした…
ということでほぼ戻ってきました。
途中、道の駅でトイレへ。
この道の駅「のと千里浜」ですが、家返ってからこんな記事を見つけました。
日本全国1147ヵ所の「道の駅」を完全制覇した男が選ぶ、絶対に訪れるべき道の駅ベスト10 – メシ通 | ホットペッパーグルメ
日本の道の駅を踏破したとんでもないお方が、ベスト10に選んだシロモノだったようです。
農薬も肥料も使わない自然栽培の羽咋米(はくいまい)で作った塩むすびが本当に美味しいんです。プリッとしてトロッとした甘エビと羽咋米の美味しさが合わさった棒寿司も絶品です。
それをただのトイレ休憩で使ってしまうとは…。とんでもない機会損失をしてしまいました。しゅん。
なぎさドライブウェイが至高
行きは「山道を通って行く」との約束に従いスルーしたなぎさドライブウェイですが、帰りは何故か寄って行こうという話になりました。妻の中で本震リスクがどのように解決したのか、未だに聞けていません。
さてこの「なぎさドライブウェイ」、結論を言うと最高でした。
行くまでは「ただのビーチやろ」と思ってました。
ほんでいざ行ってみると、信号が無い、中央分離帯も無い、こんな広い道を規則に縛られず自由に運転できることがこんなに気持ちいいとは、と感動しました。これが自由か。
石川県民の皆様、すみませんでした。
こんな体験できるところは滅多にないので、金沢来てレンタカー借りれる人は絶対行った方がいいと思います。
ひとしきり感動して金沢駅に向かいレンタカー屋へ。1時間くらい時間が余りましたが大人になってからというもの無理にイベントで埋めるのもしんどくなってきたので(体力面で)さっさと返します。
懐石料理、竹千代が至高
実は冒頭で「目的は21世紀美術館のみ」と書きましたが、嘘がありました。事前に竹千代という会席料理屋を予約していたのでした。この記事書いてて思い出しました…。このお店、妻の会社の社長からオススメされたものです。
見るからに上等な感じがします。ヤンキー用語ではないです。
料理に一言ありそうな店主が1人で切り盛りされています。メニューは無し。6人ほどのみ入れる店内に入り席に座ったら、何を確認されるでもなく自動でコースが始まります。
全ての料理に条件反射で「うまい!」と唸ってしまうほど美味しいです。中でも写真の自家製こんにゃくはこんにゃくの概念を変えられるほどの味でした。
お酒無しで1人10,000円を超える料金ですが、その価値はあると思います。金沢の人が羨ましいです。
夜の長町
感動の食事エクスペリエンスを終え、ホテルまで歩いて帰れる距離だったのでちょっと寄り道して武家屋敷が残る長町を散策してみようと思いました。
この写真はGoogle Pixel3の夜景モードが本気出しすぎて風情が消し飛んだ写真です。
まぁ、夜に行っても特に見れるものは無かったのでちょっと散策した、という感じです。
3日目(日曜日)
この日はほぼ移動デーです。
近江町市場でお土産を買う
先月に入籍したということでいろんな方にお祝いを頂いておりまして、その内祝いを兼ねて金沢土産を買います。近江町市場には4回目の訪問です。
まず朝ごはんを食べます。「まんぷく横丁」というところにしました。
岩カキフライです。おいしかったのですが、値段の割に量が…。今更ですが、市場は全体的に観光客向け値段ではあります。築地市場の近くに職場があった人間としてはその力学はよく分かっているつもりです。
妻は親族に4,000円くらいするさくらんぼを宅配しました。この値段のさくらんぼをいきなり2つ買う客は珍しいのか、店主さんにフルーツをプレゼント頂きました。なぜか俺がだいたい食べてしまいました。
私はのどぐろセットなどを買い込み。昼の便で金沢を後に。
Google Mapsローカルガイドに投稿しまくっていたら気付いたら東京に着きました。
以上です。ノープランで行ったものの、思った以上に無駄行動も無く、かなりの充実度でした。楽しかったです。
また金沢のコンパクトながらに洗練された町と店は十分にまた行きたいと思わされるものでした。
昨今観光客の激増が深刻な問題となる京都より、実は日本的観光地として行きやすいのが実際のところではないでしょうか。
おまけ。Google Mapsローカルガイド
実は今年に入ってローカルガイドに投稿するのにハマっているのですが、今回の金沢旅行で6〜700ポイントくらい獲得できました。やはり旅行は効率がいいです。
ただ、ホテルに戻って1時間くらい投稿作業していると次第に「何しに来てるんだ俺」という気持ちの方が強くなってくるので、家に戻ってからの方がいいでしょう。
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