turntable.fmを1週間遊んでの良いところ・悪いところ私見

turntable.fmの感想を書きます。今後このサービスが流行り続けるのかそうでないのかも考えてみます。

音楽をテーマにしたソーシャルメディア的なサービスは今までいくつかありましたが、楽曲再生&共有のリアルタイム性をグッと引き上げることでコミュニケーションを生み出すことに成功した例としては、初めてな気がします。
アーキテクチャ的に言うと、「DJ(流し手)」と「聴き役」を明確に分離して視覚化したのが大きいような気がします。加えて、参加者がとれるアクションがチャットで会話する以外だとボタン一発(awesomeとlame)でも可能、というハードルの低さも目をひきます。

ブログなりtwitterなりFacebookなり、テキストベースのコミュニケーションではどうしても言語の壁は大きく、大体の日本人は英語ができないためにFacebookの時流に乗れないというのはあると思ってます。自分は英語がからっきしダメなもので個人的に痛感してます。
turntableの良いところは、外国人の方であっても自分の知ってる曲をかけてくれたとして、カタコトの英語で「この曲好きだぜ!」としか言えなくてもコミュニケーションが成立してしまう点だと思います。こういう体験は他のWebサービスでは(少なくとも自分は)得た事のない体験でした。
お気に入りの楽曲に、全然素姓の知らない人から「いいね!」と言ってもらえるのは、やっぱり素敵な快感です。

流行るのかしら

このサービスを絶賛する記事はもう世にたくさん出ているので、ここではちょっと批判的に見てみます。

時間的な負担がでかすぎないか

異様な成長スピードを見せているこのサービスですけど、巷で騒がれているほど「大ブレークな予感!」と言い切るには、まだ懸念があります。まともに体験しようとするととにかく時間がかかりすぎるんですねこのサービス。これは1回やると誰もが感じると思います。
音楽とroomの盛り上がりをリアルタイムに共有するのがこのサービスのミソである以上、避けられない構造上の問題なんですが。

「後で見ても大丈夫」な昨今のwebサービスの中、「その場にいないといけない」のは、ブームに逆流している性質と言えなくもない。その点では、ニコニコ動画は「盛り上がりを保存できる」という意味でやっぱり画期的だったと思います。

一方でほったらかしにしといて「音だけ楽しむ」という使い方もあると思いますが、DJ側には最低限のコミュニケーションが求められる空気がある(awesomeクリックや、チャット)ため、ちょっとリスクが高い。
じゃ、聴き役に徹してサントラとして楽しむのはどうかということですが、ほったらかしにしてるという事はもちろんawesomeといったリアクションを一切しない存在になるというわけで、ポイントが欲しくて壇上に立つDJからしたらモチベートされるアーキテクチャ自体が成立してないことになる。
今はまずブームに乗っかって世界中のユーザーがこのサービスに時間を費やしている時期だと感じます。これから先、スターティングブームが沈静化した後、こういう「ほったらかしの聴き手」が増えてしまっていると、DJとしても楽しみが無い。そして過疎化、というシナリオが予想できないわけではありません。

権利問題

サービスアーキテクチャ上の問題以上に問題なのがもちろん利権問題。自分はこっちにはほとんど詳しくないので詳細は書けませんが、記事として書いて下さっている方がいました。

Turntable.fmの登場と評価、考えなければならないこと – e2esound.com業務日誌

必読ではないかと思われます。

全然空気読まない人が、やっぱりいる

自分はJazzやFunk関連のroomによくいます。すごく趣味の合う人同士でDJすると、自分の知らない、けどすごく素敵な楽曲に会えることが多くてそれは本当に楽しい時間になります。
一方、嫌な思いをする例もあります。これは自分が実際に遭遇した例なんですが、今までのジャンルを無視した雰囲気ぶち壊しの楽曲を流し始めて、なんだこりゃとビビった矢先「awesomeくれくれ!!」の連呼。まぁその場にいた20人くらいは誰も押さなかったんですが…。それだけで留まらず、他のDJの楽曲に「つまらん。skipしろ!」みたいなヤジ。
roomの雰囲気は一気に冷めきってしまいました。
いちおう自分は寝る時間までその人を無視してjazzを流し続けましたが、せっかく気の合ったDJ達はさっさと離脱してしまいました。

まぁすぐ淘汰されるキャラクターなんでしょうけど、このテの空気感が全てみたいなサービスでこんなユーザーがいると、どうもねぇ…

全然関係ないけどDJポイントゲットハックについて

あなたが知らないかもしれないturntable.fmハックいろいろ | IDEA*IDEA

で紹介されているハックですけど、DJポイントとfanの数を比較すれば何となく見破れますね。
だいたいDJポイントが150とかくらいまでは「fan数=DJポイントの1/10」くらいの式が成り立つっぽいです。それ以上はあんまりケースが無いのでよく分からんのですが。
以前見たDJには、DJポイント200くらいでfan数が3とかいう人がいましたが、これは多分上で紹介された方法とかで貯めたんでしょう。

また数ヵ月後に、どうなっているか見てみたいと思います。