Charaのライブ見て、にわかの俺の概念が覆った @クロッシングカーニバル

先日、CINRA主催のクロッシングカーニバルという都市型フェスに行ってきました。

CINRAというのは、かの有名なCINRA.netを運営するクリエイティブエージェンシーです。
CINRA, Inc. | 株式会社CINRA(シンラ)のコーポレートサイト

渋谷O-westやO-Eastなどで10組以上のパフォーマンスが繰り広げる中、おっさんが持ち合わせる体力が激貧のため3つくらい見て帰ってしまうという勿体無い時間の使い方をしました。ただCharaのライブが神掛かって良かったのでその感情をここに留めて置くことにします。

GRAPEVINE

実は一番の目当てはコレでした。というのも高校生の頃にラジオでハマってから(今調べたらミュージックスクエアのOP曲だった模様。そう言えばそうだった)、1stと2ndアルバム買ったくらいには好きなバンドだったりする。特に1stはセンター試験1ヵ月前に肺に穴が空いて入院した際には病室にCD持っていくくらいのお気に入りだったはず。
ただ大学生になって音楽の趣味が変わってからはとんとご無沙汰で、メンバーが3人になったと聞いたが「誰がいなくなったん」程度の関与度だったりします。

そんなもんで、さすがにステージに現れた時は「おおお」と感動しました。この感じを正確に表現するのは難しいのですが、「卒業以来会っていなかった旧友とばったり再開するようなテンション」と言った感じでしょうか。全然うまいこと言えた感がありませんが。というか本人からしてみればただの一般人男性に勝手に友達感覚を持たれてもただの迷惑かと思います。

ライブはまぁ、率直に言うと「こなしてるなぁ~」という感じでした笑。これがこのバンドのスタイルなのでしょう。物心ついてからというものずっとブランキーのライブばっかり見てきたので、「ロックと言えば汗を流してナンボ」的な価値観からどうしても抜け出せません。

15年以上追いかけてないので知らない曲ばかり演奏するのだろうと思ってたら、やっぱりそうでした。その中で唯一知ってる「羽根」が聞けたのはかなり感慨深い。勝手な友達感覚を持った上に敢えて欲を言えば、できれば「白日」も聴きたかった。

ベースが「いかにもプレベ」というサウンドでむちゃくちゃかっこええ。ジャズベではこの雰囲気はまず出ない。

そういえば、ライブ後半にコンテンポラリーダンスの人とのコラボがありました。
昔から自覚しているのですが、俺はダンスというアートを正確に評価できるボキャブラリーが全くありませんで、「なんだか空間が異様なサブカル感に包まれた」ぐらいにしか表現ができません。

という感じです。最後に言っておきたいのは、田中さんはやっぱり歌上手いわぁということです。CD音源でも思ってましたが、ライブでも特にそう思いました。ボーカリストとして本物だと思っています。

Chara+韻シストBAND

ずっと「Jポップの人でしょ」くらいに思っていた自分の脳をぐちゃぐちゃにして再インストールさせられるようなパフォーマンスでした。圧巻。概念が覆りました。今まですみませんでした。

もうほんと、ステージに現れただけでただならぬオーラが出ている。
こう言うとほんと失礼だが、同じステージで見たGRAPEVINEよりも明らかに年季が違う感がにじみ出ている。出まくっている。彩度の高いブルーのワンピースにボンバーヘッドという日本の一般人50歳には様々な意味で不可能なビジュアルは、他の誰もを脇役にしてしまうくらいのカリスマ性があった。これは外国人シンガーにも負けそうにない。単純にかっこいい。これがファッションモンスターか。違うか。
歌ってもいないのに舞台袖から出てきただけで鳥肌が立ってしまった。なんなんだこれは。

ほんで何を歌うんだと思ってたら、1曲目から「やさしい気持ち」をやってしまう。
にわかの俺でも「結構好き」と言ってしまうレベルの国民的ポップソングを最初にスカーンとかまされ、この時点で既に「来て良かった」感が出ている。Charaが歌いだした瞬間の会場の湧き上がりっぷりが忘れられない。

これは出オチでは無いのか。果たしてこの後もテンションがもつのか…と不安が頭をかすめる頃、数曲を挟んで次に「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」をやる。
30代以上の日本人なら誰もが歌えるであろう国民的ポップソングをやかまされ、この頃には「本当に来て良かった」感がうなぎ登っている。イントロが始まった瞬間の会場のどよめきが忘れられない。

自分の表現の幅の狭さが残念でしょうがないが、まぁ要するにこういうテンションだった。

50歳になっても「かわいい」という形容が出来てしまう彼女自身が纏うコンセプトが、アーティストとして突き抜けまくっている。だから「やさしい気持ち」が20年経っても同じテンションで聞けてしまう。こんなことが出来てしまうアーティストはなかなかいないと思う。

歳のせいかもともとそういうスタイルだったのか分からないが、結構キツそうに歌うのは聞いててちょっとハラハラしてしまう。ただ一方で、あの絞り出すように放出されるハイトーンがCharaの唯一無二性に一役買ってるとも感じる。シャウト以外の方法で「叫び」を表現できる類稀なシンガーなのではないでしょうか。

最後は「小さな手のひら」で締め。
いやーほんと良かった。また見たい。

ライブ後に知りましたが、やさしい気持ちは新バージョン(と言っても2014年)が発表されているようです。

藤井隆

エンタメについての知識が一般人の1/10しか無いので、音楽活動をしてらっしゃるとは知りませんでした。数曲聴きましたが、歌よりもMCの方が上手いなぁという印象です。

ということでクロッシングカーニバルでした。とにかくCharaのライブはまた見に行きたい。