近いか遠いかの差はあるが、モバイル化されうるものは不可逆的にモバイル化される、という仮説をたててみる。
じゃあモバイル化され得ないものは何か?
その線引きは、インターフェースではないかと考える。
要するに、その個体が必要とする最低限のインターフェースが、サイズ的に持ち運び可能かどうか、である。
例を挙げる。
電話。
これが必要とするインターフェースの最低ラインは、テンキーと声の入出力デバイスのみである。
これはどう考えても人間の掌サイズに収まる可能性が(もともと)あった。
あとは科学技術の問題で、それが解決されるとあっとゆうまにモバイル化した。
携帯電話の誕生である。
コンシューマーゲーム。
これが必要とするインターフェースは、「画面」と「操作ボタン」だけである。
これもどう考えても人間の掌サイズに収まるものである。
科学技術の進歩で、あっとゆうまにモバイル化した。
ゲームボーイに始まり、DSやらPSPに見てとれる。
逆算的に、「目的を達成するために必要最低限のインターフェースが絶対に掌に納まらないものはモバイル化されない」という予測をたてることができる。
あ、
書いてて気付いたけど、一口に「モバイル化」と言っても大雑把に2通りあって、この記事ではその中でも狭義の意味を採用している。
広義で言えば、「持ち運びはできるが、操作はNG」というレベルのモバイル化。これはノートPCなどが該当する。
狭義で言えば、「持ち運びと操作を同時に行える」というレベルのモバイル化。携帯電話やDSなどが該当する。
この記事では端末自体ではなく、「操作のモバイル化」を意識しているので、後者の意味で捉えてほしい。
話に戻る。
というか、話をパソコンに限定して捉えなおす。
パソコンで求められる機能が再定義されない限り、この端末はキーボードとマウスというインターフェースを必要とする。
そして、これは数十年スパンで変化しないというのが俺の予想だ。
なぜなら、その二つのインターフェースは絶対にノイズが入らないからだ。
音とか匂いとかをインターフェースにするという試みもあるだろうが、物質が持つ特性上、ノイズが入る(例えば、特定の入力音声以外を完全にシャットアウトするのは、今のところ無理な話である)。
そして、人が最低限使いやすいテキスト入力(=キーボードによってインターフェースされる)は、原理的に掌サイズに収まらない。
なので、パソコンの「操作のモバイル化」は相当長い間は進まないのでは、という仮説が導かれる。
それが崩れるとしたら、iPhoneレベルを遥かに凌駕する操作感を実現するテキスト入力インターフェースが開発された時だ。