ジョジョは全巻読んでそれなりに知識もあるのですがそこまで大好きってわけではないにわかの俺ですら「ちょっと欲しい」と思ったジョジョASBが大変な騒ぎになっています。
おお…ブラボー…
以下、ほぼ全て妄想で書く。
プレイした事が無い俺が言うのでかなり説得力が無いのは自覚してますが、「会社サイドの事情」と「制作サイドの事情」が見事にアンバランスしたまま世に放たれてしまった(最近よくある)作品、というように見えます。
当然こういう評価になるにはちゃんと理由があるわけで、インターネッツ上で暴れまわるユーザーの不満を見るに、バンナムが犯したミスは以下の2つっぽい。
- 「格闘ゲームである」という文脈を読み違えた
- 「大作を据え置き機で出す」という文脈を読み違えた
1. 格闘ゲームという文脈
PVやプレイ動画を見ると、制作者のジョジョ愛はたぶんものすごいものがあるのだと思います。ジョジョの世界観をインタラクティブ空間で再現しようとした熱意は、2次スクリーンを通してもビシバシ伝わってきます。
ただ、それが「格闘ゲーム」まで昇華しきらなかった感じです。
実際の対戦バランスがどうなのかはやってないので良く分かりませんが全体的に甘めという声を聞きますし、すでにアップされまくっている永久コンボのあまりのハードルの低さは、格ゲーご無沙汰の俺ですら引くレベル。
ここで言う「格闘ゲーム」が意味するものは重いです。
カプコンやSNKをはじめとする各社が競い合って、築き上げたきた日本の格ゲー文化。多分、世界一目が肥えた人たちを相手に納得させるだけの文脈を用意せんとあかんかった。これだけ注目される作品だからなおさら。ただ「ジョジョの動きを完璧に再現しました。格ゲーとしてのバランスはまぁそこそこです。」っていうクオリティで日本の格闘ゲーマーがうなずくと思ったか。
こういう状態でデリバリーとなってしまった原因はなんでしょう?
- いや、そもそもキャラクターを動かすのが楽しいという作品コンセプトなんです
- モーションのクオリティを追及しすぎてバランス調整する暇が無かったから
- ただのノウハウ不足
まぁ実際のところは不明ですが、1. は論外。ゲーム製作者として疑う。文脈読めなさすぎ。
まともなテスターつけたらもうちょっとマシになったんちゃうの?っていうレベルっぽいので、3. もちょっと。
多分2. かなー。
正直、バンナムって2D格闘のイメージはほとんど無いんですが、「あーやっちゃったかー」という感じです。
2. 据え置き機で大作を出すという文脈
こっちの方があまりに根深い。闇。
据え置き機全盛時代のハードゲーマー(レトロゲーマー?)にとって、最近の課金形式のゲームはあまりに相性が悪いです。たぶん。
というのも、彼ら(俺含む)はゲーム内に散りばめられた謎や隠し要素を、自らの時間と汗と努力と根性で発見してきた、という歴史があるからです。それが据え置き型ゲームの「達成モデル」であり、我々にとってのエクスタシーでした。
俺だったら、据え置き機ゲームと聞いただけでそういうゲームモデルだと思い込んでしまいます。いまだに。そこに飛びこんでくるDLC販売というモデルを前に「裏切られた」と感じるユーザーが多数いることは、想像に難くないです。
まーでも、これはかなりしょうがないような…時代的に。
たぶんプロデューサーか、さらにその上の役員とかが「で、採算合うの?」って言った結果、現場(往々にして役員なんぞよりもこういうデリケートな空気感を知ってる)と会社サイドで激しいバトルがあったんじゃないかなと想像すると身が裂ける想いです。
で、たぶんこれプロジェクト後期にいきなり決まったんじゃないかな。100%推測やけども。ユーザーへのアナウンスのぎこちなさとか後手後手感を見ると、そう感じる。それと、あまりに乱暴な値段設定(キャラ1体600円やっけ)をみるにつけ、このあまりにナイーブなバランスに対して十分に議論ができているとは思えない。
そうではなく、もし、もしだけども「お前らジョジョ大好きだろ。こんくらい金をつぎ込めよ」というスタンスなんだったら、アマゾンの評価通り、コンテンツ売りとして正気の沙汰とは思えない。
どういう経緯でこのDLCモデルが決着したのかは知らんけども、製作サイドの方々がamazonのレビューを見て悔し涙を見せる、みたいな状況のように見えてしまうので、想像しただけでも心が張り裂ける。
で、
そんな絶賛炎上中にも関わらず自分は昨日ペルソナ4の格ゲーを買いました。
2時間やったけど、こっちはこっちで…まぁそのうち書きます。
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