ジャズ野郎がプロの室内楽を聴いて価値観が変わりそうになった

3ヵ月以内

ジャズのライブと聴けばアンテナがぴこーんと立つものの、クラシックの事は本当によく分からない人間でして、ドラクエとFFのオーケストラに数回行ったことがあるくらい。そんな人間が、珍しく室内楽(チャンバーミュージックっつうのか?)のコンサートに行ってきました。というのも、会社の同僚に出演者の親族がおり(具体は伏せます)、誘われたからです。

ハープの奥田恭子さん、ヴィオラの小野聡さん、フルートの梶川真歩さんというトリオ。
ジャズでいうトリオだとピアノ・ベース・ドラム、という定番がありますが、この編成のトリオって何が繰り出されるんだ。想像がつかなさすぎる。

ちなみに小野さんと梶川さんはNHK交響楽団の奏者とのこと。N響と聞くと、小学生の頃に親父が買ってきたドラクエ4のサントラがN響の録音のものでして、その際に親父が「N響は日本のトップだ」と言っていたものだから、今になってもN響と聞くと憧れの存在だったりします。

…で、正直言うと、演奏が2時間あると聞いていたものだから、「クラシックで2時間て退屈じゃねぇか」くらいに思っていたのですが、感動しっぱなしで一瞬で終わりました。すみません、誠に愚かでした。

オケを見た感想もちょくちょくこのブログに残していますが、毎回「楽器のコントロール力がなんと素晴らしい」以上の語彙が出てこない。困る。今回はなおさら出演者が間近におり、鬼気迫るオーラで演奏している様子をいつもより鮮明に見せつけられた結果、やはりオケを見た時以上にその想いを強くしました。ジャズとはベクトル違うものの、何かを一生かけて極めようとする姿勢はただただ美しい。

ただ、今回はそれ以上の気付きがありました。

初めて気付いたこと

で、今回の演奏を見て、ジャズとクラシックがどうベクトルが違うのかがちょっと分かったような気がします。ジャズは共演者との対話であるのに対し、クラシック音楽は作曲者の対話なのではないかと、そう思われました。
途中のハープ独奏を聴いてる最中に、ふと「この曲、たぶんハープで演奏するために作られた曲なんだろうなぁ」と思ったら、眼の前にいるハープ奏者は、お客さんではなく作曲者に対して演奏しているのではないかと気付いたからです。

クラシックやってる人にとっては当然なのかもしれませんが、ジャズやってる人にとって「楽器のために作品がある」という発想ってあんまり無いので、新鮮です。

そう考えると、今までクラシック音楽奏者を「楽器がえげつなく上手い人達」という、ある意味アスリートを見るような目でしか見れてこなかった価値観が変わります。「作曲者の残した作品を再現し続けるために楽器というツールを極める必要がある」、そういう順序だったのかと思わされました。
あ、間違っていたら教えてください。

まぁクラシックでは「チェロのための」とか「ヴァイオリンのための」という楽曲があるので、今まで気付かなかったことの方がおかしいかもしれませんが…。ちなみにジャズでは、デュークエリントンのように「プレイヤーのために作品をつくる」という事態は存在します。

最後の楽曲で、フルートとヴィオラがユニゾンする場面がありました。
リズム楽器が無い環境、ファジィなリズムなのに、なぜあそこまで綺麗にシンクロできるのかが聴いてる間は全く意味が分かりませんでした。もはや異次元。これを、「作曲者の意図に沿うという目的」を演奏者同士が共有しているからでは、と考えると、ちょっと納得できる気がします。
ちなみに私は自分自身で録音したフレーズに対してもちゃんとシンクロしません。死にたい。

さて、演奏会自体は、主催者でありハープの奥田恭子さんという方がいい味出してました。世界のコンクールで1位獲るような人なのに、楽譜を忘れるなど天然キャラで、なんだか素で喋ってるのにMCが面白かったです。そういう意味でも退屈する暇がありませんでした。

冗談抜きに、今までジャズとロックばっかり聴いてきた人生をちょっと後悔しました。もっとこういう音楽聴いてりゃ音楽の楽しみ方も広がったのにと思います。
またこういう小規模の室内楽を聴く機会があれば行きたい。コントラバスがあるやつがいいです。

セットリスト(クラシックの世界ではプログラムと言うらしい)

  1. 愛の挨拶(エドワード・エルガー)
  2. 夢のあとに(ガブリエル・フォーレ)
  3. 即興曲(ガブリエル・フォーレ)
  4. ディズニーより
  5. ヴィオラ協奏曲(ゲオルク・フィリップ・テレマン)
  6. 無伴奏チェロのための組曲より第2番前奏曲(ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)
  7. ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)
  8. 虹の彼方に(ハロルド・アーレン)
  9. ロマンス(マックス・ブルッフ)
  10. ソナタ(クロード・ドビュッシー)

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