ウッドベース(コントラバス)専用プリアンプ!Fishman Pro-EQ Platinum Bassのレビュー

1ヵ月以内

15年ほど前に買って放置していた機材の再発見シリーズです。

同Fishmanから似た名前の「Platinum Pro EQ/DI Analog Preamp Pedal」という白いプリアンプが発売されていますが、本記事でレビューするのは2000年代初頭に発売された黒い方です。

白ではなく黒い方

こちらの方のモデルは同社オフィシャルサイトに記載が無いことから生産終了品だと思われます。

目次

このプリアンプの特徴

世にも珍しいウッドベース(コントラバス)向けにデザインされたプリアンプです。私はそれだけでゾクゾクします。

ジャズの世界に”Play the room”という言葉があります。その言葉を体現するかのように、何かと扱いが難しいウッドベースのサウンドをその音環境に馴染ませるために使う事がこのプリアンプの価値発揮ポイントです。
エレキベース向けのプリアンプのようにサウンドのキャラクターを激変させるものではありません。まぁウッドベースの音を激変させたい人などほとんどいないと思いますが…。

私がこのプリアンプに感じる魅力は以下の通りです。

  1. XLRアウトがある
  2. ハウリング防止など、ウッドベース向けの機能が実装されている
  3. イコライザーの帯域がウッドベース向けに調整されている

以下、それぞれについて少し解説します。

XLRアウトがある

スタジオやライブ会場に備わっているベースアンプはウッドベースとは馴染みが良くないものが多いです。

XLRアウトがあります

そこで、XLRアウトでミキサー直挿しの出番です。

ヘッドアップで付与される音の個性をカットして、ピュアな信号を送る事ができます。Fishman社も世間のベースアンプとウッドベースの相性問題をなんとかしようとXLRアウトを設けたのだろうと思います。知らんけど。

蛇足ですが私は最近エレキベースでもベースアンプ不使用にハマっているのですが、こちらで記事にしています。

ツマミやスイッチの使い方

このプリアンプはウッドベース向きという事で馴染みの薄いツマミやスイッチがあり、(私が)用法を見失いやすいので(私のために)それぞれを解説します。

馴染みが薄いツマミ群

Volume、Gain、Compressionはいいとして、他のツマミが分かりづらいです。

まずバランスXLR DI出力について、2種類のツマミがあります。

XLR pre/post スイッチ

  • EQで作った音をミキサーに送るかどうか
  • preはEQを通す前(dry)を送り、postはEQ後の音(wet)を送る
  • preはPAさんに音作りを委任することに意味するがアマチュアの私は基本的にpostで使う
  • なお本音を言うとdry/wet表記の方が分かりやすい気がします

XLR lift/gnd スイッチ

  • ノイズ対策です
  • gnd(グランド):アースが接続される。基本的にこっち。
  • lift(リフト):XLRケーブルの1番ピンを回路から切り離す。機材の相性によってアースループによるノイズが発生した場合にセットする

次にEQまわりのコントロールです。

phaseとは何か、depthとは何か

Phaseスイッチ

  • 位相を180度ひっくり返す。ハウリング対策として使う
  • ハウリング対策だけでなくても、音質に影響するので会場の音響に合わせてしっくり来る方を選べば良い

Compressionツマミ

  • うっっっすら効きます。あまり劇的な変化はない…というか、弾いてる本人でもほとんど効いてるかどうか分からないです
  • 公式には「10時にセットせよ」と書いています。

Depthツマミ

  • ローカット。アコースティック楽器特有の不快な音域を削る
  • 左側に倒せばローが残り、右側に倒せばスッキリする
  • 恐らくイコライザーの”Bass”ツマミよりもピンポイントな周波数をカットしている
  • これも公式は「まず10時にセットせよ」と書いている

ウッドベース向けに調整されたイコライザ

最後にイコライザー部です。Bass、Low mid、Mid、Hi mid、Trebleの5バンドです。

5バンドです

それぞれの周波数ごとに操作できるdbの上/下限が個別に設定されており、メーカーの拘りを感じます。それぞれの周波数は不明ですが、どの周波数もウッドベースのキャラクターに作用するよう設定されていると感じます。

中でも特にMidが音作りの中核を担います。
これを上げるとボコーンと箱鳴りっぽくなりますし、下げればバキーンとした弦の鳴りが目立つようになります。アマチュアで使う広さのスタジオでは音がまわりやすいため下げる方向に調整する事が多いのではないでしょうか。ただしピックアップの特性にも大きく左右される部分でもあります。

次に操作するのはBassです。
こちらも上げるというよりは下げる方が多いと思いますが、削ってもウッドベースの「箱鳴りの質感」をあまり損なわないのが非常にポイント高いです。

上記2点が特にウッドベース向きのチューニング、という感じがします。

残りのlow midとhi midはエレキベースのイコライジングと似た働きをします。中でもhi midに注目していて、まだ私はあまり試せてないのですが、埋もれがちなウッドベースの音の音抜けをここでコントロールできそうな気がして、ポテンシャルを感じます。

trebleは弦と指板が当たったカチッという音を強調します。私はその音があまり好きでないのと、上げるとノイズが乗るので基本的にややカットします。が、そこまで音質に大きな変化はしません。

弱点

エレキベース用のコンパクトペダルに比べるとちょっと重くてデカいのが難点です。とはいえウッドケースのケースのポケットにギリギリ収まるので許容範囲ではあります。

という事でFishman のプリアンプの解説でした。中古で手に入れる機会はあまり無さそうですが、過去のメルカリでは10,000円前後で取引されてますし、ウッドエース弾きは見かけたらとりあえずゲットしとくといいのでは無いでしょうか。

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