先日、会社の軽音部のイベントでパットメセニーのLone Jackという曲でベースソロを弾いたのですが、私の力量ではアドリブでまともな音楽にならないのは目に見えていたし、ジャズメンではない軽音部のオーディエンスに対する演奏で重要なのは「アドリブであること」よりも「歌っていること」だと考え、書きソロとしました。
書きソロと言っても私のオリジナルではなく、以下の動画のパットメセニーのギターソロから印象的でかつ私でも弾けそうなフレーズを拝借し、組み合わせたものとしました。
で、本番が終わった後に考える事ではないのですが、自分で弾いてて何がどうなっているのかよく分かって無かったので、今更ですが譜面に書き起こして分析してみようと思います。
目次
Lone Jackのコード進行
Lone Jackのソロパートのコード進行は以下の通りです。

なおこの曲、スタジオ版(Bb minor)とライブ演奏(B minor)でキーが異なります。恐らくライブではウッドベースでの弾きやすさを考慮した変更なのではないでしょうか。上記はライブ版です。
さらにこの曲、テーマ部とソロ部でBパートのコード進行が異なっているという特殊な構成をとりますが、上記はソロパートのコード進行を記述しています。
コードのアナライズ方針
「とにかくずっとBマイナーペンタで解釈する」方針でいきます。
- まず最も重要な事として、この曲、鬼のようにテンポが早いです。BPMが350くらいですので、1.37秒ごとにコードが変わるようです。
- 私は1.37秒ごとに変化するコードと対応スケールに追いつけません。そのため「ずっとBマイナーペンタトニックで弾く」と解釈することにします。弱者なりの戦い方です。
- さらに、明らかにスケールが異なる3段目(Bパート)をどう解釈したらいいのかよく分からないので、ここも無理やり「Bマイナーペンタに変な音をプラスしている」という解釈をします。ちゃんとジャズやってる人から怒られそうな気がします
という事で極限までシンプルに解釈しようとしています。かのJoe Passですら「II-VはVと見れば良い。IIは無視しろ。シンプルなのが良い」と言ってたので、許してくれるはずです。知らんけど。
という事で、上記のコード進行に対し、「ずっとBマイナーキーで見る」その上でイレギュラーなコードトーンは都度覚える。という作戦で解釈します。
まず、Bナチュラルマイナーのダイアトニックコードは以下の通りです。

Lone Jackのコード進行から上記のダイアトニックコードから外れているコードと利用音を強調すると以下となります。

基本のBマイナーペンタに加え、上記のノンダイアトニックノートを適所に差し込むことでコードを意識した響きが得られるようになるので、やや上級なソロができるはずです。
なお上記のノンダイアトニックノートのうち、G#(ナチュラル6)やA#(ナチュラル7)はメロディックマイナースケールでの利用音でもありますので、広義にはマイナースケールと呼んでいいかもしれません。
ので、その限りでないBパートに現れるC(♭2)やD#(ナチュラル3)は特に狙うべき音だと解釈されます。
私が弾いたベースソロ(なお6弦ベースです)
自分の演奏を本番が終わってから譜面に起こす、という人生の初体験を行いました。ちなみにワンコーラスです。


ひとつひとつの音を以下の4分類で説明しています。
| # | 音 | 具体的には | 楽譜上の色 |
|---|---|---|---|
| 1 | Bマイナーペンタトニック | R(B), ♭3(D), 4(E), 5(F#), ♭7(A) | 黒 |
| 2 | Bナチュラルマイナーのうち上記以外の音 | 2(C#), ♭6(G) | オレンジ |
| 3 | コードトーンに含まれるが1.2.に該当しない音 (つまり上述のノンダイアトニックノート) | ♭2(C), 3(#D), 6(#G), 7(#A) ※コードに準じる | 赤 |
| 4 | 上記1.2.3.で説明できない音 | 紫 |
黒とオレンジは基本、赤や紫はイレギュラーな音使い、となります。
ソロの分析
A1パート(最初の16小節)

ほとんどBマイナーペンタです。黒が多め。
ちょっとだけ#4が出てきますが、もうこれはマイナーペンタの一部と言っていいと思いますので、そう解釈すればマイナーペンタ一発で弾ききっていると言ってもいいです。
ルート音もそれなりに頻出しており、「助走しているな」という感じがあります。
A2パート(次の16小節)

A1パートに比べて少し音のバリエーションが増えましたが、それでもかなりBマイナーペンタ一発と言っても良い音使いです。
Bパート
さて問題のBパートです。

前半はマイナーペンタよりもオレンジの音数が増え、ナチュラルマイナーの意識が強くなっているように見えます。が、意外とそれ以外の音は使っておらず、ここも広く言えばマイナー一発で弾ききっているという構成です。
で、後半がこのアナライズの醍醐味となっています。パッと見で赤色が目立つよう、Bマイナーペンタ外の音をつかい、Jazzyな演奏となっているはずです。
かつ、G#-7/C#で使われるA#(ナチュラル7)は上記の説明の範疇外の音が使われており、私にはなぜこの音を使っていいのか分かりませんが、自分で弾いてて、ここのA#の響きはグッとくるものがあります。
A3パート(最後の16小節)

こちらもほとんどBマイナーペンタと言って差し支えなく、クロージングに向かっている印象です。自分のソロに「印象です」と言うのもおかしな話ですが。
冒頭の8小節は冒頭が5→♭6→6→♭7と半音上昇しているアイデアを使った反復フレーズで、マイナーキーでのソロで応用が効きそうです。簡単だし盛り上げやすいので、他の機会でも積極的に利用してみたいと思います。
終わりに
という事で、自分が弾いた書きソロを本番が終わってから分析するという、あまり例を見ないであろう事をやってみました。
自分があまりにジャズ力が低いために全部マイナーペンタで解釈するという熟練者には怒られそうな事をやりましたが、一定の納得度と手応えがあります。
他の曲の組み立てや分析にも似たような事ができそうな気がします。頑張ります。
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