p4uがいろいろしんどい

すでに続編のロケテストが開始してるというのに今更買った「ペルソナ4 ジ・アルティメット・インマヨナカアリーナ」。タイトル長いわ。10時間強やったけど多分あと10時間やっても感想は変わらんと思うので、レビュー的なことを書いてみます。

結果から言うと、どうも自分は「死にターゲット」だった模様。
ペルソナシリーズは大好き。格ゲーはまぁそこそこやったくらい。たぶんこのテのユーザー層が最も煮え切らないような造りになってしまっている印象。そういう人けっこう居るんちゃうかな。

格ゲーとして

クオリティはめちゃくちゃ高いんだと思います。
原作をちゃんと活かしたキャラクター性能になってるし、打撃あり魔法ありの世界観の中でこんなバラバラな性能設定の13人のキャラクターを、よくもここまで「格ゲーとして」バランスさせれたなぁという感じです。さすがはアーク。
キャラ毎の性能も全然違う上に、基本アクションも豊富で、状態異常(格ゲーでは初めて見た)まである。やり込めばやり込むほどプレイの幅が広がる、そういう奥深さを感じます。

ただ、2D格闘がストZERO3以来の自分にとっては、敷居が高すぎた。
通常技とコマンド技の組み合わせで戦うことしか脳が無いおっさんには、何をどうしたら上手くなっていくのかがさっぱり分からん。崩しってナニ?

たぶんそういう人向けに用意されたであろう、「弱攻撃だけ連打すればコンボになる」という設定がありますが、これが逆効果な気がしてならない。初心者にとってはあまりに便利すぎて、これしか使わないようになってしまいました。頑張って他のコンボを見につけようと思わんくらい。

初心者から中級者に上がるハードルが異常に高い。そんな印象です。

ペルソナシリーズとして

思ってたより10倍ストーリーがちゃんとしてた。これお祭りゲーじゃなくて正式続編ていうことでいいんでしょか?

ただもう、これがしんどい。
正式続編だからこそしんどい。

いろーんな意味で「RPGでやった方が良かったんちゃうの」と思わせるデキになってるあたりが、企画としてかなり甘い感じ。友人も同じこと言ってました。

ゲームの演出じゃない

RPGじゃないフォーマットにストーリーを乗せる、てことでサウンドノベル形式を採用すること自体は別に反対じゃないです。

ただ、長い。長すぎる。鬼長い。

1キャラ分クリアするのにだいたい2時間かかるんですが、その間バトルが多くて8回とか。15分テキストを延々と読んでバトルが2分で終了、をひたすら繰り返す。テンポ感が極悪。キャラによってはバトルが1回という場合も存在する。
あまりにだるいので3キャラ目くらいからスキップしまくる。意味ねえ。
全キャラクリアする気力はもはや無いです。

不必要な描写が多すぎて意味なくテキストが膨大になってるような。「ゲーム用の」ライティングになってない。小説じゃねえんだしよ。
このボリュームを演出するならRPGじゃない?って感じがするのがまず一つ。

しかも解決しない

ペルソナ4をベースに、ペルソナ3のキャラがサプライズ参戦!っていうことかなと思ってたら、全然そうじゃないす。3と4は等価で、それぞれのエンディングの延長線が重なるところに今回のストーリーが設定されてる。
ファンにとっては嬉しい仕掛けで結構テンションが上がったんだけども、今回このストーリー、完結しません。「真の黒幕を見つけよう」「おお!」みたいな終わり方をする。次回作を買えということか。勘弁してほしい。

RPGだったらまずありえない。ひとつの作品で最後まで描ききってほしかった。

初ペルソナユーザーへのフォローが皆無

ペルソナ3と4のエンディング前提でストーリーが組まれているので、原作やってない人にとっては全く意味のわからないストーリーになってしまっています。
格ゲー目当ての人にペルソナの世界観を伝える、という役割があるとしたら全然果たせへんです。そんな戦略を意識してるのかどうか知りませんが。

まとめると

どう考えてもペルソナ3&4の続編RPGとして出しといた方がしっくりきてしまう。

ペルソナとして見ると、格闘がしんどい。ストーリーも煮え切らない。
格ゲーとして見ると、ストーリーは無視対象。

「ペルソナ3と4を最後までやりました。長いストーリーも苦になりません。格ゲーもゲーセンでけっこ修行してウデはそこそこです」っていう人にはいいと思います。というかそういう人にしか向いていないゲームです。
意図したところではなく「結果そうなっちゃった感」が悲しい。