リトルマスター~虹色の魔石~(SFC)の感想をいまさら語る

発売から20年弱経ってる今言うのもどうかと思うんですが、これ、けっこう名作だと思うんですよね。知名度低いですけど。

万人に開かれた遊びやすさと世界観、という意味では任天堂の諸タイトルか、あるいはドラクエのクオリティがズバ抜けてると思うんですが、このゲームも相当いい線いってると思います。

とはいえ、発売の徳間書店インターメディアにRPG開発ノウハウがそんなにあったわけではないと思うので(完全な推測です)、細かいこと言えばいろいろ指摘できてしまうんですが。シミュレーションRPGなのに戦略性が低いとか、妙にいちいち操作感が悪いとか、フォントが読みづらいとか、小学生でも楽勝でクリアできてしまう難易度、とか。

※08/03訂正、よく考えたら開発はツェナワークスでした。

でもこの作品、FF7と同じく「何かの要素がズバ抜けてすごいわけではないけど、トータルで見てすごくいいゲーム」、そんな感じです。ゲーム全体を通して、イビツなところが無いんですよね。

子ども向けの配慮がすごく行き届いている

自分がこれをプレイしたのは小学生後半だったはずですが、今思い返せば子どもがやるゲームとしてこのバランス感は凄く大事な気がします。
この作品ってドラクエやFFなどの王道RPGよりも対象年齢が低めに設定されているとは思うんですが、子ども向けという意味でものすごい配慮が行き届いた点がこの作品の最も優れているところなんではないかと。

ネット上にあまりに画像も動画も無かったので、ニコニコ動画のプレイ動画でも上げときます。
1分くらいするとかっちょいい曲が聴けます。

ストーリーは勧善懲悪を意識させないほど「当然のように展開される善が悪を倒す」ファンタジー。ラスボス倒して、はい平和が来ましたよ。ドラクエ以上です。
この徹底された「リアリティの無さ」が、絵本的でおとぎ話的な世界観でうまーくまとめられてる。
その世界観がストーリー、グラフィック、音楽、すべてに行き届いているのは、プロデューサーのバランス感覚なんじゃないかなぁと思ったりします。

中でも敢えてこの作品の何がグッドかというと

「グラフィック(特にキャラクター描写)」と「音楽」です。このゲームやった人のほとんどがそう言うんじゃないかしら。

1995年のスーファミというとまぁそれは結構に綺麗な(とういかリアルな)グラフィックが描けるもんなんですが、絵本的な世界観に徹底しているのも、作家性がビシバシ伝わってきます。ドッターの職人魂を感じます。
このセンスはPSのmoonに通じるような。

特にキャラクターグラフィックに関しては、ドラクエに匹敵している数少ないタイトルなのでは。
要素を極力排除して「アイコン化」するようデザインが徹底されています。

序盤の雑魚キャラ。豚がかわいすぎる。
これ、まじで全キャラクター徹底されてるんですよね。相当時間かけたか、あるいはデザイナーのセンスが凄く良かったのでは。

音楽は20年経った今でも聴けます。というか聴いてます。
音楽上のテーマ性とか深みはないですが、とにかくすべての曲がかっこいいです。特に迷いの森とか、ラストステージとか。
曲名、ネットで調べてもでてこないんだなぁ。サントラ出してたら天地創造のように今はプレミアついてたと思います。

ガキの頃にやっといてよかったなぁと思うゲームです

傑作とかそういう言われ方をするゲームじゃないですけど、こういうゲームが周辺で生み出されている時代ってすごい健全だと思うんですよね。
今がどうなのかはもう分からんけど。

30手前という歳になって語るもプレイするもちょっと恥ずかしいゲームですが、ガキの頃にやっといてよかったなぁ。
そんなゲームです。