クロノトリガー、ドラクエ、FFの楽曲をオーケストラで。日本BGMフィル「THE LEGEND OF RPG」行ってきた感想

当然のように行ってきました。

基本的にクロノ、ドラクエ、FFの曲をオケで聴けるというだけで行く理由としてはカンペキなのですが、2年前のSymphonic Fantasyでは選曲が微妙だったというのもあって、特に今回は超期待してた。一瞬でS席を確保。

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なかなか良い席。

で、超期待してたこのコンサートだけど、個人的には残念でした。

原曲が死ぬほど好きだから素直に感動したところはあったけど、「それ以上」が無かった。グッとくるものが無かったなぁ。という感じ。

以下は「これからもっと頑張ってほしい!」という期待をこめて書きますが、好きだった人には腹立つ内容が多いと思うのでスルーしてくださいませ。

開演後、スクリーン上に謎のマスコットキャラクターが登場。
場内の注意事項を伝えてくれるわけだけど、なんかアニメ文脈というか、キャラ設定がイタい。そういうのどうでもいい。音楽聴きに来たんだこっちは。
まぁでもこういうのは個人の好みもあるだろうということで置いておく。

第1セットのポケモンは全くやったことないのでまぁ「こんなもんか」という感じで聴いた。
ただ、この時点で弦がやたらと弱いのが気になる。弦楽器の音がほとんど聞こえない。オケのコンサートに行ったの5回くらいしかないけど、明らかにバランスがおかしい。つい2ヵ月前に東京シティフィルのドラクエ4を聴きに行ったから間違いない。

もし当日行った人で同じ感想を持った詳しい人がいたら

  1. 席の位置によってはそう聴こえる箇所がある?
  2. 文京シビックホールがそういう音響設計?
  3. 楽団の皆さんのスキルの問題?

どれか教えてほしいです。

ポケモンの曲は1曲しか知らないけど、聴いてる間ずーっと「これオケでやるべき曲なのか?」という気持ちが拭えなかった。
普段よく聴くドラクエに比べるとドラムパートがずっと鳴ってるんやけど(たぶん原曲がそうなんですよね)、打楽器と他楽器のリズムの打点がとにかく合ってない。ジャズ畑の人間からしたら顔をしかめるくらい合ってない。
オケってそういうもんってのは何となく分かってるんだけど、スキルの問題かよくわからんが単純に「この曲はオケ向きじゃないでしょ」としか思わんかった。

ここで司会。
二人のおねーさんが登場。Twitter見たら酷評でしたが、俺も同じ気持ちです。
まぁあのお二人も大変ではあるんでしょうが、正直ゲーム素人感が出すぎて逆に気分が萎える。個人の好みだがいわゆるアニメ声というのが生理的にダメなので、かなりキツかった。
というか、指揮の市原さん。あの人、前アンサンブルのときに喋ってたけど、すごいMCうまかったので市原さんがやればいいのに。指揮とMCって両方やるの大変なのかしら。

次のクロノトリガーは良かった。このコンサートでは一番いい瞬間だった。
「クロノとマール」「やすらぎの日々」「時の回廊」「世界変革の時」あたりは毎回鳥肌がたった。原曲再現度という意味では「ガルディア城」が図抜けてたと思うけど、他の曲もオーケストラという文脈でうまく原曲に近い雰囲気を出すようアレンジがされていたと思う。
ただ、なぜか全部テンポが速かった。曲によってはけっこうもったいない印象。指揮者のコンディションなのかアレンジがそうなのか知らんけど。

あと、ステージ背景にずっとプロジェクトマッピング?というか、とにかく映像がずっと投影されてるんだけど、内容が意味不明
車輪が延々と回っていたり、水が延々と落ちていたり、とにかく何なのかが分からない。
一部ゲームとリンクする映像もあったけど、とくにギミックもなく、クスリともできない。別にここに金かける必要無かったんじゃ…。

ドラクエは完全に公式スコアの再現。
なんか司会が「今回用に特別にアレンジしてます。豪華ですねー」とか言ってたけど、ほんまか?俺は信じてません。
2ヵ月前に聴いた東京シティフィルに比べると演奏力が格段に落ちるのが分かってちょっと悲しかった。アリーナのテーマのトランペットは群響でもかなりミスってたので、相当ハードル高いフレーズなんだろうとは思いますが、他の箇所もミス多かったなぁ。
生オケでドラクエ5の戦闘を聴いたのは初めてだったけど、凄い良かった。
今回のように、ドラクエと他のゲームタイトルの曲を一緒に聴くという機会はそうそう無いわけですが、やっぱり楽曲としての構成力はドラクエが図抜けてるなぁという印象です。まぁ元がオーケストラ意識して作曲されてるので当然かもですが。

最後のFFパート。
FF2の「反乱軍のテーマ」はなかなか良かった。オケのアレンジにもハマってた。「ゴルベーザ四天王とのバトル」は、上のポケモンでも書いたけどドラムパートとのリズムの合ってなさが気になりすぎて、まともに聞けなかった。申し訳ないけど本公演では一番イケてなかったと思う…。

で、俺は「蘇る緑」に心底期待してた。んだけど、これもガックシという感じ。
多分だけど、直前に昼公演も行い、夜公演もラストに差し掛かり、疲労がピークに達していたのかなぁと。セクション内がもうバラバラ。
あとこの頃には弦セクションの音量に合わせたのか他の楽器も「恐る恐る」音を出してる感じになってきてて(もしかしたら疲れかも)、オーケストラとしてのダイナミクスが全く無い。単純に音量の最大値があまりに低い。
だもんで、各キャラテーマのメドレーパートが終わった後のラストに収束するパートが、あまりにやっつけ気味に。
この曲を生で聴けた感動はありつつ、全体としては消化不良でした。

アンコールはコーラス舞台を従えての「片翼の天使」。
これは好みだから言ってもしょうがないんだけど、俺この曲全然好きじゃないんだなぁ。1音目が出てこの曲だと分かった瞬間にもう俺の中でコンサートは終了してしまいました(気持ち的にという意味)。
クロノトリガーのエンディング曲とかやってくれたら悶絶しただろうになぁ。

…とクダを巻いてしまいましたが、ゲーム音楽オケは死ぬまで聴きに行きたいので、日本BGMフィルさん、ひとつこれからもキバってお願いします。

というわけで、最後にいつも撮る絵を。

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今回は5弦じゃありませんでした。