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ファイナルファンタジー4(DS版)感想と、リメイクについて思うことを書く

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amazonで酷評吹き荒れるこのリメイク。
1からほぼリアルタイムで経験したFFシリーズの中でも4は一番思い入れがありまして、SFC版は何度クリアしたか数えきれません。amazonのレビューを気にしながらも、あの気分にもう1回浸りたいなぁと思ってでプレイしました。

SFC版からの主な変更点は以下の模様です。

  • かっちょいいオープニングムービー追加
  • 全編3D化
  • インターフェース刷新
  • 一部イベントに声入り
  • 若干の新規イベント
  • 仲間のアビリティを引き継げる「デカントアビリティ」システム
  • 謎のポーチカシステム

とりあえず細かいところから

マゾ仕様の戦闘

どっちかって言うとストーリーをもう1回味わいたかったので、戦闘でいちいち時間を割くのも面倒。
ということで最初から攻略サイトや攻略本を縦横無尽に駆使して進めました。かなり計算して無駄なくデカントアビリティを振り分けたりしたので、攻略サイトを見ないでプレイした人に比べると相当なアドバンテージがあったはず。それでようやくSFC版と同じ難易度(実感値)。

そらamazonでも「敵強すぎ」と言われまくるわな…。

ただ、上記のようなプレイスタイルをとってしまったため、戦闘に対してケチつけるつもりはあんまりりません。
ただこのリメイク、それ以外でも言いたいことが山ほどあります。

グラフィック・サウンド

唯一、グラフィックは自分にはかなり好ポイントでした。キャラをポリゴンにするのは基本的に嫌いなのですが、初めてポリゴンのキャラクターが「キャラクターらしく」描かれたと思い、ここは評価したいところです。

以下、ケチが続きます。

サウンドは、音質が悪すぎてプレイしてていちいち気になるレベル。その直前にプレイしたドラクエ9の音がかなり良かったため、落胆もひとしお。特にトランペットの音が笑えるくらいチープでした。残念すぎ。
「アクトレイザー」の音質にビビったFF6のサウンドスタッフがドライバを開発しなおしたというガッツはどこへ行ったのやら。

声・ストーリー・演出

もともとがとにかく青臭いストーリーがウリのFF4だったのですが、SFC版はまだ自分にとっては生温かく見守れる範囲でした。で、これに声による演出と一部イベントムービーが加わり、自分の限界点を軽々と突破してしまった感があります。こういうところに妙なリアリティはRPGに不要と思ってるのと、生来アニメ的な演出が受け付けない体質というのが大きいのですが。
プレイしてると、あまりに恥ずかしくて「もう勘弁してくれー」と顔を背けたくなるイベントシーンがわりとありました。

と言いつつ不思議なもので、もともとRPGに声入れるのは「もうほんとに勘弁してくれ」派でありまして、もちろんこの作品も例外では無かったんですが、なんだか中盤から慣れてしまい、最後はむしろあってよかったぐらいに思ってしまいました。何かの魔法にでもかけられたか。

ただ、FF4が誇る魅力あふれるキャラクター陣の中でも、最終メンバーのセシル、カイン、エッジの声は、アニメ素人な俺からしてもかなりイケてないような気がしました。なんだかなぁ。
SFC時代から全く感情移入出来なかったセシルは、声優の演技力のせいかより感情移入できないロボットみたいなキャラクターになってしまった。
俺の中では永遠にカインが主人公です。
ただ、リディアとかシドの声は凄く良かった気がします。

あと、メニュー画面を開くと先頭のキャラクターがぶつぶつ言うという、ドラクエの「仲間に話しかける」に似た機能が実装されてます。
しかしあまりにセリフライティングのクオリティが低い。攻略の助けになるような情報はほぼ皆無だし、ドラクエみたいにクスリとさせるセリフも無い。キャラづが中途半端。この点ドラクエというか堀井雄二はテキストの天才なんだなぁと思います。
とにかくテキストが苦手なFF(特に6まで)にとって、この機能は作品の首を絞めるだけの結果だったように感じます。何がしたかったんだろうか。
まぁほとんど全テキスト見たけど。

あと、カインのヘタレっぷりが暴露された幼少期の追加イベントが誰が得する演出なのかが全く分かりません。
人生のRPGの中でもトップクラスに好きなキャラだけに、無念すぎた。
あとセシルの親父の追加イベント、これもやっぱり必要だと全く思えませんでした。
ストーリー解釈にほとんど影響しない内容でした。

そんなことよりも

さんざん言いたいこと言いましたが、本題がここからです。

自分がこの作品に対して最も気になったのは、「これはファイナルファンタジー4」なのか?という点です。

もともとFF4というゲームが持っていたあの「あまりに分かりやすい人形劇の観客になった気分」とでもいうようなあの体験。あれがなんか全然別物になってしまったなぁというのが致命的なように思います。
一言で言うと、「ストーリーとキャラクターが同じなだけの別のゲーム」になったと思ってしまいました。

リメイクは誰のため

リメイクというのは非常に本当に悩ましい仕事なんだろうなぁと推測します。
端的に分かれる2タイプのユーザー、つまり「リピーター」と「新規ユーザー」の両者の顔色を伺わないといけないのがその最たる側面だと思います。
それぞれが何を求めるかというレベル以前に、「ストーリーや攻略法を知ってるユーザー」と「知らないユーザー」相手に同時に「ゲーム性」を担保するだけでも気が遠くなるようなバランス調整が必要なんじゃないかと思います。ゲーム制作者じゃないから詳しいことは分からんけど。
で、作品として世に出される以上、両者を満足させられるものとしてのクオリティを求められるのは、大作であればなおさらですわな。

自分は20年来の作品ファンとして「リピーター」としての視点しか持ち得ないので、FF4のあの雰囲気を再び味わうという点にプレイの意義をどうしても見出したくなります。リメイクと聞いたらまずそれは「最低限のライン」として作品に要求してしまいます。
そこに「これは全く新しいFF4です」と作者が言うとしたら、俺からしたら「じゃあなんで4のリメイクを出すの?」と思っちゃいます。

まぁ、ハナからリピーターというよりは新規ユーザー獲得を目的としてリリースするのであればそれでいいのですが。

その点、ドラクエの一連のリメイク3(SFC)、4(PS)、5(PS2)はやっぱうまいなーと思います。バランスが。「ああこれもドラクエだ」という安心感は絶対担保されてるもん。あとは細かいゲーム性の調整では意見分かれると思うけど、そこは絶対守ってる。ドラクエは。リメイク力という点では、FFはドラクエに及ばないなぁ、というのが実感です。
まぁ、FFに関してはスタッフが全然違うからしょうがないのかもしれません。ならなおさら何でリメイク作ったの?とは思うのですが。

いやこの作品をプレイして別に腹が立ったとかいうわけではないし、FFブランドに傷をつける汚点だとかそこまでとは思わないですが、ユーザーが「リメイク」に求めるものをはき違えているのかなーという印象を持ってしまいました。
リメイクをするに当たり、コンセプトを詰め切れなかったのが、こういう作品を産む原因となったのかな、と推測してます。

ただ、このムービーだけはかなり秀逸です。歴代RPGのオープニングムービーの中でもかなりのかっこよさだと思う。

それだけに期待がでかかった、というのはあるなー。

※2015年1月14日、ですます調に変更しました。