Duke Ellington Orchestra のお礼参り @ ブルーノート東京

一応、大学時代に京大の学バンに2年おりまして、Duke Ellingtonの曲は50曲くらいは演奏したことはあるくせにまだ一度も本場のオーケストラを見たことがないということで、4年半ぶりの来日公演@ブルーノート東京に行ってきました。


今日びエリントン聴く人なんておるんかいなくらいに思ってたら、追加席が出るくらいの満席っぷり。死んで45年くらい経つのに、すごいわ。さすが音楽の父(やったっけ)。

さて、1,000以上作曲したと言われるおじさんなので果たして何を演奏するのやら全く想像できなかったのですが、わりと手堅いラインナップでした。セットリストはこう。

  1. Take the A Train
  2. 22 Cent Stamp
  3. The Eighth Veil
  4. All Day Long
  5. In a Sentimental Mood
  6. Such Sweet Thunder
  7. A Portrait of Louis Armstrong
  8. Chelsea Bridge
  9. Schwiphti
  10. Don’t Get Around Much Anymore
  11. In a Mellow Tone
  12. Perdido
  13. Mood Indigo
  14. Kinda Dukish – Rockin’ In Rhythm
  15. Satin Doll
  16. Main Stem (ec)

手堅いとは言いつつも、Caravan とか It Don’t Mean a Thing あたりのウルトラ代表曲は控えるあたり、緩急が見て取れます。1stセットではどうだったのかも気になるところです(我々は2ndセットに行きました)。

ベースの Aaron Bell によるカデンツァが炸裂する Matumba という曲がありまして、俺も山野ビッグバンドジャズコンテストで2,000人の前で演奏した想い出の曲なのですが、Spotifyにも1テイクしか存在しない激レア曲なのではまぁどう考えても演らんだろうと思ってたら、やっぱりやりませんでした。

ライブの感想

ベースのおじさんがむちゃくちゃ良かったです。派手なことはしないけど着実に4分打ち。これぞスイングジャズのベース、という感じ。

このおじさん、終始ニコニコしながら演奏してるところだけ見ても人の良さがにじみ出ていて、見ているこっちも楽しくなる。ただ1時間以上ニコニコしているのも疲れないのかと思わないでもない。J.J. Shakurという方らしい。
一方で、オリジナルのエリントンバンドは全員ぶっきらぼうなのがむしろ味(客に感謝してる感ゼロ)、みたいなところあるので、これはこれでどうかと思わないでもないですが。2018年にもなって今更オリジナル感を求めるのもナンセンスだと思うことにします。

ちょっとミキシングに難を言うと、ベースの音はデカかったです。現代のビッグバンドのセッティングではウッドベースは唯一プラグを通す楽器。他の楽器が生の音で勝負してる中、ベースの音だけミキサーを通った機械の音、という感があってちょっと違和感はありました。

俺的ハイライトその1は、6曲目のSuch Sweet Thunder。この曲は俺がエリントンバンドに入って一番最初の合奏でやった最初の曲ということで、特に思い入れの強い曲です。今回はむちゃくちゃスローなアレンジでした。あと初めて聞きましたがお馴染みトランペットのソロの後に、ベースソロがありました。その手があったか。

リードアルトのおじさんが1曲ごとにMCを挟み、自分でソロもとる。この人はむちゃくちゃ上手かった。とはいえ、ジョニーホッジスと比べられるのも大変では無いだろうか…と多分「お前に心配される筋合いは無い」と言われそうなことを考えてしまう。

俺的ハイライトその2は、終盤のPerdido。この曲は2年間「やりたい!やりたい!」と言い続けたのに結局レパートリーに入らなかったこれもある意味想い出の曲。ようやく本場のプレイが聞けて良かった。

後はこんな感想。

  • キャットアンダーソン役が不在。1stトランペットの人がリードもハイノートも兼任。大変だ。
  • リードトロンボーンの人がイケメン。
  • おじさん連中に囲まれ、バリトンの方がやたら若い。

バンドメンバーの仲が良さそうで、終始ほっこりしたコンサートでした。

あと、どうでもいいですが2ndトロンボーンの人がむちゃくちゃでかかったです。身長2m超え、体重は150kgありそう。飛行機に乗れるんだろうかあれ。

有名人がいた

そういえば帰り際に、トライセラトップスの和田唱さん激似の人がいるなーと思ってたら
 

デューク・エリントン・オーケストラを観にブルーノートへ♪ 去年2月のカウント・ベイシー・オーケストラ以来。ブルーノートへはほとんどビッグバンドしか観に行ってないけど、ビッグバンドはやっぱり楽しい。音楽ってこうだよな!って毎回思う。しかし若い人が多かったのはなぜだろ? #dukeellingtonorchestra #bluenotetokyo #和田唱

Sho Wadaさん(@sho_wada_triceratops)がシェアした投稿 –

本人だった模様です。
まさかエリントンを見に来る人だとは思ってなかったのでスルーしてしまったが、声かければ良かった…。もったいないことをした。奥さんも来てたようです。

ファン垂涎のビデオ

エリントンということで、一部の界隈では有名な、ポールゴンザルベスがライブ中に寝ている動画を貼っておきます。

1年に1度くらい急に見たくなる味わい深さがあります。

ということでエリントンビッグバンドでした。ベイシーも見てみたいなぁ。